2月には、貝を浜辺に吹き寄せる「貝寄風」(かいよせ)という風が吹くというので、気になっていて、比較的暖かい日に出かけました。
(「貝寄する風の手品や和歌の浦 芭蕉」)
うちから一番近い海は江の島鎌倉あたり。
まず江ノ電を稲村ケ崎で下車(上の写真は稲村ケ崎の海岸)。 残念ながら…ほとんど貝は寄せていなかったです。
しかしきれいなカニの死がいが…
と思ったら柔らかい樹脂製のおもちゃでした…。
あとはこんな小さな巻貝のふた。ピンクの小さな渦巻きがきれい。
その後場所を変えて、貝寄せでは有名らしい由比ガ浜へ。
こちらも寄せてるというほどではないけれどまあまあ。
ビーチグラスとか。
ナミマガシワも少し。(左奥は違うかも…)
巻き物とか
光り物とか
ところで巻貝のぐるぐる螺旋を見ていると、高村光太郎の詩の一節を思い出します。
「世界は不思議に満ちた精密機械の仕事場…」
『 手紙に添へて 高村光太郎
どうして蜜柑は知らぬまに蜜柑なのでせう
どうして蜜柑の実がひっそりとつつましく
中にかはいい部屋を揃へてゐるのでせう
…中略…
世界は不思議に満ちた精密機械の仕事場
あなたの足は未見の美を踏まずには歩けません
何にも生きる意味の無い時でさへ
この美はあなたを引き留めるでせう
たった一度何かを新しく見てください
…後略… 』(「光太郎のうた」 伊藤信吉編 より