ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

〝塩梅〟ということ

2019年01月10日 | 俳句

 この頃は夜にブログを書こうと思ってもすぐに寝てしまいます。昨夜もそう。今はからだが休息を欲しがっているのかも、それともお正月などで気が緩んで、怠け癖がついたからかしら…。でも、どっちにしろそれが〝あるがまま〟なんですから仕方がありませんね。

 今朝は朝からくもりです。昨日も朝は日が照って、これは久し振りに〝冬うらら〟の日になるのかしらと喜んだのも束の間…体操に出かける午後からは時雨が来たりして、どんよりとした暗い1日になりました。夜の最低気温は0度。これからも一日中が快晴という日はなさそうです。

 ところで、先日の句会に出た面白い(?)句がありました。いや、分からない句と言った方がいいかも。

 それは〈しぐるるや数振り石の復興待つ〉という句。ウ~ン、悩みましたよ。〝数振り石〟???〈復興待つ〉とあるからきっと災害のあったところでしょう。そこで真っ先に浮かんだのはやはり〝東日本大震災〟…でももう8年も前のことだし…じゃあ昨年6月の〝大阪北部地震〟?もしかしたらこの前の西日本の豪雨災害かも…これなら時期も場所も近いし、あり得るなあ~と。もし関西なら〝亀石〟とか〝酒船石〟とかもあるけど、〝数振り石〟は…。などと散々考えて、主人にも聞きましたがもちろんそんな石は知らないと。その時この3日にあった熊本の地震をブログに書こうと思って熊本城の現在の様子をネットで見たことをふっと思い出しました。そう言えば年末の新聞にも〝復興を待つ城の石〟とかあったけ。確かその城壁の石にはみな番号が打たれていて、それを頼りにあらたに組んでいくのだと書いてありましたね~。ああ、やっと謎が解けました。いや~、マイリマシタ!これが熊本の人ならすぐに分かったんでしょうがね。そこで、〈復興を待つ城石や夕時雨〉と直しました。すると作者曰く〝数の印してある石が言いたかったんです~〟と。それはまた別の句として詠み、ここではこれぐらいで我慢して…。いい句材だからこれを元にいくらでも詠めるでしょうから。俳句は〝欲張らない〟ことですね。

 やはり俳句というものは読者に分かってなんぼのものだと、私は思うんです。鑑賞しようにも意味が分らなければどうしようもないので、作者だけの独り善がりで終わってしまいます。それなら分かるように丁寧に詠むと、それは当り前とか分かりすぎて面白くないとか言われますよね。〝じゃあどうすりゃいいの?〟と叫びたくもなりますが、そこが俳句の難しいところでもあり、また面白いところでもあるのです。言い足りないのも言い過ぎるのもよくない。要するに〝塩梅〟が大事ということですね。その塩梅が分かるようになるためにはやはり熟練が必要でしょう。

 写真は、ブルーベリーの冬紅葉の傍に咲いている〝水仙〟、晩冬の季語です。

  水仙の葉先までわが意志通す    朝倉和江

 作者朝倉和江さんは、馬醉木同人で大先輩です。長崎の今はもう廃刊になりましたが、馬醉木の僚誌「曙」(あけぼの)の代表でした。長崎で活け花の指導をされて、俳人としても活躍されていました。中学の頃発病し、生涯入退院を繰り返し平成13年カリエスで亡くなられています。その生き様を、また強い心ばえをよく表した句として知られています。また次のような句も…〈水仙の葉組み略せぬ今日の客


 

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梅一輪

2019年01月08日 | 俳句

 このところ零下にはならないけれど、最低気温は1度か2度、最高気温も10度を上回ることがなく、〝冬日和〟と詠めるような気持ちのよい日がありません。

  天照るや梅に椿に冬日和     鬼貫

 今日は午後から句会。出掛ける時にふと見ると、あら、〝梅〟が一輪ほど…確かに椿も咲いていました。でもこの句のようなあっけらかんとした明るさ、暖かさはまだ感じません。

 この写真の梅、これはもちろん私の腕が悪いからなんですが、〈梅一輪一輪ほどの暖かさ  嵐雪〉という感じではないでしょう?何だか健気に必死に耐えて咲いているような…可哀想な感じがしませんか?

