明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

昔の日記を見ています

2011-10-17 22:41:16 | 想い
仕事に疲れて、気分転換がしたいと思ったとき、ふと「一年前の今日、何を考えていたのかな」と思った。
日記をたどる。
1年前、2年前・・・

そして、2007年10月17日にたどり着いた。

新米をいただいたので、「ご飯の友」になりそうなおかずを。
きんぴらごぼうと、野菜たっぷりお味噌汁と、焼き鳥風の鶏肉と、かぼちゃの煮物。

私はもっと先にご飯を済ませているので、彼だけが食べる。
私はいつも彼が食べるのを横でじっと見ていて、そのときにいろいろお話する。

彼が一口食べて、炊き立てのご飯を頬張って、心から搾り出したような声で言う。
「・・・うまい。・・・あー・・・ほんま、幸せ」
目を閉じて味わっている。
何度も何度も「幸せやわ~」と口にする。

それを横で聞いていた私は、目頭が熱くなる。
泣きそうだ。
なんでだろ。

私は、人が美味しい顔をしているのを見るのが好き。
お腹がいっぱいで満たされているというのは、一番幸せなことなんだと思ってる。
でも、泣きそうなのはそれだけじゃなくて・・・。

私もなんか、幸せだったんだ。

ちなみに昨日も彼は家でご飯を食べた。
写真撮るの忘れたけど、昨日はれんこんのはさみ揚げと、牛肉とごぼうの煮物と、冷奴と、枝豆。
これも彼は同じように、幸せそうに食べてくれた。

やっぱりきちんと生きよう。
頑張って仕事して、特別贅沢でもないけど美味しいご飯を食べて、1杯だけ飲んで。
地味だけど、小さいけど、何よりも確かな幸せだ。
これが一番。


新婚1年目の秋。

これを読んで思った。
今も全く変わらない。
4年たっても変わらないことがよかったと思った。

そのとき、前後で目に付いた日記を2、3読んだのだけど、これがよかった。

夫や周りの人に言わせれば「いつも大げさすぎる」私は、
「運命だ!」とか、
「奇跡だ!」とか、
何かちょっとしたことでもドラマの主人公のように叫んでることが多いけど、
本当にそう思うことがあるんだから、仕方がない。

別にじんわりかみしめて、流してしまったっていいのだけど、
ミュージカルのアクターのように、体全身で声を張り上げて、
「これは奇跡よぉぉぉー!!」と文章で表現すると、
なんだかその出来事が、より輝きを増すような気がするのだ。
そして、文章の素晴らしいことは、後で何度でも読めることだ。
普通なら忘れてしまうような感動を、私は自分の文章で何度でも繰り返し味わうことができる。
だから、思うのだ。
「書ける」ということは、2倍感動を味わえるから幸せだ、と。

「こじつけ」と「意味づけ」が大好きな私。
何にでも「意味」を見出したときに、いろいろな物事が肯定されるからだ。
ぼんやりと否定したまま生きたくない、というのが私の考え。

だから、大げさで意味づけが好きな私はこう思う。
「BLUES」は、私の人生の鍵だ。

24歳でBLUESを捨てた私が、堕落しかけた10年間を送った後、
もう一度BLUESを自分の中に取り戻したとき、
まさしく文字通り「BLUES」というキーワードが私と彼を結びつけた。
自分のHPのブルースページに「EVERYDAY I HAVE THE BLUES」とタイトルをつけていた私。
彼のブログも偶然、同じタイトルで。

ブルース好きなら誰でもわかる、このベタな感覚。
ベタだけど、一番ストレートにブルースを愛していることが伝わる。
だから、こういう表現をする彼に好意をもったのは、今思えば当然で。

正直に言えば、もう絶対に無理だと思っていたのだ。
BLUESを分かち合えるソウルメイトで、なおかつ男性として愛せるような人と出会えるなんて。

なのに、彼はBLUESだけでなく、ほかの幸せもいっぱい連れてきてくれた。
文章を書くこと。
お酒。
自然の中の語らい。
旅。
文学。
家族を大切にすること。
いつも感謝すること。
いつもポジティブな思考をもつこと。
優しくあること。

彼と出会ってからの私の頭上は、毎日が上天気で、
この10年に失っていたものをすべて取り戻すことができた。

そして、新たな出会いも。
彼のバンド仲間はみんな酒飲みのブルースマンで。
そのうえ、優しかったり、ポジティブだったり、物事をよく考えていたりで、
こんな若者がいるなら、日本はまだ大丈夫だなぁなんて、そんなことを会うたびに思わせてくれる人たちだ。

自然満喫のBBQで、ウイスキーをボトル1本空けてしまう人たちはそうそういない。
川で飲むウイスキーの旨さを同じように感じられることが幸せだった。

そして、夢だったシカゴ・ブルースフェスティバルへ行くことも現実になり、
そこで出会ったブルースマンと、またつながって。

昨日は、久しぶりに、本当に久しぶりに、ブルースを堪能した。
あんなライブはシカゴ以来だ。
バーボンがどんどんブルースに溶けてなくなって、3杯も飲んだ。
昼間っからさんざん飲んでいたのに。

