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明日元気になれ。―part2

毎日いろいろあるけれど、とりあえずご飯と酒がおいしけりゃ、
明日もなんとかなるんじゃないか?

奇跡のノーチェック!

2008-09-11 18:05:25 | 仕事
やった!!

昨日、真っ赤になって戻ってきた原稿を修正して送ったら、
「すばらしいです」とお褒めの言葉が……

この後、担当者から大阪府に提出され、府のチェックが入る。
これがまたやっかいで、最初から「ものすごく細かくて、かなり訂正されるので、覚悟しておいてください」と言われていた。

そうしたら、担当者から電話。
「ノーチェックです!
とのこと。
こんなことは今年に入って誰も一度もなかったそうで、
「奇跡です。素晴らしい記事をありがとうございました」
とお礼のメールも来た。

よかった~

やっぱりディレクションって大事だな。
その担当者が本当に的確な指示をくれたから(真っ赤にはなったけど)、結果的にこんなふうに評価される記事が書けた。
この担当者じゃなかったら無理だったと思う。

とりあえず、よかった。本当に。
これで汚名返上。信頼回復。食欲旺盛

あと残り3回もがんばろう。
最後に「頼んでよかったです」と言ってもらえるように。

この担当者の女性って、すごく素敵な人で。
仕事ができて、人あたりもよくて、しゃべり方も優しくて、感じいい。
だけど、今回の件で、(当たり前だけど)仕事になったらすごく厳しいんだなぁとも思った。できる人だ
なかなか人の原稿を8割真っ赤にはできないよ(←かなり根にもってる?)

他の契約先でも素敵なディレクターさんはいる。
でもこの人は、出産のため、産休に入られるのが残念。
やっぱり同じタイプで、優しいのに厳しい。
そして、ライターのモチベーションを上げるのがうまい。

これって実はすごく大事なことで。
モチベーションなんていつでも自分で作れるわけじゃない。
周りが仕事の出来を褒めてくれたり(それこそ大げさなくらい)、報酬に反映させてくれたり、新しい仕事を与えてくれて「頼りにしてます」と言ってくれたり、そういうことがあって、初めてモチベーションなんてできるもの。
「この人の期待に応えたい」とか
「信頼を裏切らないものを作りたい」とか
「あ、頑張ったらまた次に繋がるんだ」とか。

逆に、これが下手な人もいたなぁ……
どんなにいい仕事をしても全く褒めない。
その代わり、失敗すれば後々まで責める(チーム内にもそのことを話す)。
提案をしても「ああ、それはこちらも考えてるから」と必ず言う。
これじゃあ、人が育つわけがない。

まあ、嫌な人と出会っても反面教師にすればいいことで、
今はよかったかなと思うけれど。

今日は本当に本当に久しぶりに、夜家にいられる日。
たまにはこんな日がないと、ちょっと精神的にもガタがきていたので、助かった。
手をかけた料理を作って食べよう

真っ赤な原稿……

2008-09-10 23:03:41 | 仕事
人のおせっかいをやいている場合ではなかった。

久しぶりに、真っ赤に修正された原稿が返って来た。
おかえり~

いろいろと意志の疎通ができておらず、
勘違いしていた部分もあったということを差し引いても、
ライターとしてどうやねん、というおそまつな結果

初めて新聞記事を書いた時以来かもしれない。
あの時は、「もうこっちで書き直すからいい」と言われ、
生まれて初めて記事がボツになったんだっけなぁ。

悔しくて、悔しくて、
何がなんでも自分を認めさせようと思って、
めちゃくちゃに勉強して頑張った。
徳島の剣山の取材のとき、他社のプレス陣がひぃひぃ言って登るのがやっとの時、私だけが案内人にぴったりついて登り、片時もメモを話さずに頂上までずっと取材をしていた。
結果、最後にはその人に「あんたの取材根性はすごい」と言ってもらえたし、
記事に関しても、取材した相手から新聞社にお礼の手紙が届いたと連絡があった。
辞める最後はその人に「息子の嫁にならんか」と、かわいがってもらった。

そんな「ぷち・サクセスストーリー」を思い出して、
自分を奮い立たせるしか、もう今はやりきれない。

真っ赤な原稿って、嫌だなぁ。
この世で一番嫌かもしれない。
いっそのこと、「全部書き直し」と言われたほうがいいかもしれない。
ほんの数行だけ黒く残った文章を見てなんだか泣きたくなった

で、このディレクションしてくれている人が本当にいい人で。
真っ赤な原稿なのに「感動しました」とか「ここはよかった」と
あえて書いてくれている。
その優しさがよけいにみじめになる。
この人に喜んでもらえる原稿を書きたかったのになぁと。

世の中にはディレクションのうまい人っているんだ。
この人もそうで、最初は長い長いメールと真っ赤な原稿を前にして、
どうしようか……と落ち込んでるだけだったけど、
気を取り直して、メールの通りに書き直してみれば、
なんというか、「ああ、納得」の仕上がり。
真っ赤といっても、1語だって修正は入れていなくて、
「ここはこんなふうに書いてほしい」というアドバイスがあるのみ。
これが、修正しているうちにすごくありがたくなった。

アドバイス通りに書き直した原稿を読んで、
自分でようやく何が悪かったのかを気付いた。
すっきりと論点のまとまった修正原稿は、自分でも前より絶対にいいと思えるものになっていた。

自分が一つレベルアップできたような気分。

ライターとして自分はある程度のものは書けるという自負があったけれど、
なんということはない。
所詮、真っ赤な原稿をつき返される程度。

だけど、ここで終わらない。絶対に。

孔子だって言ってる。
間違いを犯すことは罪じゃない。間違いを改めないことがダメなんだと。

連載は4回。
残り3回は絶対にこんなヘマはしない。
最後に「やってもらってよかった。またお願いします」と言ってもらえるような仕事をする。

これは希望じゃない。
絶対なんだ!

