作家 井上香織 Official Blog

せつない純愛小説、やさしい目線で描かれたエッセイで人気の作家 井上香織が贈る癒しの空間 

母と高枝切りばさみ

2021-05-31 | ★Diary★

庭仕事を兼ねて実家へ帰るときはいつも、

玄関のドアを開ける前に、

庭先を眺め、草が目立ちはじめた場所等を確認し、

その日の作業を組み立てつつ、家へ入るのですが。

 

先日、帰った時は・・・

敷地内に入る前に唖然とし、思わず立ち止まってしまいました。

表通りに面したところに茂っていたはずのヒイラギが、

太い枝と幹だけ残して丸坊主になっているではありませんか 


首謀者は母に決まっていますが、

着いて早々に口喧嘩はしたくなかったので、

なるべく、穏やかな口調で、

「ねえ、あのヒイラギ、どうしたの?」

さりげない様子を装い、訊いてみると。

母は・・・

「あの葉っぱ、節分のときにしか使わないし、ちくちくして痛いでしょ。

それに、最近は赤い実もつけてくれないから・・・」

「それで・・・? 切っちゃったの?」

「・・・・」

「でも、大変だったでしょう?」

「・・・・」

「〇ちゃん(妹)が手伝ってくれたんでしょ?」

「・・・・」


どうやら一人で行ったみたい・・・


長さ二メートルはある高枝切りばさみを手にした母。

足元がおぼつかず転倒するシーンが容易に想像でき、

ぞっとすると同時に憤りに似た感情すら湧いてきてしまいました。

 

定期的に整形外科に通院するたび、

股関節の専門医である担当医師から、

「次に転んで大腿骨を骨折したら、うちでは手術できないどころか、

もう完全に寝たきりになりますよ」

そう言われていたのに。

母はあの言葉をどう受け止めているのか。

 

数年前の大雪の日・・・

折れた骨が骨盤の方まで入り込んでしまっていたため、

すぐに手術ができず、右足をけん引した状態で約一週間、まさに寝たきり。

身動きもできず、痛みに耐え続けていた母・・・


その姿が蘇り、私は湧き上がる感情を

隠すことができなくなっていました。

 

「あの樹を切りたいと思っていたなんて・・・

今までひと言も言ってなかったじゃない。

ちょっと言ってくれたら、私がやったのに」

「だって・・・草取りだけでも大変なのに・・・」

「これからは、絶対にひとりでやらないでね」

 

高枝切りばさみ。

そして、全長約数十センチの刈込ばさみ・・・

厳重に鍵でもかけて使用禁止にする方法を真剣に考えております。

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体育会系お散歩~紫陽花

2021-05-27 | ★Diary★

久しぶりにМちゃんと体育会系・お散歩 


Мちゃんが選んだルートには。。。

五月というのに、もう紫陽花が咲きはじめておりました 

遊歩道の脇には、ドクダミが旺盛にはびこっており、

「ドクダミ街道だね」

というМちゃんに、

実家のドクダミ退治がいかに大変だったかを愚痴る井上・・

 

でも。

季節ごとの花々を堪能しながらのお散歩は

とても貴重で大切な時間 

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キウィの花

2021-05-23 | ★Diary★

みなさんは、キウィの花をご覧になったことがありますか?


井上の実家には、かなり以前からキウィの棚があり、

夏の剪定や晩秋の収穫の手伝いはしてきたものの、

今までタイミングがあわず、その花を一度も見たことがありませんでした。

 

先日、実家へ帰ったときのこと。

朝食の支度ができたので、家のどこかにいるはずの母を呼んだのですが、

返事が返ってこず・・・


ふと外を見ると、つるを伸ばし若葉を茂らせたキウィの棚の下で、

なにやら真剣な面持ちで上を見上げている母の姿が目に入りました。

母の手には、小さなスプレーのようなものが・・・


「もしかして。花が咲いたの 

そう言いながら、サンダルをつっかけ、外へ出ると、

てのひらほどの葉が重なり合う、その中に、

淡いレモン色の花が・・・ 

 

 

 

雨が降り続いておりました上、この日も曇り空だったため、

残念ながら、こんな写真しか撮れませんでしたが 


母が手にしていたのは、雄花の花粉が入ったスプレーボトル。

(花粉は目立たない色のごく微小な粒子なので、食紅で色づけしてあります)

 

キウィには雌木と雄木があり、

両方を植えておくと、自然交配が可能なのですが、

実家の雄木は老朽化が進み、撤去してしまったため、

毎年、母がこうして受粉させていたのです。

 

いずれにしても。

キウィの花期は一年に約一週間しかないとのこと。

その貴重な一週間にはじめて巡りあうことができました  

 

実りはじめたら、またご報告させていただきますね 

 

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真っ赤なケトル

2021-05-19 | ★Diary★

誕生日でもクリスマスでもないのに。

Sさんから、こんな素敵なケトルをプレゼントしていただきました 


以前、お目にかかった際、

なぜか、ケトルの話題になり、

私が、今使用しているのは、一人暮らしをはじめるとき、

母とお揃いで購入したもので、

( つまり〇十年前  )・・笑・・

なんて、余計なことを言ってしまったからでしょうか・・・


とにかく。

「荷物が届くから受け取って」

Sさんから簡単なメールが送られてきた翌日、

宅配便で段ボールの箱が届き。

中を開けたら、

この注ぎ口の曲線がキュートな赤いケトルが 

 

Sさんには、すぐにお礼のメールをお送りしたのですが、

神々しいほどぴかぴかで、あまりに恐れ多く、

なかなか使えずにおります 


でも、これからは・・・

お料理をするときは避難させ、

使用するたびに磨いて・・

この美しさを保ちつつ、

大切に使わせていただくつもりです 

 

Sさま

本当にありがとうございました 

 

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母の庭の花々~フレンチラベンダー

2021-05-15 | ★母の庭の花々★

こちらは フレンチラベンダー


母が鉢植えでいただいたものを昨年、地植えにしました。

 

花の上の部分がうさぎの耳みたいで、かわいいです。


しかし。

この花も、形がソーセージに似てる・・・?・笑・

チェリーセージ・・・ホットリップス


花は可憐なのに、根本はすっかり木質化しており、

もはや大木のよう 

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