作家 井上香織 Official Blog

せつない純愛小説、やさしい目線で描かれたエッセイで人気の作家 井上香織が贈る癒しの空間 

☆きらきら日記☆ PART35 ペットホテル初体験 ➁

2020-07-30 | ☆きらきら日記☆

PART   35  ペットホテル初体験②


 翌日、私は大いなる不安とかすかな期待を胸に、キララを伴い再びペットホテルの下見に向った。

 事前にリストアップした大型犬OKの三軒のうち、最後のホテルだ。

 
 きれいに磨かれたガラス張りの店内を覗き込むと、十畳ほどのスペースで、

数匹の小型犬と中型犬がのどかに戯れているのが見えた。

 ここなら大丈夫かもしれない。

 私は自転車をとめ、そのショップの扉を開けた。

 

「こんにちは。いらっしゃいませ」

 出迎えてくれた女の子に

「はじめてなんですけど。この子も一緒にいいですか?」

 声をかけると、店名のロゴが入ったトレーナーにジーンズの彼女は、

「ええ、どうぞ」

 私とキララを笑顔で招き入れてくれた。

「来週、出張しなければならなくて、この子を預かっていただけるところを捜しているんです」

 そう言いながら、私は店内を見渡した。

 レジの横に小型犬用の首輪やリード、おやつなどが並べてある棚があり、

その奥にはシャンプーやトリミングをするスペースがあった。

 小規模ながら、こざっぱりとしていて清潔そうだった。

「お名前は?」

 スタッフの彼女はキララの前にしゃがみこんだ。

「キララっていいます」

「キララちゃん、よろしくね」

 飼い主に似て若い女の子が大好きなキララは、さっそく彼女に

愛嬌を振りまきはじめた。

「昼間はこんなふうにみんなゲージの外で自由にしていられるんですか?」

「ええ。なるべくストレスがたまらないように。

スタッフがいる間はずっとここで遊んでもらっています。

夜はそれぞれゲージで休むことになってますけど」

 
 その後、私は、

「この子が入れるゲージもあるんですか?」

「お散歩はしていただけるんですか? 一日何回?」

「食事やおやつは持ち込んでもいいんですか?」

「送迎は?」

 彼女を質問攻めにしてしまった。

 

「当日、ご希望の時間に車でお迎えにあがります。

その際、キララちゃんのお気に入りのおもちゃとか、いつも食べているペットフードや

おやつを用意しておいてください。スタッフに指示していただけたら、

なるべくおうちと変わらないようにしますので」

 料金は二件目の高級ホテルの約四分の一。

 送迎も無料とのことだった。

 
 飼い主に相談するまでもなく、私はそこにキララを預けることを決めた。

 

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母の庭の花々~グラジオラス

2020-07-26 | ★母の庭の花々★

四連休というのに、東京は雨模様の日々が続いておりました。

みなさんはいかがお過ごしだったでしょうか・・?

井上は、この連休前。

お盆の時期に、実家へお墓参りを兼ね、庭仕事に行ってまいりました。

グラジオラスの球根を植え付けたのは、

今年の春先のこと。

母が・・・(私も) 好きな・・・(笑)

どんな色が入っているかわからない福袋的な球根・20球セットでした  

 

冒頭の朱色、そしてこのピンク・・その背後の淡いレモン色・・・

まさに福袋 

色とりどりのグラジオラスが・・・

それから。

ちょっと珍しい紫色。

前回、支柱を立てておいたので、

みんな、豪雨に負けずまっすぐに立ち、美しい花姿でした 


とはいえ。

母の庭の花たちは、素敵なGARDENを彩るために育てられているわけではないので。

この撮影後、大半は切り取られ、母の手によって花束に。。。


そして、亡き父をはじめとする親族の墓前に供えられることになったのでした・・・

 

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☆きらきら日記☆ PART34 ペットホテル初体験 ①

2020-07-21 | ☆きらきら日記☆

PART 34  ペットホテル初体験 ①


 仕事で、二泊三日、神戸へ行かなければならなくなった。

 しかもその日、飼い主も出張のスケジュールが入っているという。

 たまには飼い主にキララの世話を全面的にお願いしてもいいのではないかと、

安易に考えていた私は、思わず眉間に皺をよせ、ため息まじりに肩を落とした。

「じゃあ、キララのこと、どうしたらいいの?」

「これだけでかいと誰かの家で預かってもらうのは無理だろうな。

うちのお袋に鍵を渡して、メシと散歩を頼むっていうのはありかもしれないけど」

 じゃれつくキララを振り払い、ゲームのコントローラーを操りながら彼は言った。

テレビ画面の中ではいつもながらに、物騒な銃声とともに残虐な撃ち合いが繰り広げられている。

 彼のお母様とはいえ、いや、お母上だからこそ留守中、家の鍵を預けるのには抵抗があった。

 ディズニー・ママに相談したところ、ペットホテルに預けるのがいちばん安心だと教えられた。

 さっそく私は近くのペットホテルをネットで検索してみた。

 