 でも去年のブログからみると、咲くのは早いんですよ。昨年は蕾が今にも開きそうなのに何日も待たされてやっとという記憶が残っています。今年はいつの間にか…アッという間にという感じですから、きっと去年よりは暖かいのでしょう。

 人は待たされるほど期待が高くなって、喜びも大きくなるのでしょうが…。今年の梅にそれほど心が動かないというのは、もしかしたら私のせい?歳とともにこころが錆びて響かなくなってきているのかも…オオ、コワッ!

 今日の兼題は〝風花〟、冬の青空に舞う雪のことです。昨年末に降りましたので、その時書いたと思いますが、あの時は青空ではなく、雪雲の切れ目から日が差してきて、それに雪が舞っていたような気がします。

 句会でもその話をすると、皆よく覚えていました。なぜ?と聞くと、〝だって兼題ですから~〟ですって。これが兼題の効用ですね。こうやってしっかりものを見る眼が出来ていくんですよ。

 ああそれにびっくりしたこともありました。俳句を始めてまだ2年目のKさん…〝風花というものもことばもぼくの人生では始めてでした。〟と。〝エエッ、Kさん幾つ?〟と聞いて、それでは〈七十路にして風花を知りにけり〉ですかと言うと、〝そう、その通りです。本当にこんな美しいことばがあったんですね~〟と。

 こういう話、とっても嬉しいですね。〝俳句をやっていてよかった!〟と実感する時です。句会ではいろいろと面白い句も出ましたが、それはまた…ね。

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ダブルの初句会

2019年01月07日 | 俳句

 土曜日の初句会のことを昨日書こうと思いながら、気分が乗らず、今日になってしまいました。よく言うでしょう、〝休み癖〟がつくと。そうならないようにと…でも無理をしていやいや書くのも好きではありませんし…。

 新年の抱負をお互いに述べ合ったのですが、私は〝あるがまま〟と。これは今年に限ったことではないのですが、常に句を詠むときの姿勢は、〝飾らず、素直に、自分らしく、〟ということも含めてです。

 平成最後の初句会は、私はもちろん年末の句会でみんなに約束したように着物で行きましたよ。他に誰か着てくる人いるかしらと心配したのですが、午後の部では私を含めて4人、夜の部は3人が和服でした。洋服でもみなさんお洒落してきて…どちらも新年らしいとてもいい雰囲気でした。

 午後の部では、〝花びら餅〟にお抹茶を頂き、気分の出たところで席題〝初句会・初茶の湯・春着〟の中から一句を読むという趣向。全く予告していなかったし、制限時間もわずか10分でしたが、みなさん立派にこなされました。さすがです。

  あけぼのの色とも見えて花びら餅     能村登四郞

 夜の部は場所をホテルの料亭に移して、まず句会、その後会食をという趣向。前の時もここでしたので、今回はお料理を〝ふるさと膳〟に変えました。山口県の名物〝瓦そば〟と〝河豚丼〟がメインの献立です。お味の方は…う~ん、もちろん不味くはないですが…みんな前の献立の方が安くて良かったよね~と。

 兼題は、午後の部〝除夜〟、夜の部〝初神籤〟、どちらも新年の季語です。

  除夜の妻白鳥のごと湯浴みをり       森澄雄

  ひそかに引きひそかに開く初神籤      山口青邨

 最初心配していたのですが、昼から夜までズウッと着物で過ごすのもやれば出来るものですね。それほど疲れていないと思ったのですが、それでもやはり家に戻り着物を脱いだときは、ああ~身軽になった!というのが実感。昔の女性たちはやっぱりスゴイです。こんなのが毎日だったんでしょうから。

 今日は午後から着付教室の終了試験でした。やっぱり〝試験〟というのはいくつになっても緊張します。筆記と実技があったのですが、どちらもミスばかりしてしまいました。でも、おまけで合格…イヤ、全員合格するんですけどね(笑)…そして、次の上級に進むんです。

 明日はまた句会ですので、今からその準備を…。

  

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また熊本に地震!

