神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] シャンブロウ

2008-08-27 23:34:22 | SF
『シャンブロウ』 C.L.ムーア (論創社) ダーク・ファンタジー・コレクション

表紙がなんかエロイんですけど(ワラ)

「宇宙放浪ノースウェスト・スミス」1クール、全13話一挙放映状態。

ハヤカワ文庫SFの『大宇宙の魔女』でおなじみ、ノースウェスト・スミス・シリーズの全話を収録した連作短編集。主人公のノースウェスト・スミスは川又千秋の『火星甲殻団』などで本歌取りされるような、古典的ヒーロー。ハインラインの『地球の緑の丘』という感動的なタイトルも、この作品内の唄からとられている。

なんといっても書かれたのが1933年、まだ戦前である。
終戦直後の米軍放出品にこんなものが混じっていたら、そりゃ夢中になるでしょう。(野田昌宏さんの冥福をお祈りします……)
SFでは歴史の1ページ。文学としても、近代の領域かもしれない。

このノースウェスト・スミス、数々のSFやアニメの元ネタにもなっており、SFファン必読の一冊である。

しかし、読み直してみると、スミスはスーパーヒーローではない。
毎回、ゲストキャラの謎の美女に誘惑されて危機に陥いり、相棒のヤロールや、謎の美女に助けられるのだ。自力で脱出するケースでも、肉体的アクションで切り開くのではなく、恐怖に負けない勇気(というよりは鈍感さ)で精神攻撃を打ち負かしての勝利である。そういった意味では、“ならず者”のイメージは払拭され、ただの女たらしに見えてくる(ワラ)

さて、話は変わるが、最近某SBS(ソーシャル・ブックマーク・サービス)でSF紹介のエントリが上位に上がっているのだけれど、みんなそんなにSFが読みたいの?
「SFとつけると売れない」時代がついこの間だったような気がするので、にわかには信じられないのだけれど、このような企画が出版されるような事実があると、SFの冬は過ぎて夏が来ている証拠に思えますが……。

ラノベ読者などにSFという大陸が再発見されているのかもしれませんが、そういう人には、この手の企画出版はお勧めできません。確かに、いろんな元ネタだったり、元祖で本家だったりするのだけれど、単純にエンタメを求めるならば、そのままラノベ読んでいたほうがいいです。他の小説でうっかりすっかりSFファンになってしまった人だけ、歴史のお勉強として買ってください。(読むのではなく、買うのが重要)









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