またまた先週の話。
金曜日に、かどやと飲みに行こうということになって、
「びりけんに行きたい」というので、予約した。
結論から言うと、
ま~~~、堪能した!!
やっぱり満足度が違う。
前日に禁酒していたのと、
「絶対に飲みすぎない!」と強い決意があったのとで、
この日はかなり少量・ゆっくりペースでお酒を飲めた。
その分、久しぶりに食欲爆発で、マスターにも
「かおりちゃんがこんな食べるの久しぶりやな!」と言われた。
食べたもの↓
・バゲットにクリームチーズと干し柿
・むかご
・枝豆(黒豆)
・ハヤトウリの梅和え
ここまででまだ前菜
・カツオのお造り
・ホタテのムース
・2種類の野性のきのこの椀物
・インカのめざめ、柿、自家製ベーコン、ブルーチーズの焼き物
・セコガニ
・チーズのピザ
・イワシの香草焼き
・ボンジリのシナモン風味の焼き物
・スパイシーな手羽
・大根と鰤のあら煮
・ローストビーフ
・自家製生ベーコン
・しらす丼
以上!
ざっと17種類!!
どうや!見たか~!!という感じの食べっぷりである。
基本的に私はお酒を飲み始めると、物をあまり食べない。
逆に、お酒を控えるといくらでも食べられる。
最近、かどやと一緒にびりけんに行くと、かどやのペースにつられて飲みすぎて、
だいたい気持ち悪くなって途中から何も食べられなくなる・・・というのが常だった。
でも、お酒をセーブすればまだまだ食べられるということがよくわかったなぁ。
いつも通り、全部おいしかったのだけど、今回の№1は何と言っても
「インカのめざめ、柿、自家製ベーコン、ブルーチーズの焼き物」である。
このなんだかよくわからない組み合わせ!
柿とブルーチーズって・・・と、これだけでやや気持ち悪いのだが、
まーーーーー!!この旨いこと!!
ブルーチーズの塩加減と、柿の甘味と、それに自家製ベーコンの風味と脂が混ざって、これがもう絶妙だった。
いつも通り、調味料はほぼゼロだと思う。
これは、家で自分でやっても絶対に無理。この味は出せない。
なぜなら、自家製ベーコンがないから。
この自家製ベーコンがすべての味を決めているのだ。
ほんまに、これは椀物に入れても、生で食べても、ポテトサラダに入れても、素晴らしい能力を発揮する。万能。
思わず、「おかわり!」と言ったら、かどやに止められた
あと、いつも言うことだけど、椀物は本当に重要。
びりけんの椀物は、優しい、やさしい、本当にやさしい味わい。
野菜って、きのこって、こんな味だったんだと、気づかされるような、そんな椀。
セコガニもうまかったなー。
今年もカニ解禁か。
イワシが黄金色に光っているのにも驚いた。
びりけんの料理は、いつだって、きれい。美しい。食べるのがもったいないほど。
食材が生きてる。
かつおのお造りはもう・・・何これ?!っていうくらい、
旨味があって、柔らかくて、脂がのってて・・・たまりません。
びりけんのピザも大好き!
チーズだけのシンプルさがいい。
これはもう外せない。
ローストビーフと生ベーコン。
滅多にシメを食べない私が、久しぶりに食べた。
しらす丼~
ごま油がきいてて、おいしい!
この日、珍しく、私はお酒を小さめのぐいのみで、4杯しか飲まなかった。
2合くらいかな?