2019年01月03日 | 俳句

 先ほどパソコンを開いてブログを見ようとしたら、TVから緊急放送の〝ファ~ンファ~ン〟(?)の音が流れてビックリ!手が止まってしまいました。〝どこ?〟と主人と画面を眺めると最初は「福岡に強い地震が…」と、同時にユラユラと、またユラッとここでも揺れました。するとニュース速報で熊本地方に6弱の地震がと画面に出ました。

 震源地はどうも福岡と熊本の県境近くのようでした。まだやっと三が日…なのに今年も早々と強い地震に見舞われるなんて。あの2016年4月14、16日に2度の大きな地震で市の中心にそびえる熊本城も大きな被害をうけました。あれから2年半以上が経過し、現在見せる復興で修復中のようなんですが、復興の進む天守閣、震災後立ち入り規制が解除され、崩落の様子をより身近に感じる「西大手櫓門・元太鼓櫓」。手つかずの石垣や壊れた櫓など。まだまだだというのにまたまたの地震、大丈夫でしょうか。

 その後被害状況など大きくニュースで取上げませんので、今回のは局地的なものなのかも知れません。だったらいいのですが…。でもまだ詳しい状況が分からないだけかも。心配です。

 ところで、私がお正月気分でのんびりできるのも今日までなんです。だって5日には午後の部と夜の部の句会が二つも待ちかねているので、明日からその準備に入らないといけませんもの。しばらく俳句の頭から遠ざかっていましたので、うまくまわるかしら?人間ってもろいもんですね。使わないとすぐに錆び付いて動かなくなってしまいますから。歳を取ると余計にね。だから徐々にならしていかないと!後が次々控えていますので。でも必要に迫られないと、自分の句は一句も浮かびません。困ったものです。さあ弱音を吐かずにガンバロウ!〝チコちゃんに叱られる〟からね~。

 今日も静かないいお天気でした。だからまだこんなに紅葉が…。写真は、我家のブルーベリーの紅葉。さすがに楓の紅葉は散ってしまいましたがね。 

 

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〝買初の小魚すこし…〟

2019年01月02日 | 俳句

 今日は朝からいいお天気になりました。こんなことなら雨の降りそうな昨日わざわざ初詣に行かず、今日行けばよかったねといいながら…、のんびりと年賀状の整理などをしていました。元旦に新聞と一緒に山と入っていた広告などを見ていると、今日から初売のところが多く、それじゃあ〝買初〟にでも行きましょうかということになり、主人と午後から出かけました。〝買初〟は〝初買〟ともいい、新年最初にする買物です。大体〝初売〟と関連して、二日とされていますが、最近は元旦も休まず営業しているところもあるようですね。

  買初の小魚すこし猫のため    松本たかし

 いいですね~、こういう句は大好きです。巧い下手ではなく、気持ちがヤサシイ!人間様はおせちを食べて、お正月を祝っているのに…猫は?せめて小魚ぐらいは食べさせようというこの気持ち、猫好きの者にはたまりません。

 ところで、松本たかしについては以前に書いたことがありますが、明治39年生まれで昭和31年に50歳で亡くなりました。代々江戸幕府所属であった宝生流能役者の家に長男として生まれたものの、病弱のため能を早くに諦めて俳人に。父は能楽師の松本長で、弟の松本惠雄も能楽師となりのちに人間国宝となります。作家の泉鏡花は親戚(長が鏡花の従兄弟)という、なんとも立派な家柄なんです。

 上掲の句がいつ頃詠まれたのかは分かりませんが、たかしの生きた時代を考えれば、猫の餌と言えば何だったのでしょうか。私が高校生の時猫を飼っていましたが、普通は〝猫まんま〟と言って、麦ご飯に味噌汁をかけたもの、せいぜいイリコが入っていれば〝おんのじ〟の餌でしたよ。今のようなペットブームはありませんでしたから、キャットフードなどはもちろんなく、缶詰も当時は貴重なものだったでしょうし…。だから、考えてみればこの句の〝小魚〟なんて猫にとっては大変なご馳走でしょうね。