想いを綴る。

2008-09-08 15:56:47 | 仕事
少しずつ、少しずつだけれど、
自分がライターとして書きたかったものを書ける仕事に
近づいている気がする。

今、任されているのは、企業向け新聞のコラム。
連載4回。
たった600字だけれど、「私の想い」を書ける。

言葉を綴ること、大好きだ。
人の想いを文章で代弁すること、大得意だ。
だけど、私はやっぱり「私の想い」を綴りたかったんだと思う。

最近、少しずつそういう仕事もできるようになってきた。
「あなたらしい文章を」と依頼されることが増えた。

でも、それ以上に嬉しいのは、
取引先からの絶大な信頼。
それは、この間、体調を悪くした時にしみじみ感じた。

これは、決して、
「安い仕事をきちんとやってくれるから使いやすい」
というだけではないと思う。
(そういう取引先もあるけどね・・・)

信頼と期待があると、私はよけいに張り切る。
プレッシャーというのはない。
どんどん力が湧いてくる感じ。

私は、私の能力を上手に使ってくれる人が好きだ。

夏は体のことで本当につらかったけど、
この秋は夏の分まで取り返すつもりで頑張りたい。

「自由」とは楽しく、そして厳しいもの。

2008-09-02 23:08:34 | 仕事
体を悪くして、休みすぎた。

こんなに気楽にのんびりできたのなんて初めてだから
(体調が悪いのだから働かなくても罪にはならないという条件付き)
本当に心から休養をとれた。

体調が戻った今も、まだ気持ちが仕事モード全開にならない。
どうもくすぶってる。

人はこうやって堕落していくんだなぁ……なんて、
どんどん空いていく酒瓶を見つめてる。



今日、注文していた酒が届いた。
福井県の「梵」というお酒で有名な酒蔵の「艶(つや)」。
純米大吟醸 中取り 特別限定品。
米は山田錦 精米歩合50% 日本酒度 +2 酸度1.2
長期氷温熟成酒で、マイナス5℃以下で1年以上熟成されている。
きれいで、やわらかく、上品なお酒だ。
(たぶん、あやが好きなタイプのお酒だと思う)

もう1本は和歌山の「車坂」純米吟醸。
山田錦 精米歩合58%
こちらは珍しく、日本酒度 -4 酸度1.4
どうかなぁと思ったけど、酒屋の店主(ネットの)があまりに勧めてるもんだから、ついついポチッと……

いやいや、買ってよかった。
やわらかい甘さと強さ、そして、後味のよさ。
なかなかバランスのとれたお酒だった。

とまあ、今日も両方合わせて2合くらいをちびちびとやって。
全く仕事が進んでいない状態でこの時間だ(10時半)。
今日一日、一体何やってたんだろ。

仕事は山積み。
どうしようか。
どうしようかって、やるしかないんだけども。

いい加減、こんな生活から抜け出さないといけないなと思いながらも、
一度味わった「ぐうたら生活」がやめられない。
筋金入りのワーカーホリックが半月でこうなるんだから、恐ろしいね。
……と言いつつも、仕事はもちろんそれなりにしてるんだが(締切があるんで)、
物理的なことじゃなく、なんか、気持ちの問題かなぁ。

そして、気持ちとは裏腹に仕事は順調で、
久しぶりの商業誌もあるし(地方版だけど)、
企業向けの某新聞のコラムも4回の連載を任された。
仕事の質は少しずつ上がっているような気もする。

うーん、頑張らんとな。
完全に自分に負けてる。

今日、夫のブログを読んだら、久しぶりに面白かった。
酒飲みの嫁のこと(私のことね)も少し書いてあって、
「夫婦」だけど「同志」なんだよなぁ、と改めて思った。
(よかったら横のブックマークからどうぞ)

彼は風邪ひきながらも毎日頑張ってるのに、
私がこれじゃあかんやろ、と情けなくなる。

私には会社もチームもないから。
いつも自分との闘い。
自己管理をできなくなったら、はい、それまで。
だから、自分に負けないようなモチベーションが必要。
会社にやらされるとか、チームのためにとか、
そういうものが一切ないから、
自分が楽しいとか、自分がやりたいとかいうモチベーションが
もしなくなったら、そこで終わりだ。
逆に言えば、いつでも「終わりにできる」という気楽さもある。

自由ってのは、楽しく、厳しいもんだ。

まあ、まだ終わりにしたくはないので、
無理にでも自分を奮い立たせて、
とりあえず仕事モードの自分を再生しなくては。

シャワーでも浴びて、さっぱりして、
あと2、3時間頑張りますか。

ツギハギだらけの宿題

2008-09-02 12:31:15 | 仕事
夏休みが終わった。
8月31日は朝から夕方まで、生徒の宿題を片付けるのに必死。
ひのきでは、一人ひとりの宿題を全部チェックしていき、
できていないものは、その場でやらせていく。

みんなだいたいできていて、残っていても昼過ぎくらいには
仕上げて帰って行った。

藤田くんにも「宿題チェックするよ。出して」と言ったら、
まずは理科を出した。
ちゃんとやっている。
「次、数学は?」
「それは、やってない」
「国語は?」
「それもやってない」
「えー!社会は?」
「やってない」
「じゃあ、やってるもの出して!」
「出した。理科」

ひょえーーー!!
8月31日なのに、理科しかできてないよ~
あとは真っ白!!
美術のスケッチは?技術のレポートは?国語の俳句は?
めっちゃ残ってる……

仕方ないので、英語のワークと国語のプリントを私がやった。
字をわざと汚く書くのも大変だ。
他の生徒に「先生、うまい、めっちゃ汚く書けてる!」と
褒められたけど、若干、複雑な気分?

他の講師も手分けして、皆で俳句を考えたり、絵を描いたり、社会の公民新聞作ったり……。
とりあえず全員の宿題が出来上がった。

今年も「ツギハギだらけの宿題」は終わった。

兵頭くんと杉やんが遊びに来ていて(やめた講師)、
久しぶりに会えたのも嬉しかった。
二人とも宿題を手伝ってくれて、なんだか昔のようだった。

兵頭くんとは相変わらず憎まれ口をたたきあったが、
帰る時間になったら、やっぱり淋しかった。
島根に住んでいるので、今度はいつ会えるかわからないし。

でも、ひのきがうまくやってるのを見せられてよかった。

ちなみに、昨日、藤田くんに
「宿題、全部終わってよかったな~」と声をかけたら、
「うん……でも、今日学校に数学の宿題持っていくの忘れた」
と言われた。

えっ?!


九九をマスターしよう!

2008-08-19 23:42:45 | 仕事
今日は久しぶりに買い物に行って、久しぶりに料理もした。
それくらい、体はよくなってきている。
帰り道で少し痛みを感じたので、大事をとって帰ってから2時間ほど横になった。

「ごめんね、私が病弱だから……。あなたに迷惑ばっかりかけて
最近、このセリフを夫に何度言ったことか……。
(ちょっと言ってみたかった)
「健康と働き者なことしかとりえがなかったのにね。結婚したこと、後悔してるでしょ?
としつこく言っていたら、
「アホか
とあきれられた。

まあ、こんな一人小芝居をやれるくらいなので、回復に向かっていることは確かだ。

今日は久しぶりに塾にも行った。
夏休みから、一番下のクラスの数学を教えているのだが、これがまあ、アホ揃いで、なんとも可愛くて楽しくて仕方がない。
いつもそうだけど、一番下のクラスって、ほとんど本能だけで生きている動物みたいなところがあって、違う学校の子同士でもすぐに仲良くなる。
あれって何なんだろう。
仲間意識ってやつかなぁ。

