明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

真実と嘘、そして虚構

2011-03-17 14:39:53 | 想い
昨日は公立高校入試ということで、W氏のお声かけがあり、生徒の慰労会?に参加。
久しぶりに塾へ立ち寄って、生徒の顔を見た。
今年はみんないい顔をしていたので、安心した。

5時半を過ぎてもまだ盛り上がっていて、なかなかみんな帰らない。
最近は年のせいか、中学生と戯れるのもしんどいので、自分の片づけをして、早めに退散した。

生徒の一人が、「今までありがとうございました。新聞のお仕事頑張ってください」と、丁寧に声をかけてくれて、少しほっこりした。
(新聞のお仕事じゃないけど、まあ、生徒はライター業をそう理解している)

丁寧に挨拶できること、偉いね。
ACの「ありがとウサギ」には、ほとほと嫌気もさしているが。

三度目の正直で、やっとこの春、塾から完全に去る。
不思議と淋しさはない。
もう今年は自分のクラスをもっていなかったし、2月後半から一度も行っていなかったし、ゆっくりフェードアウトしていったという感じがする。

あとは、どこかで1日、自分の教材だけ後の人が使えるように整理して、きれいに去っていこう。

毎日いいニュースが聞かれない中、今朝、自分だけにはいいニュースが舞い込んだ。
この間、立て続けにしていた取材のコピーだが、制作会社からはノーチェックでOKをもらった!
まだクライアントのチェックでどうなるかわからないけれど、
とりあえず次の仕事に繋がるようなレベルの仕事はできたと思う。

コピーを提出する前に、夫にチェックしてもらったのがよかった。
客観的に見たアドバイスをもらった。
それで書き直したこともあって、ノーチェックだったんだろうと思っている。

真実・虚構・嘘。

まだ私が駆け出しのライターだった頃、ある人に教えられたこと。

嘘を書くのはいけない。
でも、真実を書けばいいというわけでもない。
「虚構」を取り入れることが大事だと。

広告の世界なんて、特にそうで……。
夫からも
「確かにこの取材相手はこう言ったかもしれないけど、これをそのまま書くのは広告としていけない。
嘘を書くわけじゃない。ちょっと順番を変えたり、言葉を変えるだけでいい」
と言われた。

その時に、久しぶりにこの言葉が思い浮かんで、
ああ、私はまだ昔と変わらず、こんなところで悩んでるのか……と思った。

私はつい真実を書きたくなってしまう。
それもできるだけ正確な真実を。
でも、そこにはマイナス情報も入っているわけで……。
それを嘘ではなく、いかに言葉で飾り、プラスのイメージにもっていくか、
それがライターの技術。

夫の助言で、そんな基本的なところに立ち返った。

夫はもともと虚構が上手な人だ。
コピーライター向きだと思う。
「言葉で飾る」ことを知っている。

生クリームや宝石のようなフルーツで飾られたケーキ。
目で見ても楽しいし、心惹かれる。
ちょっとクリームをなめて、フルーツをつまんでみる。
とてもおいしくて、中身が楽しみになってフォークを入れる。
もちろん、中もおいしい。
でも、それ以上に、フォークを入れる前に感動を与えている。

夫はもともとそういう文章が書ける人だし、
広告の世界で生きているから、身に染み付いてもいる。

私は、飾りなんて一つもなく、スポンジそのもののおいしさだけで勝負しようと、
ストレートにそれだけをぶつけてしまう。

たしかに食べればおいしいんだけど、なんだか無骨だ。

「文章のレベルは高いと思う。だけど、広告としてはダメだ」と夫に言われたのはそういうことなんだと解釈。

自分でもいつも悩んでいた部分だから、ちょっと逆ギレしたけど(笑)、
でも、素直に訂正してよかった。
おかげでノーチェック。
こういうとき、夫が同業者でよかったと実感する。

でも、私にとって、もの書きとしての面白さは、真実を書くことにあるんだとも思う。
仕事としては成り立たないけど。
だからブログは赤裸々なのか?
わからないけど、ここで虚構を書く意味はまだ見つからない。

人に読まれるかもしれないという緊張感は必要だけど、
読んでもらうという行為自体は、私は必要としていないと思うことがある。
アウトプットして、それで終わり。それがすべて。

ただ、自分の常識をふりかざして、人の価値観を否定し、攻撃するようなものは書かないように気をつけているけれど。

もう自分の常識など、既に常識ではなくなっているのかと、驚くことが多い今日この頃。
憤りも、淋しさも、疑問も、ここに書ければ楽になるだろうけど、
他人の価値観や常識を言葉の力で変えることなんて無理な話で……。
そんな建設的じゃないことはやめたほうがいいだろうと、冷静な判断。

小さなことだと吐き捨てて、考えないことが一番だ。
そして、自分は反面教師的に行動すればいい。
私の信じる常識が、人にとってプラスになるものであるなら。

そんなことを自分に言い聞かせている時点で、もうこの日記も虚構か。
だんだん書く意味がなくなってきたな……


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