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神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[映画] サロゲート

2010-01-24 19:25:42 | 映画
『サロゲート』 - goo 映画


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『アバター』よりも“アバター”な映画。
『アバター』、『サロゲート』、そして日本のアニメ『サマーウォーズ』と、アバター(身代わり)をネタ絡めた映画が立て続けにあったわけだが、どれもアバターに対する意識が違っていて面白い。

この映画では、現実世界で人間そっくりのロボットを物理的なアバターである“サロゲート”として使用するようになった社会、という設定。周り中、みんなロボット。接続された男と接続された女が恋愛して、やっちゃう話。(←嘘です)

序盤のロボット技術紹介で、いろんな見たことあるロボットが紹介されていて、吹いた。横井さんの義手とかも出してくれればよかったのに。

テーマとしては、もっと生身で愛し合おうぜ、ということなのだろうが、サロゲート社会に対する考察が甘すぎて話にならない。

サロゲートが発明されてからたった14年間で98%がサロゲートを使用するようになったという設定だが、いくら工業技術が進んだといっても、ある程度高価と思われるロボットが、格差社会のアメリカでそんなに簡単に、そんなに高い普及率はありえないだろう。それに、誰もが金髪碧眼にあこがれるわけでも無かろう。黒人のアバターは変装用だけなのか?

ロボットお断りの自治区はスラムとして描かれているが、金持ちの老人とかの方がこの手の技術に拒否感があると思うので、それにもちょっと違和感がある。逆に、ああいうスラムみたいなところにこそ、サロゲートだけが豪華な、まさしく接続された見栄っ張りの男女が住んでそうだろ。リアルの自分に自信を持っていれば、サロゲートなんか使わないんだよ。映画中に出てきたピザデブみたいに。

また、この映画に出てくるサロゲートは、自分を飾り、願望を実現するためのコミュニケーションツールとして表現されている。それがロボットじゃないといけない理由などなく、実は現在の化粧や整形手術の延長上にあるものなんじゃないかと思う。あるいは、もっと精神的な“猫かぶってる”状態とか、営業用にわざと演じている性格とかの代替。

現代社会でも、そういうものにこだわらず、偽りの殻を脱ぎ捨てて、もっとみんな、生身で愛し合おうぜぇ、ラブ・アンド・ピース!

ところが、ストーリーとしては、ひねくれた推理物なので、あんまりメッセージ性は伝わってこない。というか、ロボットに対する気持ち悪さの方が先に立って、サロゲート社会がディストピアであるかのような描かれ方をしており、最終的にはディストピアの破壊が目的になってしまっている。

自分は、サロゲート社会がディストピアだとは、少なくともこの映画で描かれている範囲では、まったく思わないんだよね。
他人とのコミュニケーションのためには、むき出しの自我の隠蔽とか、面倒くさいドレスコードとか、それなりに必用でしょう。
明日からお化粧禁止といわれても困るという女性も多そうだし。男性だって、ふさふさがいいでしょ(笑)



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