明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

充実の一人居酒屋タイム

2010-08-31 23:11:08 | 
7時半起床。
それから10時半までに家事と庭の手入れと身支度を済ませ、
19時まで仕事。(実働7時間)
それから1時間かけてご飯を作り、2時間かけて食事とお酒を楽しむ。
その後、片づけとお弁当の用意を済ませ、
2時間ほど音楽を聴いたり文章を書いたり、趣味に親しむ。
0時半、夫が帰宅し、少し話をして、お風呂に入って、2時半に就寝。

こんな素晴らしく充実した日々を過ごしている。

私は子供の頃から30歳くらいまでほとんどテレビを見たことがなかったので、
その反動か、この数年は本当によくテレビを見た。
頭を使わず、完全に受身でいられるのが心地良かったのだ。
でも、最近になって、適当にテレビを見るのがしんどくなってきた。
自分の感受性が完全に涸れてきたことに恐怖感を覚えてきたのだ。
能動的に感受性を鍛え、常にものを考えていないと、
あっと言う間にアウトプットのできない人間になる。
一応クリエイティブな仕事をしているので、これは本当に怖い。

テレビっ子(?)卒業である。
本当に見たいドラマとお笑いだけを見よう。
(結局、ちょっとは見るんかい!)

夜ご飯はこんな感じで、例の「おじいさん料理」満載の食卓だ。



これは昨日。
鯖の味噌煮、オクラのおかか和え、焼き茄子、かぼちゃの煮物。

鯖の味噌煮が、我ながら絶品!!
夫は今朝食べたのだが、遠くから「旨い!」と叫んでいた。

オクラも前は夫は嫌がっていたのだが、最近は「おいしい」と食べるようになった。
旬のものっていうのは、やっぱり美味しいのだ。
それも、こんなふうに手をかけずに素材そのものを味わうのがいい。

お酒は、東北泉の美郷錦純米と、白隠正宗の山廃純米。
それを贅沢に、江戸硝子、骨董の磁器、作家物の陶器、3種の器で飲み比べを楽しむ。
この東北泉は失敗したなぁ。料理に合わせるのが難しい。
白隠正宗はちょっと濃い目の料理に合わせるとバツグンだ。
鯖は陶器がいいが、かぼちゃは磁器がいい。
これが器の神秘。
酒を替えずに器を替えてマリアージュを楽しむというびりけんの教えを実践。
全く、贅沢な遊びである。



今日はこれ。
またもや地味な食卓・・・
目鯛のさっぱり煮、小松菜と豚肉のピリ辛中華風炒め、いんげんの胡麻よごし、里芋のバターおかか炒め。
ビールで楽しんだ後、今日の日本酒は「紀土 純米酒」。

目鯛は昆布であっさりと煮つけた。
小松菜は豆板醤を軽く利かせて。これが紀土とよく合った。
いんげんと里芋は、明日のお弁当用に。

夫は里芋があまり好きでない。
里芋の含め煮を得意としている私だが、それすら見向きもしない。
なんとか食べてほしいとネットでいろいろレシピを調べ、
バター醤油で味付けして、かつおぶしでからめてみた。
じゃがいもでもよくやるのだが、この組み合わせって意外に旨くて病み付きになる。
夫もじゃがいもバージョンは食べるので、里芋でも気に入ってくれたらいいのだけど。

ご飯の後は、ブログを書きながら、エズラをロックで飲む。
音楽はオーティス・ラッシュから、ジミー・ロジャースに代わった。
やっぱりちょっと古いシカゴブルースが一番好きかも

とりあえず、酒・BLUES・文章と、自分の人生に欠かせない3大要素が詰まった時間。
なんと幸せなことか。

しかし、誰かご飯食べに来てくれんかなぁ。

BLUESは自分を丸裸にする音楽

2010-08-31 22:30:21 | 
近頃、夫がギターばかり弾いている。
彼と出会って5年と4ヶ月。
この期間でたぶん一番ギターを弾いている姿を集中的に見ている。

まるで初めてギターを手にした15歳の少年に戻ったかのように、
楽しそうに、イキイキとギターを弾く。
「最近、ギター弾くのが楽しくて仕方ないねん」と言って。

夫のギターの音は、優しい。疲れない。

B.Bキング、アルバート・キング、オーティス・ラッシュ、アルバート・コリンズ、
エルモア・ジェイムス、ジミー・ロジャース、バディ・ガイ、
マディ・ウォーターズ、Tボーン・ウォーカー、ギター・スリム、
スヌークス・イーグリン、ジョニー・ウィンター、ライトニン・ホプキンス、
サン・ハウス、ジョン・リー・フッカー、チャーリー・パットン、
トミー・チャン、レイ・ヴォーン、エリック・クラプトン・・・

好きなギタリストを挙げろと言われればたくさんいるけれど、
誰一人として同じ音を出す人はいない。
同じ曲を、同じギターを使って弾いたとしても。

バディ・ガイみたいな芸達者な、勢いと鳴きのギターも好きだし、
ジミー・ロジャースみたいな深みのある響く音も好きだ。

BLUESという音楽だけは、音に自分をごまかすことはできない。
そのままの、その人が出る。

私もまた最近、BLUES熱が上がっていて、古いDVDを引っ張り出してきて見たりしている。
昨日は「ANTONE'S HOME OF THE BLUES」を見た。
テキサス州オースティンで多くのBLUESを生み出してきたクラブ、アントンズ。
数々の貴重なブルースマンの演奏と、
様々なゲストがアントンズの歴史を語るドキュメンタリー。

思えば20歳の頃、まだブルースを知ったばかりで何を聴いていいかわからなかった時、
レンタルCDで手にしたのが「アントンズ ブルース ライブ」だった。
これがめちゃくちゃよかった。

このDVDもいろいろと貴重な映像が観られて素晴らしい。
このクラブのオーナー、クリフォード・アントンのブルースにかける情熱がひしひしと伝わってきて、たまらない。

ふと、「そうか、こんな手があったのか」と思う。

毎日、生のブルースを聴きながら、バーボンを飲んで暮らしたいという私の夢。
叶えたいならば、自分がブルースバーのオーナーになればいいのだ。
ブルースマンを集めて、毎晩演奏してもらう。
なんと幸せなことか!!

これをまさに実現したのが、このクリフォード・アントンで。
白人なのにとにかくブルースと、ブルースマンを敬愛し、守り続けた。
この傾倒ぶりには本当に頭が下がる。

このDVDの中で、こんな言葉があった。

『演奏者が丸裸になった時にだけ表現できる正直さ、
 痛みと苦しみと悩み事が響いてくる。
 ブルースの中にね。
 魂の叫びだ。』

本当に、いつもそう思う。
丸裸になった時だけ・・・逆に言えば、ブルースをやろうと思えば丸裸にされる。
嘘をつけない音楽、それがブルースだ。

夫は確かに優しい。だから、それが音に出る。
でも、私は思うのだ。
彼は本当はもっと熱く激しい人だ。
でも、いつの間にか、どうしてか、
自分の意志とは無関係に身につけてしまった穏やかさが、
音にも出ている。

もし、本当に彼が自分を解放できたら……、
すごい音が出そうな気がするのだけど。

いつかそんな音を聴いてみたい。
丸裸になった、一番正直な、彼の音を。

そんなことを思いながら、今はオーティス・ラッシュを聴いている。