明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

想像力があれば

2011-03-18 23:32:45 | 生活
本屋に行ってみたけれど、なぜか読みたい本が見つからなかった。
そういうときもある。

暗いニュースが続く毎日だからか、罪のない美しい文学を読みたいと思った。
そうすると、本屋で見つけるのは難しかった。

じゃあ、久しぶりに再読月間としようか。

何度も読み返したモンゴメリのエミリーシリーズでもいいなと思って、
自分の本棚の海外文学の列を見る。
ふと目にとまったのが、ウェブスターの「あしながおじさん」。

この作品って有名だけれど、本当に本を読んだ人ってどれくらいいるんだろうか。
美しくてユーモアがあって、とてもいい作品だと思う。
こんな憂鬱な毎日にはふさわしい。

ねえ、おじさん、私は人間が誰しもがぜひ持っていなくてはならないものは、
想像力だと思うの。
それがあれば、他人の立場に立って物を考えることができますものね。
親切な、同情心の厚い、理解力のある人になれます。
子供にはこの想像力を培ってやらなくちゃいけないわ。


何度もここを読み返した。
だから、このページの角が折られている。

もう一つ。

一番大切なのは、大きな喜びではありません。
小さな喜びから多くのものを得ることこそ大切です。
おじさん、
私は幸福の真の秘訣を発見しました。
それは現在に生きることです。
いつまでも過去を悔やむことなく、また将来を案ずることなく、
現在のこの瞬間から得られるだけのものを得るのです。
(中略)
一秒一秒を楽しむつもり。
そして、楽しんでいる間、楽しんでいるってことを意識するつもりです。


この可愛らしく、美しい、幸福な物語の中に、なんて深い人生論が語られていることか。
これがおよそ100年も前に書かれたものとは信じがたい。
いや、100年前だからこそ、生まれたものなのかもしれないけれど。

これを最後に読んだのは、20歳くらいだったと思う。
一時期、海外文学を必死に読んでいたことがあった。
ディケンズ、パールバック、トルストイ、モーパッサン、サガン、リルケ……

でも、やっぱり没頭しきれなかったな……
それは、「翻訳」だったからだと思う。
日本語が美しくなかったのだ。
だから、途中でしんどくなってしまうことがたびたびあった。

そして、もう随分長い間、海外文学に触れていない。
パールバックの「大地」は、今年ぜひ読み返してみたいと思っている作品だけれど。
もうちょっと新しくはなるけれど、中国を舞台にした作品としては、「ワイルド・スワン」も再読したい。

中国に対して嫌悪感を抱きつつ、中国を舞台にした作品に心奪われるのはなぜだろう。
「蒼穹の昴」も然り。
どこかノスタルジックな感覚すらある。

あなたの前世は、中国の古い時代の高貴な生まれの人だった。
でも、追われる立場になり、国民に迫害を受け、言葉にできないほどのひどい目にあわされ、国に恨みを残したまま死んだ……

そんなことをスピリチュアルな人に言われたことがある。

まさかね……

そういうことを信じるタイプではないけれど、ちょっとドキッとした。

話がそれたが、しばらくは再読を楽しんでみよう。