かどやは日本酒だけで私の倍くらい飲んで、さらにワインもなみなみとグラスに注いだのを3杯くらい飲んでいた
あまりにペースが速かったので、心配になったほどだ。
今回、びりけんに行ってよかったのは、おいしかったのはもちろんだけど、すごく素敵なものを手に入れられたこと。
トイレに、山田喜代春さんという方の版画がいっぱい飾ってあって、
私はそれを見るのがいつも楽しみなのだけど、今回の新しい版画は「吾亦紅」のことを描いたものだった。
私は吾亦紅がとても好きで・・・
お花は基本的に何でも好きなんだけど、どちらかと言えば洋花より野に咲くような和花に惹かれるのだ。
都忘れ、桔梗、吾亦紅・・・
自分の好きな花ベスト3を挙げろと言われたら、こんな地味な花を挙げてしまう。
だからこそ、版画になるほどスポットライトを浴びていることがとても嬉しくて。
マスターに「あれ、よかった」と言ったら、なんと、「売ってあげようか?」と言う。
なんでも、年会費を払うと毎月いろんな版画が送られてくるそうで、だいたい1回2千円くらいなのだそう。
だから、おおよその定価で2千円でいいよ、と言ってくれたのだ。
「え!いいの?!」とめちゃくちゃ嬉しかった
ただ、来月の作品が届いて外してから・・・ということで、この日はもらえなかった。
でも、代わりに、別の版画をもう1つ譲っていただいた。
これだ。
これまでに送られてきた版画のファイルを見せてもらっていて、本当は雪の版画が一番気に入ったのだけど、それはマスターもお気に入りだから譲れないという。
次に気に入ったのが、これだった。
ピンときた。
何度か読んでいると、深い、と思った。
忘れられなくなった。
「これほしい」というと、「いいで」とあっさり。
うわー、うれしい
マスターもじっとこの版画を見て、
「いいなぁ、これ。深いなぁ。かおりちゃんはやっぱりいい感性もってるわ」と言ってくれた。
なんだかそれは、最高の褒め言葉のように聞こえた。
こういうものって、誰の心にも響くわけじゃない。
相性だと思う。
その、相性がいいものに巡り会えた。そのことに感謝。
この版画を見ていたら、種田山頭火のことをなぜか思い出した。
孤独に歩く山頭火のイメージ。
「自由とは厳しいものだ」
そう言いながら、酒を飲みつつ、俳句を詠みつつ、一人で歩いた山頭火。
山頭火にも、猫が一匹いれば、よかったなぁ・・・なんて、
ほろ酔い気分で、版画を眺めながら、そんなことを考える。
あっという間にまた夜は更けた。
帰りの電車で、ちょっと呂律の回らなくなった口で、
かどやが私に言った。
「さんちゃんが、直木賞か芥川賞をとったら、私は本屋で全部買い占める」
「ありがとうな・・・」
って言いながら、まだ私の可能性を信じてくれている人がいることに恐縮した。
嬉しいのは当たり前で、もうそれを越えて恐縮してしまう。
こんな、ただのしがない酔っ払いライターに、そんなことを言ってくれるなんて・・・
でも、とにかく書き続けたいなと思った。
私は、私の文章を、書き続ける。
今はそれが一番大事なこと。
何も生み出せなくなった、空っぽの私が唯一できること。
自分より弱いものを抱きしめる優しい手と、
人から受ける、あたたかい施し。
人は皆、その両方を持っているのかもしれないなと、そんなことを想った日。
金曜日に、かどやと飲みに行こうということになって、
「びりけんに行きたい」というので、予約した。
結論から言うと、
ま~~~、堪能した!!
やっぱり満足度が違う。
前日に禁酒していたのと、
「絶対に飲みすぎない!」と強い決意があったのとで、
この日はかなり少量・ゆっくりペースでお酒を飲めた。
その分、久しぶりに食欲爆発で、マスターにも
「かおりちゃんがこんな食べるの久しぶりやな!」と言われた。
食べたもの↓
・バゲットにクリームチーズと干し柿
・むかご
・枝豆(黒豆)
・ハヤトウリの梅和え
ここまででまだ前菜
・カツオのお造り
・ホタテのムース
・2種類の野性のきのこの椀物
・インカのめざめ、柿、自家製ベーコン、ブルーチーズの焼き物
・セコガニ
・チーズのピザ
・イワシの香草焼き
・ボンジリのシナモン風味の焼き物
・スパイシーな手羽
・大根と鰤のあら煮
・ローストビーフ
・自家製生ベーコン
・しらす丼
以上!
ざっと17種類!!
どうや!見たか~!!という感じの食べっぷりである。
基本的に私はお酒を飲み始めると、物をあまり食べない。
逆に、お酒を控えるといくらでも食べられる。
最近、かどやと一緒にびりけんに行くと、かどやのペースにつられて飲みすぎて、
だいたい気持ち悪くなって途中から何も食べられなくなる・・・というのが常だった。
でも、お酒をセーブすればまだまだ食べられるということがよくわかったなぁ。
いつも通り、全部おいしかったのだけど、今回の№1は何と言っても
「インカのめざめ、柿、自家製ベーコン、ブルーチーズの焼き物」である。
このなんだかよくわからない組み合わせ!
柿とブルーチーズって・・・と、これだけでやや気持ち悪いのだが、
まーーーーー!!この旨いこと!!
ブルーチーズの塩加減と、柿の甘味と、それに自家製ベーコンの風味と脂が混ざって、これがもう絶妙だった。
いつも通り、調味料はほぼゼロだと思う。
これは、家で自分でやっても絶対に無理。この味は出せない。
なぜなら、自家製ベーコンがないから。
この自家製ベーコンがすべての味を決めているのだ。
ほんまに、これは椀物に入れても、生で食べても、ポテトサラダに入れても、素晴らしい能力を発揮する。万能。
思わず、「おかわり!」と言ったら、かどやに止められた
あと、いつも言うことだけど、椀物は本当に重要。
びりけんの椀物は、優しい、やさしい、本当にやさしい味わい。
野菜って、きのこって、こんな味だったんだと、気づかされるような、そんな椀。
セコガニもうまかったなー。
今年もカニ解禁か。
イワシが黄金色に光っているのにも驚いた。
びりけんの料理は、いつだって、きれい。美しい。食べるのがもったいないほど。
食材が生きてる。
かつおのお造りはもう・・・何これ?!っていうくらい、
旨味があって、柔らかくて、脂がのってて・・・たまりません。
びりけんのピザも大好き!