とりあえず盛り上がっていて、みんな一生懸命やってくれるので楽しい。
今日の成果は藤田君が初めてプリントを全問終わらせたことだなぁ。
夏休みの最初はみんなが終わるまでに2問しかできなかったのに。
確実に賢くなっている。
この子は学校のテストで数学の点数は1ケタだったらしいのだが、
(何点やったのと聞いても「それは恥ずかしいから言えない」と言う。あんた、1ケタって告白した時点で既に恥ずかしいよ……と思うんだけどね
次のテストではたぶん30点はとれると思う。
なんとか高校に行かせてやりたい。
こういう生徒こそ、ひのきの原点だよなぁと思う。

ちなみに藤田くんはパソコンオタクで、アニメオタクのアキバ系。
携帯の待ち受けは、アニメの少女だった
たぶん、藤田くんはこれから私のブログに何度も登場すると思うので、注目です(笑)。

「おおー!初めて全部できたやん!」
と褒めたら、まんざらでもない様子で嬉しそうだった。
九九もちょっとキツイんだけど、因数分解を使って二次方程式が解けた。

もうホント、12歳までのお子さんをもってる親御さんに言っておくけど、
九九と分数・少数の計算だけはマスターさせてあげて。
中学に入ってからがかわいそうだ。苦労する。
ちなみにこのクラスでは、「ロクハ(6×8)……なんやったっけ?42?」と聞かれることも少なくない。
九九は6の段以降が難しいらしい。
私の経験から言えば、
6×8
6×9
7×9
この3つが九九の難関のようだ。
しかし、「ロクハシジュウニ?」と聞かれて、ここで「そんなんもわからんのか!」なんて言ったらダメだ。
平然と、「惜しいな~、48やん!」と優しく言ってあげなくては。

ちなみに藤田くんは今日、「6×4」を「30」と書いていた。
これはニュータイプかもしれない
あ、私が見ているのは中学3年生です♪

いろんな仕事があるんだな。

2008-08-08 00:01:40 | 仕事
八尾にある、機械製造の中小企業を取材。
お菓子とかクスリとか、世の中にあるいろんな紙箱。
それを造る抜型を造る機械を造っている。

紙箱の展開図みたいなのを機械がレーザーで切っていくのを見て、
なるほどなぁと思った。
何気なく使っているモノたちには、なんと多くの人が関わっていることか。

また、働いている人たちの教育がきちんとなされている会社で、
明るく挨拶してくれるのが気持ちいい。

こうやって何十社も取材していると、
「この人個人が感じがいい」のか、
「会社の教育がきちんとしている」のか、
だいたいわかってくる。

今日は最初に声をかけた人の対応で、「ああ、この会社はきちんとしてるな」
とわかった。
話を聞いてみれば、やはり「挨拶だけは厳しく指導している」という。

お客さんが入ってきたときに、自分とは関係なければ、
しらっとしている会社って、意外にたくさんあるのだ。
あれって本当に感じが悪い。
受付の女性だけが慌てて出てきて。

今日はみんなが「こんにちは!」と声をかけてくれるから、
最初からいい会社だなぁと思っていたら、
インタビューが終わった後、工場見学をさせてくれた。
小学生に戻った気分。

レーザーで抜型を加工していく機械や、
その機械を造る部品を組み立てる様子を見ていて、
これはやっぱり「男」の仕事だなぁと思った。
個人差はもちろんあるだろうが、基本的に女性には魅力のない仕事だ。
プラモデルを作るのは男ばっかりっていうのと同じ。

研究職の人の話も聞いたのだけど、
毎日、高度な理科の実験みたいなことばかりしている。
1mmくらいの薄いフィルムをレーザーで抜く機械を開発しているらしい。
そのために、温度や湿度や震度やらを変えて、機械を動かし、
データをとっているとか。
う~ん……聞くだけで面白くなさそう

でも、本人は楽しそうだった。

それから、対応してくれた人事担当者がとてもいい人で。
工場も1つ1つを丁寧に説明して歩いてくれた。

なんでも3年ほど前に、天皇・皇后陛下がこの工場に来られたらしい。
私は最初、「あ、そうですか」という程度の反応だったのだが、
何度も何度もその話をしてくれて、しまいにはその日のビデオや
記念碑、天皇がお座りになった椅子まで見せてくれた。

「こんな八尾の中小企業に……」と何度も言う。
それを聞いていて、その誇らしそうな顔を見て、
途中からなんだかじーんとしてしまった。

この工場で働いて20年だという。
「うちには大卒なんてこない」と言う。
この業界では特許もいくつもとっている、トップシェアの会社だけれど、
規模としては中小だし、ネームバリューもない。

それでも、この人はきっと20年間、ずっとこの仕事に誇りをもってきたのだろうなぁと思った。
街で見かける様々な箱。
お菓子の箱、クスリの箱、いろんな箱。
その箱を作っているのは別のメーカーだけど、その箱を作る抜型を造る機械を造っているのは自分たちなんだと、いつも誇りに思っていたに違いないのだ。

だけど、世間から見ればやはり町工場に過ぎない。
そんなとき、天皇・皇后陛下が来られた。
町中は大騒ぎ。
クロスも床も張り替えて、準備をして、迎えたその日。
自分たちの仕事を視察し、言葉をかける天皇。

きっとこの日初めて、自分の誇りがカタチになったのだ。

私は天皇には特に思い入れはないのだけど、
この人がすごく嬉しかったことだけはわかった。
いつものクセで、その気持ちにいつの間にか同化してしまい、
ビデオを観ながらちょっと泣きそうになってしまった。

世の中には本当にたくさんの仕事がある。
趣味的な面白さしか感じられない人よりも、社会に貢献していることを誇りに思って仕事ができる人のほうが、きっと仕事は楽しいのだろう。
それがどんな仕事であれ。

今日はとてもいい経験をした。

しかし、この工場見学がかなりハードで……。
まず、エレベーターなんかないから、3階まで階段でのぼる。
そのたびに、腰が……!

また、車で移動だったのだが、乗ったり降りたりするときに
かがめないといけないから、これがまた辛い

心の中の顔⇒
相手に見せる顔⇒

さらに、靴を脱いでスリッパに履き替えたりもしたので、
それがまた辛かった

今日は朝7時~9時までノンストップで働き続けた日。
神は試練を与えたまふ。
FAXが壊れて実家に借りに行ったり、プリンターのインクが切れて買いに行ったり、修正テープを使っていたら壊れたりと、うまくいかない。
自転車で実家と家を2往復し、取材帰りにヨドバシカメラへ行き……。
体を酷使し続けた。

そうしたら……
神は我を救いたまふ。
劇的に腰が治った!

いや、まだ痛いには痛いのだが、左半分がよくなっている。
痛いのは右だけだ。
これはやっぱりヘルニアじゃなかったのかもしれない。
今は右足をひきずる感じだけど、かなり調子がいい。

こんなに酷使して、絶対悪くなると思ったのに……
逆療法?!

