『インモータルズ -神々の戦い-』 - goo映画
(C)2010 War of the Gods, LLC. All Rights Reserved.
古代の神話は大好物である。日本神話もエジプト神話もマヤ親神話もアイヌのユーカラも、もちろん、ギリシアにローマ、オリンポスの神々は高千穂の神々とお友達!
さて、この映画もギリシア神話を下敷きにした3Dアクション活劇……のはずが、なんじゃこりゃ。
かなり大々的にキャンペーンを張っていて、予告編もすげぇーって感じだったのに、予告編を越えるシーンが無いとは。最近、こういうの多くないですか。短期間に観客を集めることができても、期待を裏切って長期的には逆効果だってことをなぜ気付かないのだろう。
主人公のテセウスはミノタウロス退治の勇者で、妻はパイドラ。そこまではいい。というか、それだけ。
テセウスはなぜか農奴の息子だし、パイドラはオラクルかよ。タイタンは巨人じゃなくて闇の戦士だし、牛の仮面をかぶった男は出てくるがミノタウロスは出てこない。
敵役のハイペリオンは、疫病で妻子を亡くしたことから、神々を信じなくなった暴君として描かれているが、ギリシア神話のハイペリオンってタイタン族じゃん。おまけに、神々の中にヘラクレスがいたり、この脚本家はいったい何を考えているのか。神話に対する敬意も何もあったもんじゃない。
インモータル(不死)である神々が、タイタン族との戦いの中で死に至るという皮肉な衝撃を描きたかったのかもしれないが、ギリシア神話という異文化をキリスト教的光と闇の戦いにしか解釈できないあたりが、キリスト教徒の発想の限界なのだろう。
テセウスが住む村の神殿は地下迷宮で、テセウスは自分の足を傷つけ、その血痕を頼りに地上へ戻るなど、ギリシア神話を元にしたと思われる小ネタはいくつかあるのだけれど、まったく神話とは関係ない別物の物語。しかも、面白くない。
しかも、字幕を訳した人も良くわかってないのか、肝心のゼウスが「mortal」と呼びかけるところを、単純に「人」と訳してどうする。そこはちゃんと「死すべき者よ」とか、「死すべきさだめよ」と訳さないと、意味がないだろうが。
先日見た『三銃士』には原作に対する愛と敬意があり、あれだけ派手に改変しながらも、大枠の話は変わっていなかった。しかし、『インモータルズ』はただのインスパイア、パクリ、盗作。まったくもって、程度が低い。
映像的には飛び散る血飛沫やぱっくり割れる身体が3Dで見られるので、その手の趣味の人には好評なのだろうが、はっきり言ってそれくらいしか見るべきものがない。しかも、肝心の3Dも戦闘シーン以外はわざとらしすぎる。手前に物を置いておけばいいというやっつけ感満載の演出。
どうしてこんなものを大々的にプッシュしようとしたのか全く理解不能だ。金返せ。
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古代の神話は大好物である。日本神話もエジプト神話もマヤ親神話もアイヌのユーカラも、もちろん、ギリシアにローマ、オリンポスの神々は高千穂の神々とお友達!
さて、この映画もギリシア神話を下敷きにした3Dアクション活劇……のはずが、なんじゃこりゃ。
かなり大々的にキャンペーンを張っていて、予告編もすげぇーって感じだったのに、予告編を越えるシーンが無いとは。最近、こういうの多くないですか。短期間に観客を集めることができても、期待を裏切って長期的には逆効果だってことをなぜ気付かないのだろう。
主人公のテセウスはミノタウロス退治の勇者で、妻はパイドラ。そこまではいい。というか、それだけ。
テセウスはなぜか農奴の息子だし、パイドラはオラクルかよ。タイタンは巨人じゃなくて闇の戦士だし、牛の仮面をかぶった男は出てくるがミノタウロスは出てこない。
敵役のハイペリオンは、疫病で妻子を亡くしたことから、神々を信じなくなった暴君として描かれているが、ギリシア神話のハイペリオンってタイタン族じゃん。おまけに、神々の中にヘラクレスがいたり、この脚本家はいったい何を考えているのか。神話に対する敬意も何もあったもんじゃない。
インモータル(不死)である神々が、タイタン族との戦いの中で死に至るという皮肉な衝撃を描きたかったのかもしれないが、ギリシア神話という異文化をキリスト教的光と闇の戦いにしか解釈できないあたりが、キリスト教徒の発想の限界なのだろう。
テセウスが住む村の神殿は地下迷宮で、テセウスは自分の足を傷つけ、その血痕を頼りに地上へ戻るなど、ギリシア神話を元にしたと思われる小ネタはいくつかあるのだけれど、まったく神話とは関係ない別物の物語。しかも、面白くない。
しかも、字幕を訳した人も良くわかってないのか、肝心のゼウスが「mortal」と呼びかけるところを、単純に「人」と訳してどうする。そこはちゃんと「死すべき者よ」とか、「死すべきさだめよ」と訳さないと、意味がないだろうが。
先日見た『三銃士』には原作に対する愛と敬意があり、あれだけ派手に改変しながらも、大枠の話は変わっていなかった。しかし、『インモータルズ』はただのインスパイア、パクリ、盗作。まったくもって、程度が低い。
映像的には飛び散る血飛沫やぱっくり割れる身体が3Dで見られるので、その手の趣味の人には好評なのだろうが、はっきり言ってそれくらいしか見るべきものがない。しかも、肝心の3Dも戦闘シーン以外はわざとらしすぎる。手前に物を置いておけばいいというやっつけ感満載の演出。
どうしてこんなものを大々的にプッシュしようとしたのか全く理解不能だ。金返せ。