先週、庭仕事のために実家へ行った時のこと。
作業を終え、使用した道具を水洗いしていると、
目の前を一匹のムシがゆるゆると飛んでいるのが目に入りました。
茶色っぽく細長い肢体・・
その姿には見覚えがありました。
数年前、実家の軒先に巣をつくったアシナガバチ・・
蜂を刺激しないよう、気づかないふりをして、行方を目で追うと、
リビングに面した縁台と掃き出し窓の間にある
10cmほどの隙間に吸い込まれるように入ってゆきました。
なぜ、こんなところに・・?
疑問に思い、腰をかがめ、そっと覗き込むと。
そこには白い六角形の物体がいくつも連なった物体があり、
その表面に覆いかぶさるように数匹の蜂の姿が・・・
以前、巣をつくられたのは二階の屋根下。
高いところを行き交っているため、被害はなさそうだし、
気がついたのは秋の終わりころだったこともあり、
自主的駆除は見送ったのですが。
今回の場所は、夕刻、母が庭を眺めながら夕涼みをする縁台。
おまけに、今現在、明らかに積極的に巣を制作中の様子
さっそく母に報告すると、
「毎日、そこに腰かけていたのに、ぜんぜん気がつかなかった」
「アシナガバチは比較的温厚な性格なんだって。
だから、巣の目の前とはいえ、のんびり腰かけているお母さんには
危害を加えないようにしていたんじゃないのかな」
「でも、巣がもっと大きくなったら怖いよね・・・」
調べてみると、巣が10cm以上の場合、
専門の駆除業者に依頼した方が良いとのことでしたが、
シャワーヘッドのような形の巣は、7、8cmくらいの大きさ。
ということで、その日の午後、買い物に出たついでに、
蜂の巣撃滅・ジェット噴射
みたいな名称の駆除専用スプレーを購入してまいりました
そして・・・
夜8時。
( 駆除に最適な時間帯は働きバチが巣へ戻る日没から
2時間から3時間後なのだそう )
私はナイロン製のコートとパンツ姿・・・(蒸し暑くて汗が・・)
頭には園芸用の帽子をかぶり、防虫ネットで顔面をガード。
手には分厚いゴム手袋をはめ、万全の態勢で、
「絶対に外に出てこないでね」
駆除する現場をぜひ見たいと懇願する母にきつく申し渡し、
一人勇ましく、巣の撤去に向かいました。
そして。
暗闇でもわかるよう、明るいうちに目印をつけておいた部分に、
ジェット噴射開始
反撃されると怖いので、少しづつ角度を変え数十秒噴射を続けた後、
非常時用の電灯で巣の様子を確認。
園芸用の長い支柱で巣を引きはがし、厚手のビニール袋に回収。
・・見事なほど精密なシャワーヘッド型の巣は外から目視したより大きく、
直径15cmほどもありました・・
この時期に気づいて本当によかった・・
そう思いつつ、
【巣穴で生き残っている幼虫がいる場合があるので、踏みつぶすべし】
という注意書きのことを思い出したのですが、
それは・・ちょっとできなくて・・
ビニール袋の中に再びジェット噴射をしてから、
二重三重の袋に入れ、ゴムできっちり縛り、作業終了といたしました。
室内でじりじりしながらことの行方を案じていた母に、
成果を報告
母は、「ありがとう。よかった」
と言ってくれましたが。
私が行ったことは。
母を守るための【害虫駆除】にすぎなかったのかもしれませんが。
幾多もある場所から、うちを選んで巣をつくったのに、
私たち住人に対し、決して攻撃的ではなかったのに。
ごめんねという気持ちが強く残り、後味の悪い作業でした・・・