そんなわけで、今日は疲れているのになんだか気持ちは明るい。
やっぱり健康っていいな。
半分痛みが減るだけで、こんなに気が晴れるなんて。

明日、ひどくなってないといいけど(笑)

誠実に向き合う、結局これしかない。

2008-07-18 01:31:10 | 仕事
最近、夜仕事ができない。
体がというより、気持ちがぐったりしていて。

先週はやめられていたのに、今週はずっと酒びたり……。
毎日取材でお水もくみにいく時間がないし(夕方5時までなので)、
暑いからどうしてもビールが飲みたくなって1杯……。
その後、日本酒、ウイスキー、泡盛と続く。
そして、毎日胃薬。

今、頑張らないといけないのに。

仕事を断る、ということが増えてきた。
無理すればできないことはないのだが、断ってしまう。
以前は絶対にありえなかったことだ。
徹夜したって引き受けるのが私のやり方だったのに。

こんなに忙しいのに、もうすぐ夏期講習が始まる。
今指導している山口くんのフォローに加え、
新しい数学の講師と国語の講師も育てなければならない。
合計24コマ。
ちゃんとまわせるんだろうか、という不安が押し寄せる。
力のことではなく、物理的なことだ。
こんなに忙しいのに24コマも消化できるのか、という不安。
カンペキ主義の私は、こういう不安が一番苦手だ。
「もし、完璧にできなかったら……」と思うだけでしんどくなる。

自分を奮い立たせるって、難しい。
いつも理想に実力が追いつかない。

こんな時に限って、なんだか試されているように、仕事の話ばかりがくる。
今日も1年半くらい前に契約したきり、一度も仕事がなかった会社から電話があった。
契約した時は「仕事はたくさんある」ふうなことを言っていたのに、
今日は「実際は原稿をおこす仕事があまりなくて……」と、今まで連絡しなかった言い訳をされた。

なかったんかい!

こちらは契約できた時、すごく嬉しくて。
そこから仕事が来なかった数ヶ月間はすごく落ち込んで。

振り回されてしまったなぁ……。
それが理由ではなく、単なるスケジュールの都合で仕事は断った。
無理すればできないほどではなかったけれど……。

さらに、今日また予想もしなかったところからの電話。
これはでも、とても嬉しい出来事だった。

半年以上前に取材した、まだ若き25歳の社長と10代の社員と二人で頑張っている、ホームページの制作などをしている会社。
社長から電話があった。
「以前、取材していただいたんですけど……」と。
何かと思ったら、現在制作中のホームページのコピーをお願いしたいということだった。

まだ返事をしていないが、こちらは引き受けるつもりだ。
こういう縁は大事にしたいもの。

「私のこと思い出してお電話くださってありがとうございました」
と最後に告げたら、
「以前、取材していただいた時、とても誠実に対応してくださったのが印象的だったので」
と言われた。

ちょっと感動。

取材して記事を書いた会社から、今度は仕事が来る。
これって、この仕事をしていて、最高の賞賛だ。

1件1件、とにかく誠実に向き合って書いてきた。
それがこんな形で認められたんだなぁと思い、嬉しかった。

来週はまた新しい取引先との顔合わせもある。
夏の間は忙しいが、9月からどうなるかなぁと思っていたら、
9月~11月まで、新卒者対象の求人サイトの仕事が見つかった。
これで秋も安泰だ。

一時期はどうなるかと思ったが、ちゃんと軌道にのっている。
走り出した。

完璧にゴールまで辿り着くかという不安はあるけれど、
相手が期待するものを常に「超える」こと。
そこまでを目指して走りたい。
また1件1件、誠実に向き合って、もてる力を出し切っていくしかないのだろう。

走りきれるよう、「無駄」な酒とは縁を切りたい。
どんどん体調を崩しているし、生活も乱れてきている。
一度どこかで立て直さなくては、と思うのだけど、既に悪循環に陥っている。
でも、ホント、一度どこかで立て直さなくては。

軌道に乗り始めて、いろんなことがうまくいっているというのに、
こんなに気持ちがぐったりしているのはなぜなんだろう。
一体これは何の不安なんだか。

欅の木の下で(完結)

2008-07-05 13:32:27 | 仕事
土曜だというのに朝から取材で八尾の方へ。
昨日は堺(北野田)で取材で、毎日長旅だ。
駅のホームで「狭山」という駅名を見て、そういえば高校のときクラブの試合で狭山高校に行ったなぁと思い出した。
あの頃はまだ心斎橋より南の大阪へ行ったことがなく、めちゃくちゃ遠い!と思った。
今は仕事であちこちに行くから1時間半くらいはたいした距離ではないけど。

でも暑い中の移動はしんどい。
駅のホームって必ず階段を上がって下りて…だから、重い鞄(一眼レフや資料)を背負って歩くのは結構きつい。
外回りの営業さんって大変やなぁ…

大阪の北、阪急沿線で育った私には、南大阪は馴染みがなく、同じ大阪でも別世界。
肌に合うか合わないかと言えば、合わない。

これは大阪以外の土地でも同じで、関東なら京王線沿いが好きだとか、この駅で降りるといつも気が滅入るとか、いろいろある。
都会だからいいとか、田舎だからいいとか、そういうのでもない。
なんだろうな…。やっぱり感性に合うかどうか?

今日は近鉄大阪線のある駅で降りた。
少し歩き出してすぐに、あれ?と思った。
なんか落ち着く、この町…。

駅からずっと小さな川が流れている。
いや、川と言ってもキレイなどぶ川程度のもの。
でもその川沿いにずっと桜の木が植えられていて、周りの家もきれいに庭や花壇を手入れしているから、緑がいっぱいだ。

川沿いを歩いていたら山が見えた。
ああ、この距離感。山がこれくらいの距離で見えるとなんだか安心するのだ。

ちゃんと広い歩道があるのもいい。

アスファルトの照り返しが強くて、暑さにぼぉ~っとしてしまいそうだったけど、歩くのはさほど苦痛ではなかった。

取材先は老舗の和菓子屋さん。千坪ある敷地に和風の店舗と庭がある。
お菓子もきちんとこだわりを持って作っていたし、感じもよかった。

庭の離れにある和室に通された。
正座して取材というのも初めてで変な感じだったけど、
とても居心地の良い場所だった。

インタビューが終わり、店舗に戻って撮影。
すべて終了して帰ろうかと思ったら、担当のNさんが声をかけてくれた。
「カキ氷でもいかがですか?」
私の辞書に「遠慮」という文字はない!!
「わ~いいんですか~ありがとうございます~」
といただくことに。

しばらくすると、美味しそうな宇治金時が運ばれてきた。
室内だったのだが、お庭にもテーブルがあって食べられるようだったので、
「外でいいですか?」と聞くと「どうぞ、どうぞ」と運んでくれた。

