明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

夫にくるくるぱーと言われた日

2011-03-28 23:57:55 | 生活
この家を建ててから、もう1年が経った。
あっという間だった気もするし、もう随分長い間、暮らしているような気もする。

仕事でお世話になっている方に、新居の写真が入った年賀状を送ったら、
次にお話したとき、
「すごく素敵なおうちやね」と褒めていただいた。
でも、私が嬉しかったのはそのことではなく、その方が、こう言ってくれたからだ。

「かおりちゃん、がんばったからやね」

私はそれを聞いたときに、涙が出そうになった。
たぶん、私は誰かにそう言ってほしかったんだと思う。

確かに夫がいなければ、この家は手に入らなかったけれど、
夫もまた、私がいなければこの家を手にすることはなかった。

私たちは同等だ。

だから、私も誰かに「がんばったね」と声をかけてほしかったんだと思う。

ふと、大学を卒業してライターになって、家を出ることになったときのことを思い出した。

母とカーテンを見に行った帰りだったと思う。

「なんか怖くなる」と言った私に、母は言った。
「夢が叶っていくから?」
「うん……」

私が出て行くことを母はきっと淋しく思っていたと思う。
それでも母はこう言ってくれた。

「頑張ったんだから、いいのよ!」

頑張ったんだから、いいんだ……
私はそう自分に言い聞かせて、逃げるように大好きな町を出て行った。
それから数年間、随分と孤独な時間を過ごした。

4年半経って、またこの町に戻り、それから3軒目の家が今の新居。
あの時、出て行ったことを私は後悔していない。
あの時間もまた、私には必要だったんだと今はわかる。

「がんばったからやね」
この間、そう言ってもらったときに、そんな昔のことを思い出した。

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新居に引っ越して1年経ったので、夫が繰り上げ返済をしようと言いだした。
毎月のローン返済以外にも、1年に一度はまとめて繰り上げ返済をしようとのこと。

お互い家計を出し合って、私がそれをやりくりして、家の貯金もしている。
なので、夫が言った。
「そろそろ繰り上げ返済しようと思うから、貯まってるお金ちょうだい」

「・・・

「どうしたん?まさか……?!

「いや、ちょっと……、今お金ないんで、家計から借りててさぁ……

「かおりっ!!

いやいやいや……
そんな何十万円も借りてるわけではない。
12万円くらい?
それも、別に自分のお金がゼロなわけではないんだけど、銀行からおろすのも面倒なんで、現金を使っていたら、そんなことになっているだけで……

「銀行のお金をおろしたら、すぐに払えるんだから、まあいいじゃない」と私。
それに、今はスリムクラブ状態なんだから仕方がないんだと、必死に説明した。

「もう何十万円分も仕事してるんだよ。お金がまだ入ってきてないからちょっと借りてるけど、あてはあるから大丈夫

私が言うと、優しい夫は同情したように
「かおりって、ほんまにお金ないんやな……」と言った。
夫婦でこの会話もおかしいけど。

「いや、あるよ!12万円くらい借りてるけど、自分のお金は15万円くらいはあるねん
「え?じゃあ、ほんまの自分の貯金は、3万円?
「うん。でも、すぐに入ってくるから大丈夫!
「そんなんやのに、飲みに行ったりしてるんか?!怖くないん?!
「なんで?ぜーんぜん


・・・・


くるくるぱーか!!

びくぅぅぅ

こんな歳になって、生まれて初めて、人に「くるくるぱー」と言われたのであった……
それも夫に……

なんでくるくるぱーなのか、全く意味がわからない。
私はお金を稼ぐことと使うことが大好きで、貯めることには全く興味が湧かないのだ。

しかし、その時、この間、貯金のないもんちゃんが私に言った言葉を思い出し、はっとした

「貯金は絶対したほうがいいよ……」

夫の「くるくるぱー」よりも、もんちゃんの切実な忠告のほうが私の心に訴えるものがあった……

大切な人の、大切なもの。

2011-03-28 00:26:00 | 友達
いわさきっちと一緒に、ゆうちゃんの家へ行った。

3ヶ月を過ぎた、ゆうちゃんの赤ちゃん……。
産まれたとき、病院に見に行って、それ以来。

写メを送ってもらって、いつも眺めていたけれど、本物はもっと可愛かった。

愛くるしい笑顔。
ふわふわのほっぺや手足。
そして、澄んだ瞳。

「目に濁りがない!!」と感動した。
本当にキラキラと輝いているのだ。
どこまでも澄んだ黒い瞳で私をじっと見つめる。

そうか……
赤ん坊って、まっさらなんだ……と実感。
本当に、まっさら。

いわさきっちと二人、興奮していじりまわした(笑)

子供は希望だなぁ、世界の宝だなぁ……
この瞳を見ていたら、自然とそう思える。

産後の容態があまりよくなかったゆうちゃんだが、栄養分を吸い取られてやつれながらも、母乳をしっかりあげていた。

でも、ゆうちゃんは、ゆうちゃんだった。
そのことに安心した。
子供を産むと何か変わってしまうんじゃないかと、少し不安だったのだけれど。

幸せな友の姿を見ると、私も嬉しい。

相変わらず、飼い犬のくぅちゃんは私を見ただけでおびえ、ガタガタと震え、吠えまくっていたけれど
やっぱり何かとり憑いてるのか……私。

幸せな気持ちでゆうちゃんちを出て、いわさきっちとご飯を食べに行った。
電車の中で、いわさきっちが、
「私は特に子供好きじゃないのに、ゆうちゃんの赤ちゃんは、心の底から可愛い!って思った……」
と少し恥ずかしそうに言った。

そうなんだよなぁ……
友達の子供って、なんであんなに可愛いのか。

きっと、大切な人の、大切なものだからなんだろう。

あの瞳のまま、まっすぐ素直に、健やかに育ってほしいと、心から願った

「孫はかわいい」の意味がよくわかる。
人の子供でも、なんとなく、自分の人生に一つ楽しみが増えたような気さえするのだ。
これからどんなふうに育っていくんだろうって。

また会いに行こう