チーズだけのシンプルさがいい。
これはもう外せない。
ローストビーフと生ベーコン。
滅多にシメを食べない私が、久しぶりに食べた。
しらす丼~
ごま油がきいてて、おいしい!
この日、珍しく、私はお酒を小さめのぐいのみで、4杯しか飲まなかった。
2合くらいかな?
かどやは日本酒だけで私の倍くらい飲んで、さらにワインもなみなみとグラスに注いだのを3杯くらい飲んでいた
あまりにペースが速かったので、心配になったほどだ。
今回、びりけんに行ってよかったのは、おいしかったのはもちろんだけど、すごく素敵なものを手に入れられたこと。
トイレに、山田喜代春さんという方の版画がいっぱい飾ってあって、
私はそれを見るのがいつも楽しみなのだけど、今回の新しい版画は「吾亦紅」のことを描いたものだった。
私は吾亦紅がとても好きで・・・
お花は基本的に何でも好きなんだけど、どちらかと言えば洋花より野に咲くような和花に惹かれるのだ。
都忘れ、桔梗、吾亦紅・・・
自分の好きな花ベスト3を挙げろと言われたら、こんな地味な花を挙げてしまう。
だからこそ、版画になるほどスポットライトを浴びていることがとても嬉しくて。
マスターに「あれ、よかった」と言ったら、なんと、「売ってあげようか?」と言う。
なんでも、年会費を払うと毎月いろんな版画が送られてくるそうで、だいたい1回2千円くらいなのだそう。
だから、おおよその定価で2千円でいいよ、と言ってくれたのだ。
「え!いいの?!」とめちゃくちゃ嬉しかった
ただ、来月の作品が届いて外してから・・・ということで、この日はもらえなかった。
でも、代わりに、別の版画をもう1つ譲っていただいた。
これだ。
これまでに送られてきた版画のファイルを見せてもらっていて、本当は雪の版画が一番気に入ったのだけど、それはマスターもお気に入りだから譲れないという。
次に気に入ったのが、これだった。
ピンときた。
何度か読んでいると、深い、と思った。
忘れられなくなった。
「これほしい」というと、「いいで」とあっさり。
うわー、うれしい
マスターもじっとこの版画を見て、
「いいなぁ、これ。深いなぁ。かおりちゃんはやっぱりいい感性もってるわ」と言ってくれた。
なんだかそれは、最高の褒め言葉のように聞こえた。
こういうものって、誰の心にも響くわけじゃない。
相性だと思う。
その、相性がいいものに巡り会えた。そのことに感謝。
この版画を見ていたら、種田山頭火のことをなぜか思い出した。
孤独に歩く山頭火のイメージ。
「自由とは厳しいものだ」
そう言いながら、酒を飲みつつ、俳句を詠みつつ、一人で歩いた山頭火。
山頭火にも、猫が一匹いれば、よかったなぁ・・・なんて、
ほろ酔い気分で、版画を眺めながら、そんなことを考える。
あっという間にまた夜は更けた。
帰りの電車で、ちょっと呂律の回らなくなった口で、
かどやが私に言った。
「さんちゃんが、直木賞か芥川賞をとったら、私は本屋で全部買い占める」
「ありがとうな・・・」
って言いながら、まだ私の可能性を信じてくれている人がいることに恐縮した。
嬉しいのは当たり前で、もうそれを越えて恐縮してしまう。
こんな、ただのしがない酔っ払いライターに、そんなことを言ってくれるなんて・・・
でも、とにかく書き続けたいなと思った。
私は、私の文章を、書き続ける。
今はそれが一番大事なこと。
何も生み出せなくなった、空っぽの私が唯一できること。
自分より弱いものを抱きしめる優しい手と、
人から受ける、あたたかい施し。
人は皆、その両方を持っているのかもしれないなと、そんなことを想った日。
メールみたいやな・・・
楽しいびりけんでのひと時でした。
やっぱりびりけんでは、ガンガンおしゃべりするよりも、あの空間を楽しみたいなぁと改めて思ったわ。
全部おいしかったね。
じゃあ、本を出したら、とりあえず小さな本屋さんの在庫をよろしく!!
本・・・出せるかわからないけどね。
まあ、気長にお付き合いください。
「すごい!」って褒められるのは嬉しいよ。
ありがとう。
まあ、そんなすごい人間じゃないけどね。
楽しかった時間を文章で再現するのが好きやねん。
その時間を一緒に共有してくれた人が読んで喜んでくれたら、それが何より。
かどやも頑張って!
またいい時間を過ごしましょう!