神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] SF Japan 2008 WINTER

2009-01-10 21:50:22 | SF
『SF Japan 2008 WINTER』 SF Japan 編集部/編 (徳間書店)



年は明けてしまいましたが、徳間書店から出ているSF専門雑誌(現在はムック扱い)の2008年冬号。

「特集 吸血鬼小説!」は連載中の恩田陸『愚かな薔薇』、新連載の篠田真由美『黎明の書』が含まれていて、反則気味。去年、吸血鬼ものでSF新人賞を獲った中里友香には依頼はなかったのか?

吸血鬼というと、僕らの世代では菊秀行の『吸血鬼ハンター“D”』シリーズが有名で、吸血鬼といえばあれのイメージ。あとは……、怪物くん(笑)。

篠田真由美がインタビューの中で、キリスト教から自由な日本人だから書けるヒーローとしての吸血鬼みたいな話をしていて、これは確かに同意。日本人が作ったら、『バフィー ~恋する十字架~』も主人公の女子高生バフィーが吸血鬼になりそう。

他にはモンスターつながりで、樺山三英がフランケンシュタイン物。SFマガジンのガリバー旅行記よりもさらにメジャーなネタになってきて、やっと楽しめるものが出たという感じ。樺山三英は面白いこと書いてあるんだろうけど、元ネタがわからないとよくわからないものが多かった。“わかる人にはわかる”だけでは限界があるはず。わからない人にも楽しめて、ネタ元への興味を掻き立てるような作品が理想なんだと思うが。

その点、小説ではないが、幾何級数的太郎冠者、算術級数的次郎冠者のディック論はすばらしい。ボルヘスなんて読んだことないけど、読んでみたいと思わせる内容だ。この二人、クラーク追悼特集から出てきたのだけど、正体は名の知れたプロなんだろうか、それともBNF? 編集者?

SF Japanは現時点で年3回程度の不定期刊になっているが、SFマガジンよりもファンタジーよりな日本SFの牙城としてなんとか月刊ペースに戻って欲しいが、方向性として他の文芸誌(メフィストとか)との区別が難しそうだ。

今回、『七瀬ふたたび』のドラマシナリオを載せたように、映像系とのコラボとか? ジブリは独立したけど、徳間配下だったわけだし、こっちの方向性はありなのかな。


[FT] テンペスト

2009-01-08 23:19:34 | SF
『テンペスト(上・下)』 池上永一 (角川書店)

正月に読んだ本。
wikipediaに項目ができているほどのベストセラーなので、特に紹介はいらないか。
とりあえず言っておくと、幕末の琉球王朝を舞台にした架空ファンタジー。

『レキオス』が現代、『シャングリ・ラ』が未来、そして『テンペスト』が過去を描く3部作みたいな感じがする。
なんというか、登場人物のテンションの高さとか、ぶっ飛び方が一緒。ただ、この中では今作『テンペスト』が一番抑え気味のような気がするのは気のせいか。

ぶっ飛び方が抑え目なせいで、ある程度一般受けするようになったのかな。繰り返し系のギャグ(テンドンって言うんだっけ)の配分もいい感じになっていると思われる。正直言って、『レキオス』あたりだとぶっ飛びすぎてついていけなかったのだが、これはゲラゲラ笑いながら読ませていただきました。

聞得大君(真牛)がいちばんぶっ飛んでいると思うが、この人がいるだけで著者を隠しても池上永一だとわかるよね。まあ、まともな人間は朝薫と浅倉雅博くらいしか出てこないんだが(笑)。

それにしても、琉球最後の王様、尚泰王は役立たずだな。少しは父上を見習え。こいつがやったことといえば、真鶴と真美那と王妃をはらませただけではないか。うらやましい。



どうでもいいが、シェイクスピアの『テンペスト』とはタイトル以外のつながりはないのか?
『イリアム』の復習にしようと思ったのに。
え、シェイクスピア読めって?
そりゃそうだ。

前髪なくなって泣きたくなる夜だって

2009-01-06 23:16:53 | Weblog
あけましておめでとうございます。

新年早々ですが、自分の耳が相当悪いんじゃないかという話。

中学時代に聴力検査にひっかかったこともあるので、薄々は気付いていたのだが、どうも低周波の感度が弱くて、さらに解像度が悪いっぽい。

だいぶ前からちょぼちょぼとDSの「もっと英語漬け」をやっているのだが、これが腹の立つくらいにわからん。回答を見た後でも、どう聞いてもそんな風には聞こえない。

どうして“will”が“ゥオー”にしか聞こえないのだ?

そういえば、曲の歌詞も聞き間違えとか、意味の通じないことが多い。

【その1】
「前髪なくなって、泣きたくなる夜だって」
MiChiの『PROMiSE』(auのCMに使われたやつ)。
前髪切りすぎてなくなっちゃったら、そりゃ泣きたくなるだろうとも思ったが。
正解は……、

「前が見えなくなって、泣きたくなる夜だって」

【その2】
「あなたのこと、しまいまでも、思い続けてるよ」
青山テルマの『そばにいるね』。
なんだか古臭い言葉使いだなと思っていた。
当然ながら、「あなたのこと、私は今でも、思い続けてるよ」なのだが、コレに気が付いたのは、昨年の紅白を見ているときである(笑)

まあ、そんなわけで、僕は耳が悪いので、聞き返されても嫌な顔をしないでください。