大きな欅の木の下。
ちょうどいい具合に陰になっていて。
外はうだるような暑さだというのに、この場所だけが涼しい。
宇治金時にスプーンを入れ、口に運ぶ。
濃い抹茶の味と、上手に煮られたあんこ、それに白玉がどれも美味しい。
これを食べただけで、このお店のお菓子はきっと美味しいんだろうなと思えた。

Nさんと世間話をしながら宇治金時をかき込む。(溶けるので)
静かで、涼しくて、なんだか別世界。
この欅は水をやるのに30分もかかるのだとか。
しっかりと広く根を張って、枝が何本にも分かれ、
緑の葉をたくさんつけて生き生きとしている。
この下にいるだけで、パワーをもらえるようだ。

すぐに心を開いてくれそうな気がして、幹に触れて話しかけてみたかったが、
変人だと思われそうだったので我慢した。

でも、きっと「いい欅の木」に違いない。
形も葉の色も、出てくるオーラも、全部優しかったから。

宇治金時を食べ終わると、今度はNさんが庭を案内してくれた。
アーモンド、レモン、かりん、桃、イチジクなどが栽培されている。
これは皆、お菓子に使われるのだ。
アーモンドの木なんて初めて見た。

とても素敵な場所で、もう少しいたかったが、そろそろ帰ることに。
すると、Nさんが「お願いごとを書いていってください」という。
何かと思ったら、七夕飾りが。
短冊をもらい、願い事を書いて笹につるした。

 『家族や周りの人が健康で、毎日楽しく過ごせますように』

Nさんに「お書きになられました?」と尋ねると、
「いえ、まだなんです」という。
それから、「書くなら、世界平和ですかね。最近は物騒な事件が多いので」
とおっしゃる。
周りの人間のことしか考えていなかった自分を少し恥ずかしく思ったが、
こんな人がいるんだから、世の中はまだ大丈夫、という気にもなった。

「お気をつけて」
と見送られ、和菓子屋を出た。

一歩敷地を出たら、暑くて汗が一気に噴出してきた。
Nさんが言っていたことを思い出す。
「ここは涼しいでしょう?下が土だからですよ」
アスファルトはやっぱり照り返しがきついんだなぁと実感。
土の上はなんて涼しいんだろう。

土と木陰のある暮らし。
日本人は一体いつから捨ててしまったのかな……

スーツにパンスト、重い荷物、噴出す汗をぬぐいながら、
不自由な私はアスファルトの道を歩く。

欅の木の下で過ごした短い時間が、なんだか夢のようだ。
とてもよい出会いだった。

仕事の喜びって

2008-07-03 02:59:50 | 仕事
2時半か……
仕事終わんないな……

今朝は6時半からずっと活動してるんだけど。

家事をして、原稿書いて、取材行って、ひのき行って、また原稿書いて。
10年前の生活みたいだ。

ちょっと今、小休憩。

でも、こういう生活、不思議といやじゃない。
仕事が楽しいからだろうなぁ。
火・水と行った取材はとてもよかった。
火曜が商業ビルなどの内外装を手がけている会社で、
水曜が洗浄剤や衛生機器を開発・販売している会社。

どちらも業界では結構大手で、
とても志の高い理念をもっていた。

会社の発展、自分たちの楽しさ、生涯設計(簡単に言えば儲け)を
求めるのと同じレベルで、社会貢献ということ、
つまり人々に喜ばれること、役に立つことを望んでいる。

1社目はまだ21歳の若者、2社目は29歳のこれまた20代を取材したのだけど、
二人ともびっくりするほどしっかりしていた。

私はこういう仕事をしているので、いろんな企業のいろんな人と話をするが、
仕事ができる人って、「仕事ができるオーラ」が出ている。
それは、目でわかる。
生き生きと輝いていて、人の目をまっすぐに見て話ができ、
そして、優しい。
一緒に話しているだけで、パワフルなオーラに包まれ、
こちらも自然に笑顔になる。

取材の後も、何かパワーをもらえた気持ちになる。

どんな職種であれ、自分の仕事がこの世の中に役立つことを知っていて、
そのことに誇りをもっている人は素敵だ。

取材すると、ほぼ90%くらいの割合で、皆仕事のやりがいをこう答える。
「ありがとう、と言われたとき」
「社会の役に立っていると思えたとき」
「喜んでもらえたとき」
販売や営業だけでなく、技術者でもそうだ。
自分の開発した機械、電子回路設計をしたシステム、それが社会の役に立っている、そのことが嬉しい、やりがいだと言うのだ。

私は確信する。

人って、人に喜んでもらえたり、人の役に立ったり……、
それができることを求めてるんだって。

そう思うと安心する。
なんだか嫌な事件ばかりの不安でいっぱいの世の中だけど、
でも、本質的には「人の喜びが我が喜び」と思える人が多いのだと。

もう日記に書くのも3回目だけど、私が好きな言葉。
「仕事を通すと、愛は無限に広がる」
本当にそうだなぁと、また今日も実感した。

ひのきでも、先週末で試験が終わり、今日は結果を見せてもらった。
みんな健闘した!!
平均60点ないくらいのテストで、数学(私と山口くんの担当)は
ほとんど70点を超えていた!!
これを見ると、ほっとする。いつも。

それに、テスト前日も残って一緒に勉強していた生徒が、
前より心を開いてくれたと感じた。
今日は教室に入るなりお呼びがかかった。
皆が試験の結果を「俺な~」「俺な~」と報告してくれる。

ライターの仕事に影響がなければ、ひのきはずっと居たい場所だから、
やっぱり今は幸福な気がする。
うん。たぶん、幸せなんだろうな。
生徒もやんちゃでむかつくところもあるけど、やっぱりかわいいし。

ああ、残念ながら30分経った。
今日はこのへんで……。
仕事、再開!

