明治元勲の扁額が連なる琵琶湖疏水

2009-11-11 23:17:23 | 琵琶湖疏水

  琵琶湖疏水本線に沿って明治元勲クラスの揮毫した扁額があることは、よく知られた事実であるが、技術者人生を歩んだ私が、明治維新の偉業に深く触れたいと思うきっかけとなったのが、この琵琶湖疏水の扁額である。
 琵琶湖疏水系には現在13ヶ所に扁額が存在しており、この中でも第一疏水の第1トンネル・第2トンネル・第3トンネルの出入口にある洞門に掲げられた6枚の扁額の揮毫者を調べると、明治維新の勝利者側の歴史が伝わってくる。この扁額の考察についてはホームページに取り上げているが、一番残念であったのは現場に説明板がないことで、すぐ近くの住民でも正確な知識がなく、「国の史跡」に指定された施設であることを知らない人が多かった。私はこの数年、現場に説明板をつけてほしいと所属する「近代京都の礎を観る会」の仲間と陳情を繰り返し、講演会でも提案しつづけてきた。

 この夢を叶えてくれたのが京都市上下水道局である。この11月、6枚の説明板が現場に設置され、11月8日には「扁額でたどる琵琶湖疏水」と題した散策会が開催され、300人を越える愛好者が参加した。
                                                      第2トンネル東口洞門の説明板の位置と図柄
  説明板には、大津運河から山科疏水を経由して蹴上舟溜り(琵琶湖疏水記念館の所在地)までの散策地図、扁額の詳細説明、疏水建設の主旨説明、同英文説明が記載されている。

 我々は、疏水系に説明板を追加し、琵琶湖疏水の散策道を、近代化産業遺産を辿る明治ロマンの道に育てるよう努力を重ねていきたい。また、紅葉の季節を迎え、皆さんにもぜひ疏水の扁額を辿ってほしい。


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