この間、B.Bキングの自叙伝を読んだのだけど、その中で、
B.Bキングが、自分がどんなにBLUESを愛しているかと語る。
その語りを読むだけで、私は泣けてきてしまう。
私も自分がどんなにBLUESを愛しているか、気付いてしまって。

BLUESは普遍的なものだとBBは言う。
私もそう思う。
それはきっと、ソウルだけで受け止められる音楽だからだ。
音楽論もテクニックも、言葉さえも、そこには必要なくて。

BBがルシールをかき鳴らす。
それだけで私は、その1音だけで私は、いつも胸が潰れるようだと思う。
魂に直接響くからだ。

その感じを味わえる、もしくは味わうのが好きな人間ばかりが集まったライブハウスというのは、本当に天国のようだ。
「ここにいる人たち、みんなBLUESに魅せられた人たちなんだ」と思うだけで、私は幸せで、そしてわくわくしてしまう。
バーボンを飲みながら、ブルースの洪水に呑み込まれながら、私は思う。
「私はブルースとバーボンがあったらそれだけでいいんだなぁ」と。

シカゴで、世界のブルースギタリスト・菊田俊介さんが私のこの言葉を聞いて、こう言ってくれたっけ。
「そういう女性は、ブルースマンの夢だよ!」

人生で、最高の褒め言葉だ。
そうか、私はブルースマンの夢の女性なのか、なんて(笑)。

BLUESを求めたとき、彼と出会い、そこからすべてが始まった。
ブルースはどんどん人とのつながりを作ってくれる。
不思議なほど、ブルース好きに出会う。
私はいつも満たされている。
笑顔で楽しく過ごしていると、また良いことばかりが起きる。
良い循環が生まれる。
幸せで、幸せで、それが受け止めきれずにこぼれ落ちていくようだ。
昔の私ならあふれる幸せなんて怖くて逃げ出していたけれど、
今は貪欲に、こぼれ落ちる幸せも拾い上げて、
そして、私は強くなる。

昨日は本当に思ったのだ。
BLUESが私の人生の鍵だったんだって。


昔の自分の文章って、なんでこんなにいいんだろう(笑)
いや、他の人はなんとも思わないのはわかってる。
ほら、アルバムをめくって「あー、こんなときあったな」と思うような感覚で・・・

ここにも書いているけれど、私は2倍(きっとそれ以上)昔の感動を自分の文章で味わえるので、
なんだか得した気分になる。
だから、できる限り残しておきたい。

そういえば、この間の取材で、「面接でどんなところを見ますか?」と質問したら、
ちょっとオネエ系みたいなビジュアル系の男の人が冗談みたいに、
「携帯のアドレス」と言った。
意味がわからなくて聞き返したら、
「携帯のアドレスって、意外に自分の趣味や想いを入れている人が多いから」と言った。

確かに、私の携帯には「kozmic blues」と入っている。
なるほどなぁ、と思った。
(大好きなジャニス・ジョプリンの曲名だ)

全員が全員ではないかもしれないけど、自己主張のある人ほど、そういうのを入れるのかもしれない。

知ってる人は確かめてほしいけど、私の夫のアドレスも結構、彼を表している(笑)

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2 コメント

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奇跡?運命? (いりおもてやまこねこ)
2011-10-18 01:10:08
ご無沙汰してます。
お仕事忙しそうですね♪( ´▽`)

なんか、日記読んでジーンとしました。
旦那さんも幸せで、それを見てる山王さんがもっと幸せそうで。
これが夫婦なんだなぁ、と。
運命なんだなぁ、と。

あたし、彼氏ができました笑。
前回メール送ったときは人生の崖っぷちか!?みたいなこと思ってましたけど、
今、すごく幸せです(^-^)笑。
実は今までとは全く違うタイプの人なんです(^^;;

人間とは勝手なもので、今このために過去はあぁなっていたんだとさえ思えます笑。
またこの話もじっくりしたいので、よかったらきいてください(^-^)
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おめでとう! (かおり)
2011-10-18 01:50:18
>いりおもてやまこねこちゃん

うわ、めっちゃうれしい!
よかったねー!

そうやろ?
人生の崖っぷちやと思っても、
誠実に生きてたら絶対いいことあるねん。

幸せでよかった~
あなたは本当にいい子だから、
幸せにならなかったらおかしいもん。

そう、いろんな過去も全部このためにあるんだよ。
よかった、そう思えるなら本物だ。

聞かせたくなくても聞きたいやん(笑)
なんかめっちゃ私も幸せな気分やし!

今月はもう無理なんで、
また来月でもぜひ!
連絡しますね。
お幸せに~^^
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