流れに乗って行けるところまで

2008-06-17 18:49:23 | 仕事
非常にありがたいことなのだが、
ここんとこ、もう忘れ去っていたような人から仕事が来る。

怖い。

いつ、いくらでと具体的ではないのだけど、
もう3日間連続で、いろんな会社から、「こういうことをやりたいので、力を貸してほしい」といったような電話・メールが来る。
今日も昨年一回だけ仕事をした会社からの依頼だったのだが、
もし実現するようなら面白そうな仕事だった。

波が来てるなぁ。

どんなことも「執着するとよくない」
ということを聞いたことがある。

「絶対これじゃないといや」
「絶対こうでないと不幸になる」
「私には絶対これしかない」等……

執着すると、うまくいかない。

ふいと肩の力を抜いて、「まあ、もうどっちでもいいか」というくらいの気持ちになると、不思議とうまくいくことがあるとか。
ただし、それが「どっちでもいい」と言いつつも、本当にその人が望んでいたり、進むべき運命の道であれば、だけど。

別の言い方をすれば、右へ行っても左へ行っても、どちらも正解。
だから、絶対右じゃないとダメ!と思わず、流れに身を任せ、
自然に流れた方向を楽しんで感謝していればいいんだよってこと。

私はずっと物書きでありたいと、それしかないと思って生きてきて、
まあ、どうにかこうにか10年くらいはこれでやってこれたわけだけど、
そろそろ限界かなと思っていた。
(日記読者がご存知のように)

最近、本気で吹っ切れて(寺を巡っていたときだ)、
今の仕事が一段落したら、もう一度生き方を考えよう、
自分の書きたいものでも書きながら……と思っていたのに、
なんだ、これ。

今、全く終わりが見えないほど仕事のオンパレード。
(○○のオンパレードって、死語だな)

まるで「ライターをやめるな」と言われているかのようだ。
もしかして、まだもう一花くらいは咲かせられるのかな、私。

ただ、もう昔のように体力がなく、さっきも珍しく90分ほど昼寝をしてしまった。
15分だけのつもりだったのに……。
睡眠5時間で実働14時間プラス家事労働は、30代にはきついっす。

最悪なのは、寝起きに修正の電話が入って、「はい、はい」と言えばいいのに、あれこれ反論してしまったこと。
なんか、制御機能が全く働かなかった。
後で考えてみれば、別の表現でもなんとかなったのに、「削除します!」の一点張りで対抗してしまった。

冷静になってから、急いで修正して謝りのメールを入れた。
は~、何やってんだか。

夏が終わるまで、このまま一気に駆け抜けられるのか、
それとも途中でリタイアか。

どうなるかわからないけれど、とりあえず駆け抜ける方向で!
「しんどいなぁ」と思っている自分より、「わくわくする」と思っている自分のほうが、まだ確かに強い。
この流れに乗って、行けるところまで行ってみようか。
(意外に距離は出なかったりして・笑)

ちょっと長いですが、ひのきの話

2008-05-28 01:13:21 | 仕事
ちょっと報告。

5月のGWが終わってから、ひのき(塾)に行っている。
ひのきのことを知らない人のために簡単に説明しておくと、
ひのきとは、私が大学生の頃から10年くらい教えてきた塾だ。
昼間はライター、夜は塾講師として過ごしてきた。

ただ、今は担任をもって教えているわけではない。
週に1、2回、「講師の指導」をしている。

今年の春、ひのきは講師の総入替えがあったのだ。
長年勤めた講師がみんな辞め、入って半年~1ヶ月くらいの新人講師で授業をまわすことになってしまったのだ。
一人だけ、10年以上いてくれている、元・小学校の先生がいるので、その先生を中心にして(かなり無茶)、なんとか新人講師で頭数を揃えてやっているという状態。

正直に言えば、私はこの件に関してかなり悩んだ。
それも、数ヶ月。
誰にもこの気持ちは理解できないと思うのだが、泣いた夜も多々ある。

だって、簡単なことなのだ。
私が戻れば、それですべて解決する。
授業はまわり、講師は育ち、堀先生はホッとする。
だけど、その代わりに失うものは多い。
やっとライター1本でやろうと思っていた自分の決意。
結婚して落ち着いた生活。
全部捨てなくてはならない。
昔からこの日記を読んでくれている人ならわかると思うが、
私がどんな思いをして、ひのきを辞めたか……。
辛かったけれど、自分の新しい一歩のために、辞めようと決意したのだ。
それをもう一度くつがえすなんて、考えられなかった。

そして、戻ったところで、ライター仕事はこれまで通り、そして家事は完璧にしなければ気がすまないだろうから、また朝も昼も晩も明け方も働く日々が始まる。
そのことに自信もなかった。
そして、そのことから生じる様々な「支障」に応じる自信もなかった。

だけど、ひのきを見捨てるという選択肢もなかった。
それは、自分の生き方に反するし、そんなことをしてこの後幸せになることもないと知っていたからだ。

義理人情なんか流行らない、それはわかってる。
だけど、私は若い時、随分ひのきに救われたのだ。
一般的な「家庭」をもたない私の、たった一つの「ホーム」だった。
唯一の「居場所」だった。
生徒の前だけは自然に優しくなれた。
そんな自分が好きだった。
私が、素直に、自分を好きだと思えた。

ひのきがなかったら、今の私は絶対にない。
だから、何かできることを考えた。
いろいろ迷った末、選択したのが、「授業はもたないけれど、講師を育てる」ということだった。これが今後のひのきのためにも一番いいと思えたからだ。

この1ヶ月、講師の指導に行って、本当によかったなと思っている。
授業の前に授業の組立を教え、授業のフォローに入り、終わってから反省会と、次回の教材作り。
中3数学の講師を育てているのだが、とてもいい人で、熱心にやってくれている。
私が思ったようにやってくれるので、指導のしがいもある。

この間、他の講師とも飲みに行ったのだが、みんないい感じだった。
なんとかやっていけそうだと思い、ホッとした。
私がいなかった、この2年間にこういういい講師が来てくれたらよかったのにと思ったけれど。
まあ、人生にはタイミングというものがある。
これも運命かなぁ。

ひのきに行き始めて、なんだかせつなくなるくらい思った。
やっぱりここが好きだなぁと。
生徒が好きだなぁと。
特技のようなものだけど、30人までなら一度で名前と顔は一致する。
すぐにみんなと仲良くなった。

5月7日、最初の授業の日。
家に帰ってきた私を見て、夫が言った。
「すごく優しい顔してる」と。

授業を見ていると、本当はうずうずする。
ああ、教えたいと思う。
そうじゃない、今、このタイミングでこう言うんだ!という場面も多々ある。
だけど、グッとこらえる。

この夏が勝負だな。
夏を終えたとき、新生ひのきが出来上がっているような、そんな気がする。
楽しみだ。

余談。

私が最後に教えた生徒は、もう高3になって、またひのきに戻ってきている。
先日、あだっちゃんに再会した。(←覚えている人いるかな?)
私と背比べをしていたあだっちゃんは、もう私が見上げるほどになっていて、「178センチ」だとか。
そして、にやっとして「あと2年後な」と言う。
「何よ?」と聞いたら、
「酒、のめるから、連れてってな」と言う。

おおー!!
生徒と酒が飲めるのか!!
最高やな~!!
なんぼでも飲ましたるがな~

この最後の学年には深い思い出があって。
10年やってても学べなかったことを最後に教えてくれた生徒がいた。

アズ。
ひねくれてて、わがままで、私にたてついてばかりの女の子。
本気でイライラして、本気で嫌いだった。
ある時、授業中、私がキレて、アズが授業を抜けて帰った。

後で、堀先生と一緒に家まで謝りに行った。
お母さんが「いつも数学の先生が、ひいきばっかりして自分をかまってくれないって言ってたんです」と言った。
なんのことだかさっぱりわからなかった。
言いがかりだと腹も立てた。

だけど、私がやめるとき、みんなに声をかけてお金を集め、写真立てと手紙を贈ってくれたのはアズだった。
そして今も、メールをくれる。
「結婚したん?おめでとう。さんのうさんが幸せやったら嬉しい」
そう言ってくれるのだ。
自分は高校中退して、工場で働いているのに。

ひのきで教えてきた10年で、後悔しているのはこのことだけ。
どうしてあの子の「淋しさ」をわかってあげられなかったんだろうかと。
あんなに淋しかったのに……。
家庭もあまりよくなくて、未熟で、子供で、何かに頼りたくて、ずっと私にSOSを出していたのに、私はそれをただの「わがまま」としか思わなかった。
そして、本気でキレた。(大人気ない!)

