山科疏水の散歩道の「ナラ枯れ」対策

2011-07-06 06:04:17 | 琵琶湖疏水

 私は平成15(2003)年ごろから、東山の景観に関する記事の蒐集を始めているが、ちょうどその頃林野庁の出先機関が、東山の常緑樹(シイ)の拡大を防ぎ落葉樹(カエデ,桜など)を増やさないと、美しい景観維持ができなくなると植樹計画を発表している。
 私は毎年4月末から5月初めにかけての「蹴上浄水場」の公開を楽しみにしている。その目的は季節の花「ツツジ」の見学にあるが、もう一つの目的は遠望できる東山連峰の景色である。ちょうど同時期に黄色に開花する「シイ」の木が東山一帯を黄色の斑点で示される。約6年間の観察で、黄色の斑点は確実に増加している。
 「シイ」の増加の主原因は、松枯れ・ナラ枯れなど常緑樹の減少であるが、ここでは、「ナラ枯れ」に焦点をあてて解説する。「ナラ枯れ」の原因は、体長5mmくらいの「カシノナガキクイムシ」(略称カシナガ)が夏に繁殖のため幹に穴を開けて侵入し、カビの一種である糸状の病原菌が持ち込まれ、菌が増殖すると木が水分を吸い上げるのを妨げられ、短期間に枯死する。京都新聞の特集号(2010-09-14)によると、「カシナガ」は枯死木の中に止まって大繁殖し、翌年の攻撃に備える。そのため、被害本数が少ない初期段階で枯死木を徹底的に伐採して薬剤処理をし、「カシナガ」を駆除してしまうことが重要と述べている。
 最近山科疏水の散歩道で、この駆除状況を観察した。
  
   2011-07-04-4354 切断した幹部の殺菌処理                     2011-07-04-4355 接断した地下系部分も殺菌処理

  その他の駆除方式としては、樹木の下部2mくらいをビニールで巻いて、侵入防止を図ったり、「カシナガ」の発生する誘引フエロモンや好む木の香りを注入し、殺菌剤処理した「オトリ木」を用いて大量捕獲を目指したり、木の幹にある侵入穴に爪楊枝を差し込んで封じ込めたり、発生場所の予測手法の開発など駆除努力が継続されている。助成金による支援の強化も必要と考えている。


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