 さて私の買初はというと、猫でなく自分のための着付に必要な「ウォールミラー」と家計簿。主人はジーパン。娘の猫のトワと我家のテンちゃんはお留守番です。この子らにはきっと息子が何か買ってくるでしょう。私たち以上に猫好きですから。でも、この二匹ともとても贅沢で、〝刺身〟などには見向きもしないんですよ。ただひたすらカリカリが大好き。自分から要求するものといえば、水とマタタビの粉だけですもの。〝猫まんま〟なんてトンデモありません。時代とともに何もかもが贅沢になりましたよね。猫も人間も…いや、み~んな!

 写真は、待ちくたびれた二匹と〝マタタビ〟をあげるとうるさいぐらいのテンとトワ。でも喧嘩せず仲良く食べます。急いで撮ったのでまたボケてますけど…ゴメンナサイ!

   

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〝御降り〟の初詣

2019年01月01日 | 俳句

      明けましておめでとうございます。皆様今年もよろしくお願いします。

 無事何事もなく年が明けました。静かな新年です。これもなかなかいいものですね~。なんにもない、息子と私たち夫婦3人だけのお正月は、考えてみれば始めてなのかも知れません。結婚してからは大分か広島のどちらかで迎えるのが普通でした。ただ一度だけ娘を妊ったとき予定日が1月24日でしたので、始めて宇部で二人だけのお正月を迎えたことがありました。その後はまた大分か広島。義母がこちらへ引っ越してからは我家で高松から帰ってきた娘夫婦や義母たちと一緒に迎えていましたから。今年は娘夫婦は高松へ、義母と義弟は動くのが大変なので自宅で…ということで、それぞれでの新年を迎えました。

 おせちを戴き、主人はお屠蘇ですぐに酔って寝てしまいましたし、息子も2階へ上がって降りて来ません。私はのんびりと、パソコンを開き、ブロブやメールを見たり…。そのメールの中にサントリーからの新年の挨拶で〝開運みくじ〟がありましたので、やってみました。5匹のうりぼうのレースです。1~5の2番のうりぼうを引くとナント一等で大吉!〝今年一年何事もうまくいくでしょう〟と。すると今まで暗くてどんよりと曇っていた空からパーッと日が差してきました。ああ、本当に今年はいい年になりそう!その後、朝風呂ならぬ昼風呂で、のんびりと〝初湯〟です。気持ちよかった~。それからやおら義母の所へ新年のご挨拶へ行き、その後みんな揃って初詣に行きました。これはまあ、まずまずの新年のスタートと言っていいでしょうね。

 恒例の琴崎八幡宮での〝富くじ〟は…おばあちゃんは相変わらずの末等、私は11等で〝毘沙門天〟の置物でした。お神籤も〝小吉〟でしたからまあまあでしょう。着いた頃からボチボチと雨が降り出し…〝御降り〟(おさがり)という新年の季語です。今まで滅多に降られたことがなかったので、実感がなかったのですが、これは〝元日、あるいは三が日に降る雨や雪〟のことです。雨は涙を連想させ、「ふる」は「古」にもつながることから正月の忌み言葉とされ、「御降り」と言い換えたものです。

 写真は、琴崎八幡宮の初詣。もう16時過ぎでしたので少ないだろうと思って行ったら、結構な人出でした。出かけた時はまだ降っていなかったのに、そのうちパラパラと降り出し、並んで待っている間にだんだんひどくなって傘の人が増えました。

  御降りといへる言葉も美しく        高野素十

  お降りのすぐ止むことのめでたさよ    稲畑汀子

 傘を持って行ってませんでしたので、まさにこんな感じの雨でした。では、今年も元気で頑張りましょう…お神籤の病気のところには〝なおる よき医師をたのめ〟とありましたし、お医者様にはなぜか恵まれていますので大丈夫でしょう。またよろしくお願いしま~す。

 

 

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