私のことが好きで、かまってほしかったのだ。
そのことを、私は理解できなかった。

だから、もう同じ失敗はしない。
今の中学生は複雑だ。
それはそれはもう、腹の立つようなことも言う。
だけど、私は絶対にアズにしたようなことはしない。
未熟な者は、自分の寂しさや苛立ちを、どう表していいのかわからないだけなのだ。
それを大人がわかってやらないで、どうする?

ちなみに、アズは今、倉庫で働いている。
朝9時~22時くらいまであるらしい。
私がのほほんと大学受験を目指していた年で、彼女はもう社会を経験している。
どうか幸せになってと、願わずにはいられない。
あなたの淋しさを理解してくれる人を見つけてね、と。

ひのきに行くまで、前にいた講師が全員辞めたら、もうむちゃくちゃになるんじゃないかと不安だったけど、意外にうまくいっていることに驚いた。
「うまくいっている」という基準が私は甘いのかもしれないけど。
でも、思っているより何とかなるもんなんだよなぁ。

というわけで、これからまた、ひのきのおバカさんたちの話も日記に増えるかもしれないですが、よろしく。

「筋肉マン貸して!」
とタガワくんがトクナガくんに言ったので、何を言ってるのかと思ったら、
「あ、間違えた。消しゴム貸して!」と言い直していた。
どうやら、筋肉マン消しゴムに凝っているらしく(今時?!)、「消しゴム」と言うところを間違えて「筋肉マン」と言ってしまったらしい。

こんなかわいいことがひのきではいっぱいある。

GW中、かなり悩んでいたのだが、かどやに言われた。
「自分が求められているんだから、それは受けたらいいと思う。そういう流れが来てるんだと思うよ」と。
それで楽になった。

そして、何にも言ってないのに、びりけんのマスターに言われた。
「後に戻ってるんじゃない。また新しい角度から、新しい見方ができるから大丈夫。それはやったらいい」と。

そうか。そうなんだ。
じゃあ、やったらいいな。思う存分。

自分が見てきた生徒だけじゃない。
この世の中にはたくさん「ひのき」を必要としているおバカさんがいる。
淋しい子供たちがいる。
そんな生徒のために、ひのきを存続させたい。
全部○がついて、喜んでいる生徒を見るのが幸せなんだ。
学校では劣等感でいっぱいの彼らが、勉強ができるなんて、たいしたことじゃないんだって、ただの能力の1つなんだって、わかってくれますように。

「流し」稼業も悪くはないか

2008-04-23 18:34:16 | 仕事
昨日は恐ろしく「やる気の出ない日」だった。
私にしては珍しく、3年に一度くらいしかないような、どうしようもない1日。

やる気がないなら、いっそのこと遊んで過ごせばいいのだろうに、
何もしないまま、ただ時間だけが過ぎていった。
最低限の家事をやり、メルマガ1本書いて終わり。

でも、まあこんな日もたまにはあっていいのかな。

今日は一転して、かなり気分的にも調子が良く、
ああ、やっぱり「昨日」は必要だったのだと思う。
今日が収穫のあった1日だったこともよかったのかもしれない。

朝は、営業していた某企業の人に会ってもらえることになったので、
作品集を持って会社訪問。
何をやっている会社かといえば、システム開発をメインにしている会社だ。
ただ、わりと幅広く事業を展開しているので、
企業のWEBサイトの診断だとか、サイト自体の制作なども「たまに」請け負っているとのこと。

「たまに」なので、気に入ってもらえてもすぐに案件はこない。
それは承知のうえでの訪問だ。

これまでの痛い経験(頼りにしていた取引先が吹っ飛ぶ)を生かし、とにかく今は「なるべくたくさんの会社と関係をもつ」ということをメインに営業している。
案件は年に1、2本でも構わないのだ。
そういう会社を数十社と、プラス定期的な仕事をもらえる会社を数社。
これが一番、安定するとわかったからだ。
幸い、私は「何でも屋」のライターなので、こういうスタンスのほうが向いているようだ。

さて、結果的に言えば、今日の訪問は大成功だった。

「たまに」の案件にしろ、「ゼロ」ではないから、向こうもライターを抱えておきたいとのこと。
最初はそれほど熱の入っていなかった担当者が、私の実績を聞くにつれ乗り出してきて、「ちょっと待っててください」と途中でデザイナーも連れて来て紹介してくれた。

そして、二人で口をそろえて言うのは、
「もう少し早く知り合っていたら……」

「?」と思い、話を聞けば、何でも前にどこかのコーポレートサイトの制作を請け負った際、ライターがいなくて困ったらしい。
そして、何かのツテで頼んだライターさんが全く使えず、やり直し、やり直しで、かなり苦労したとのこと。

「インタビューできますか?」
「キャッチコピー書けますか?」
とか、ものすごく基本的なことを私に尋ねてきたので、よほどその前のライターさんはひどかったんだろうな……。

インタビューできなくて、キャッチが書けなかったら、そりゃIT企業のサイト制作なんて無理やろね(笑)

というわけで、自称「企業ライター」の私の実績を聞き、担当者は目を輝かせ、
「今度、案件が入ったらぜひお願いします」
と言ってくれた。
もちろん願ってもないことで……。

気分良く、酒を2本買って家に帰った。

午後は、新規案件の打ち合わせ。
この間初めて顔合わせをした人なんだけど、本当に感じがいい。
バンドでギター弾いてると聞いて、
やっぱり音楽やってる人はいいなぁと、それだけで親近感!
今度、自作のCDを持ってきてくれるとのこと。
楽しみだな~

この仕事は、具体的にはメルマガの案件なのだけど、
これから事業を展開していく中でインタビューや店取材などの仕事ももらえそうな感じだ。

面白そうな仕事だし、この人のために役に立ちたいなという気持ちにもなったので、ついつい私の悪いクセで、「言い値」で仕事を受けてしまったが。
でも、まあそういうのもアリかと。
何でも金を基準にしたら、面白い仕事なんかできないし、いい人との巡り逢いもない。
(私、いつも自称「金の亡者」だと言っていたのでは……?)