 いわゆる【ペットホテル】は、犬のシャンプーやトリミングを行うペットサロンや

美容室が経営している小規模なもの、そして動物病院内で預かりをしているところに

二分されていた。

 ホテルのホームページには、

『その子にあったお世話をさせていただきます』

『スタッフは二十四時間待機。快適な時間をお約束します』

『ハイグレードな空間でのんびりと過ごせます』

 様々なうたい文句が踊っていた。

 私が求めているのは、できるだけストレスがない状態で、二泊三日預かってくれる

場所、というごくシンプルなものだったのだが。

 オシャレなドッグカフェやプール(もちろん犬専用)、

外出先の携帯やスマホから愛犬の様子を見られるリモートカメラを併設している店まであり、

私は驚きを禁じ得なかった。


 まず最初の問題は、大型犬OKのホテルが少ないということだった。

おまけに料金は一泊五千円から一万数千円まで様々。いったいどこがどう違うのか。

 一時間かけて、各店舗の情報をじっくり読み込み、三軒のホテルを候補に絞り込んだ。

 翌日、私はキララを伴い、散歩がてら下見に行くことにした。

 そこがどんな環境で、どのようなケアをしてくれるのかこの目で確かめてから

決めようと思ったからだ。

 

 一件目は・・・窓越しに観察するに、ネット情報とはかなり異なり、

犬たちは狭いゲージに閉じ込められ、劣悪な状況に置かれているようだった。

 窓ガラスも汚れている上、店内の様子も乱雑だった。

たぶん、ネットで流すために、大掃除をして撮影したのだろう。

 ここは絶対にNGだ。

 怪訝そうな顔をした店員と目が合いそうになり、

「ごめん。帰ろう」

 私は慌ててキララを促した。

 いったん帰宅した後、少々値が張るが期待の持てる二件目に電話をかけた。

 大きな動物病院が母体となっているペットホテルだ。

 事情を話すと、

「ゴールデンで三日ということは、基本料金は一日一万五千円なので、

四万五千円ですね。エサの持ちこみは不可となっていますから、一日二回、

五食分の料金がプラスとなります。それに送迎料をあわせますと、消費税込みで合計……」

 私が神戸で泊まるビジネスホテルの宿泊料金をはるかに上回るであろう金額を提示された。

 それよりなにより、人を見下したような事務的な対応が気になった。

「検討してまた、あらためて連絡します」

 と言って私は電話を切った。

 あと一件しかない。

 私はプリントアウトしておいたペットサロンのページに目を落とした。

 ここがダメだったら、どうすればいいのだろう。

 もし今から仕事を断るとしたら、今回の企画を考えてくださった編集者をはじめ、

いろいろな方に迷惑をかけてしまうことになる。

 しかも「飼っている犬を預かってくれるところがみつからなかった」なんて理由が、

編集部で快く受け容れられるとはとても思えない。

 ときどきペットを飼っていると、海外旅行にも出かけられないという話は耳にしていたが、

こういうことなのか。

 あと数日のうちに、なんとしてもホテルをみつけなければ。

 私は暗澹たる気分に陥った。



・・・冒頭の写真は、キララ愛用のぬいぐるみたちをお風呂に入れたあと。

意図したわけではなかったのですが、簾の向こう側・・左側に。

「なんでオレさまのお気に入りをそんなとこに吊るしてるんだ

憮然とし、こちらを見据えているキララの姿が、うっすらと映っております・・(笑)

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マンション上階から水漏れ・・Part3

2020-07-16 | ★Diary★

井上宅の水漏れ事故。

ようやく保険会社に申請が通ったそうで、

昨日、担当の女性と工務店の方が自宅に来てくださいました。


新型コロナの影響で、施工は最短でお盆過ぎ。

工期は3日間。朝9時から夕方6時まで・・ということでした  

そして。。。

「壁紙はこの中から選んでください」

冒頭の写真、壁紙のサンプルを2冊、お預かりいたしました。

 

[サンゲツ]と[リリカラ]という壁紙ではメジャーなブランド。

しかし。数センチほども厚みがあるそのサンプルをぱらぱらとめくってみると、

どれも同じような色合いとデザインのものばかり・・・


今まで壁紙のデザインや質感など、考えたこともなかった井上ですが。

「まっ、これでいっか・・」

妥協して安易に選んでしまうと、後悔しそうな気がするし。

 

3日間も辛い想いを強いられるのですから、いっそのこと、

思い切った模様替えをしちゃおうかしら・・・

そんな邪心も・・・(笑)


いずれにしても。

これからこのサンプルを本格的に検討し、

どれかを選ばなくてはならないようです・・・

 

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髪を切ってまいりました!!

2020-07-12 | ★Diary★

新型コロナが猛威を振るいはじめた頃。

美容院に行くタイミングを見失ってしまい、

梳きばさみで前髪を切ったエピソードを書かせていただきました・・

あれから、約3、4か月が経過し、

前髪だけは自分でチョキチョキしておりますが、

そのほかの部分が鬱陶しくてたまらない日々を送っていた井上。

 

今後、また感染者は増えそうだし、

今の髪の長さで蒸し暑い夏を過ごすのは辛いかも・・・

そう思っていた矢先。

買い物の帰り道にあるガラス張りの美容院をふと横目でみたら、

お客がひとりもいないではありませんか 

今まで入ったことのない美容院でしたが、

入り口に表示してある価格はごく一般的。

これは、今、決断するしかないっ 

迷わずその美容院のドアを開けました。


店内は・・・マスクをかけた美容師さん一人きり。

「どうなさいますか?」と問われ。

私は胸のあたりまで伸びた髪を手に取り、

「10センチ・・ 15センチ、切ってください」

 

仕上がりは・・・なにやらコケシみたいになっちゃいましたが・・(笑)

約半年ぶりに気分爽快 


これでこの夏を乗り切れそうです 

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