結局、文章を書くか、酒を飲むかくらいしか得意なことのない私だ。
酒はたくさん飲んでも世の中の役には立たないが(笑)、
私の文章で役に立つのだったら、こんなにありがたいことはない。

誠実に、真面目に仕事をしていたって、切られるときは切られるし、
全身全霊、愛情を注いで10年やっていたって、
その会社に必要がなくなりゃ「肩たたき」にも遭う。
そんなしがないフリーライター稼業に無常観をもったこともあったけど、
ライターとしての自分を必要としてくれる場所がまだあるのなら、あちこち彷徨うのもまた一興。悪くはないかと。
幸い、まだ「ある」ようなので。

いわば、「流し」だな。

「1曲どうですか?」と居酒屋の戸を開けて、ポロンとギターかき鳴らして。
「おお、1曲頼むよ。あれ弾けるかい?」と頼まれればリクエストに応え、
「今日はいらないよ。またよろしく」と言われれば、
隣のスナックの戸を叩く……。

自由気ままに。
時には固定客やファンもつくって。

そんな「流し」の人生。

ただ10年後は難しいな。
そろそろ10年後を見据えて動き出さないと。

新たな文章作成の楽しみ

2008-04-18 01:25:55 | 仕事
夜中1時を過ぎたが、まだ彼は帰宅せず。
外は大粒の雨が降っている。

私も仕事が終わらないが、
今日はとりあえずここまでにしよう。

最近また睡眠時間が4時間半くらいになってきたが、
これくらいのほうが集中して眠れる分、「眠りの質」がいいようだ。
あまり眠いということがない。

今、某旅行サイトの新規立ち上げに関わって、
観光スポットやホテルの紹介記事を書いている。
海外なので、取材ではなく、
現地スタッフから送られてくるネタを元に文章を作成する。

この仕事では、人の文章をリライトしたり文字校正をしたりすることもあるのだが、「人の文章」って面白い。
ものすごく勉強になる。
自分が使ったことのない言い回しなどを書き出して、
それをちょっと文章に組み入れたりしてみた。

昔は小説家の弟子って、先生の文章をそのまま写すことから始めたっていうけど、本当に意味のあることかもしれない。

特に旅行サイトって、同じようなホテルやスポットの紹介ばかりで、
工夫してもどうしても大差ない文章になってしまう。

「オーシャンビューの部屋でリゾート気分を満喫してほしい」
とかね。

でも、オーシャンビューのホテルが10軒あったって、
当たり前だが、同じ文章にするわけにはいかない。
少ないネタの中から、表現を工夫する。
でも、自分の力ではここまで!ということがある。

そんなとき、他の人が書いた同じようなネタの文章を読むと、
全く予想もしなかった表現や語彙があったりして、
ちょっと「おおー!」と思う。

逆に、めちゃくちゃ素人っぽい文章を書くライターさんもいる。
なんでたった200字の中で同じ表現が2回も出てくるの?とか。
それもまた反面教師で勉強にはなるが。

取材して記事を書くときは、文章力以上にインタビュー力と構成力が必要なのだが、こういう資料からの仕事は単純に文章力の勝負になる。

そうなると、久しぶりに、自分の文章力のなさを感じた。
でも、面白い。

さあ、彼もご帰宅。
明日のお弁当の用意して寝ようかね……。


人の想いを書く仕事

2008-03-18 10:52:29 | 仕事
18日、朝10時。
とりあえず、仕事が一段落。
といっても、本当にちょっとした休息になりそうだ。

抱えていたものを全部吐き出す(書き出す)と、とても楽になる。
でも、また今日は午後から気合の入った取材があって、
再び「抱え」てしまう。

もう1週間以上、あまり睡眠をとっていなくて、
それも起きている間はほとんど仕事をしていたものだから、
昨日はあまりの眠たさに、パソコンに向かいながら途中で意識を失った。
酔っ払ってる時みたい。
いつ寝たのか記憶無し。

目が覚めてもぼんやりしているから、
ネットで「眠気覚ましのツボ」を検索して、必死に押してみた。
若干効果ありか・・・?

今はコピーと取材記事の仕事が半々くらいだけど、
私はやっぱりコピーには向かないと、仕事をするたびに思ってしまう。

「コピーライター」も「ライター」も同じようなものだと思っている人も多いようだが、実際は全く違う。
使う「脳」が違う、というのか。
優れたライターが、必ずしも優れたコピーライターというわけではない。
逆も然り。

私の場合、コピーは頭で書くけど、取材記事はハートで書く。
コピーは考えながら書くけど、取材記事は感性で筆が動く。
コピーは言葉を紡ぐ作業だけど、取材記事は想いを伝える作業だ。

例えば、ある商品のコピーを書くとき、
その商品開発をした人から取材して、想いを聞いて、
プロジェクトに関わって、そうした上でコピーを書くのなら、
取材記事に近い書き方ができるのかもしれない。
でも、残念ながら私にまわってくるコピーの仕事なんて、
資料と簡単な説明を聞いて、ラフを見て、文字を当てはめていくような、そんな仕事しかないから。

それはそれで、まあ、嫌いじゃないんだけど、
書き上げた後の、妙な「不安」が心地悪い。
「これでいいのかな?」という不安だ。
簡単に言えば、自信がないってことかな(笑)

例えば、優れた帽子職人がいたとして、
あるお客さんに「こんな人に帽子をあげたいから作ってください」と頼まれたとする。
どんな人かもわからず、ただ間接的に聞いたイメージ(それもそのお客さんのファインダーを通したもの)で作り上げた時、その帽子がどんなに素敵に仕上がっても、私はなんとなく不安な気がするんじゃないかと思うのだ。

それが、もし「私に合う帽子を作ってください」と言われて、本人の顔を見て、服装を見て、どんなものが好みなのか、どうしたらその人が引き立つのかを考えて作れたら、それはきっと自信をもっておすすめできる。

優れた帽子職人なら、なおさらそうだと思うのだ。
自分の創り出すものに誇りをもっているからこそ。

だから、私も、このコピーを欲しがっている人の顔が見えないような仕事であったとき、
逆にこの「不安」を忘れたくないとも思っている。
「とりあえずできた、終わり~♪」と思うような、気楽な仕事はしたくない。
ただ、顔が見えている(取材記事)の場合は別だ。
こちらは、仕上がった瞬間に「絶対に気に入ってもらえる」という
「自信」しかない状態でなければ間違いだとも思う。
そういう核心に迫った取材をしなければ。

今日はこれから、ちょっと大掛かりになりそうな仕事の取材だ。
3日間に分けて、6時間は話を聞いてほしいと言われているので、
抱えるものはかなり増えそう。

なんだかとても楽しみ。
また人の「想い」に触れられる。