ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝春の雪〟

2021年02月11日 | 俳句

 夕べの最低気温は零下5度とありましたが、本当だったんでしょうか。今日は祭日ですのでラジオ体操は休み。なので外の様子がよく分りませんでしたが、今はとてもいいお天気!昼間は16度まで上がるらしい…。でも今夜も最低気温は0度ですよ。最近のこの温度差は体には堪えますね。

 昨日の朝のことです。久し振りの冷たさで、草や地面は霜で真っ白。ラジオ体操に行くと、いつもの顔ぶれが揃っていましたが、その中の一人がスマホを持って来て、〝これ、これ!〟といって、見せてくれた画面。歌手が唄っています…〝この唄の歌詞を聞いてみてよ。ほら、あれよ!もう、大笑いしちゃった…〟と。〝エエッ、誰の歌?〟〝森山良子よ。全く今の私たちそのものよ!〟と言われて聞いてみると、ナルホドと主人と大笑いしました。

 体操が終わって家に帰り、早速YouTubeで検索。最初から最後まで全部聞くと…もう言う言葉がありません。よくもまあ、ここまで考えて曲にしたもんだわと、脱帽!まさにこの歌の通りなんですが、でも、こうもズバリとそのままを歌にされると…ちょっと…笑ってばかりはいられない感じでもあります。

 ご存じない方は是非聞いてみて下さい。このブログを読んで下さっている方々には大凡当てはまるのでは?(笑) 森山良子さんの「Ale Ale Ale(あれ あれ あれ)」ですよ。

 他の方のブログだったらURLをここに載せればすぐに開いて見られるのでしょうが、そのやり方が私には分からないんです。だから興味のある方はYouTubeで検索してお聞き下さいね。スミマセン。

 ところで、先日の句会の兼題は〝春の雪〟でした。もちろん春の季語ですが、冬の雪とは違って溶けやすく、降る傍から消えて積ることがないので〝淡雪(あわゆき)〟ともいいます。また、〝牡丹雪(ぼたんゆき)〟といったりしますので、雪とはいえ、晴れやかな感じのする雪なんです。

 北国のまだ春が遠い地方での雪は、きっとイメージが違うのではと思うのですが…。これは住んでみないことにはなんとも言えません。やはり立春過ぎてからの雪は真冬の雪とは感じが違うんでしょうか?もしよろしければ、北国(東北や北海道の方)の方教えて下さい。ただ、最近はどこもかしこも異常気象ですから一概には言えないかも知れませんけどね。

 こちらでもまだ零下になる時があるので、雪になる可能性はありますが予報は出ていません。確か昨年は暖冬で、立春を過ぎてから〝春の雪〟が降ったような気がしますが…どうだったでしょうか。

  春雪三日祭の如く過ぎにけり        石田波郷

 この句は、昭和42年の「鶴」4月号に発表され、第19回芸術選奨文部大臣賞受賞の句集『酒中花』に所収されています。昭和44年に亡くなった石田波郷は、この頃は清瀬の療養所への入退院を繰り返していて、この句も彼が入院している時に詠まれた句として知られています。その入院時に弟子の山田みづえさんは師を見舞い、短日のうちに消えてしまった春雪を波郷との話題にしたと仰っています。また、かつて波郷は「(入院中の患者にとっては)雪は天からの慰問使のやうに舞ひ降るのである」とも書き残しているようですよ。

 春の雪が三日間も降ったというのは、波郷にとってはまさに〈祭の如く〉に感じられたのでしょう。子供の頃を思い出して少年のように心をワクワクさせて、ただひたすら春の雪を眺めていたのでは…。この時期波郷はもう歩くどころか起き上がることさえ出来ないほど衰弱していたんだとか。だから、目が覚めている間のベットでの楽しみは病室の窓から見える風景だけ…毎日見飽きた風景が、この日は雪で刻々と変化していく…もちろんそれも愉しいことでしょう。が、それよりも波郷は天からひっきりなしに尋ねて来てくれる慰問使と昔のことなどいろいろと話して過ごしたのかも知れませんね。そんな滅多にない日が三日も続いたんですから…降らなくなったときの淋しさ心の虚ろさ、そのガッカリした気持ち。それが、〈過ぎにけり〉の詠嘆になったのだと思います。

 波郷も生まれは四国の人ですもの。雪に対しては私たちと同じような感覚を持っていたんでしょう。雪国の方々には本当に申し訳ないのですが、余程のドカ雪が降らない限りは、〝雪やこんこ 霰(あられ)やこんこ 降っては降っては…〟と唄いたくなるような、そんなウレシイものなんですよ、雪は。ゴメンナサイ!

 さて、教室では、高点句の〈春の雪船上繋ぐ紙テープ〉の句のやり取りが面白かったですね。採った人の鑑賞…〝見送りに来ている人と旅立つ人とが紙テープで繋がれて…いよいよ出航するという場面がよく見えます〟と。〝どんな船だと思うの?〟〝そりゃあ、外国航路の豪華客船…ほら、あのプリンセス・ダイアモンド号のような…〟〝そうよね。紙テープの色に春の雪がまるで花びらみたいに…美しい句です。もしかしたら、よく海外旅行へ行っていたMさんの句では?〟と言うと、他の所から手が上がり、〝違います。私の句です〟と。(笑)〝実は島の先生が離任するので生徒たちが見送りに来ているところなんです〟と。ヘエッと、みんなビックリ!

 まさかそんな場面だったとは…。〝じゃあこれでは無理よ。殆どの人が豪華客船を想像するもの。〟〝島の小さな連絡船なんか誰も…、これはあなたの体験?〟と聞くと、創作なんですって。

 じゃあどう直しましょうか。ここはやっぱり「島」が必要ですね。そうすると船は大体想像が付きます。次は先生と生徒を紙テープで繋がなくっちゃ…。そこで思案の末、〈春雪や船の師送る紙テープ〉か〈船に師を送るテープや春の雪〉かもと。すると誰かが〝先生、テープを投げるのはどっちですかね?〟と。〝そりゃあ、船の上からでしょう。下からじゃ届かないかも…〟などと、一頻りみんなで船旅の話などをして…。最後は、ああ一日も早く旅へ出掛けられるようになりたあ~い! というところで落ちつきました。ハイ、これでオシマイ!

 写真は、我が家の梅。やっと咲きました。本当に〈梅一輪一輪ほどの…〉でしたね。


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10 コメント

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文章の運びが良いので・・・つい聞いてしまった…。 (縄文人)
2021-02-12 09:49:13

そこで出た句が・・
  ▽ よっこらしょ!掛け声はよし次忘れ
   
    〇 あれこれとソレ何だっけ知らん顔
     
      △ 春の雪”あれこれ”残し消え失せた

失礼しました。
返信する
Unknown (ちわき)
2021-02-12 11:23:54
縄文人さん、お早うございます。
森山良子さんの〝あれ あれ あれ〟の歌ご存じでしたか?
調子が良いのですぐに覚えてしまうでしょ!
私は…〝春が来た ガタが来た どこに来た 足に来た 腰に来た 目にも来た〟のところが最高!
もう笑わずにはおられませんでした。
さすがは縄文人さん…川柳2句と俳句1句を即吟なさるなんて!
また、頑張って下さいね。
返信する
春 の雪 (風の盆)
2021-02-12 12:47:16
書きたくなった・・・
>先日の句会の兼題は〝春の雪〟でした。もちろん春の季語ですが、

春雪でなく、春の雪なんだな

春雪三日祭の如く過ぎにけり    石田波郷

もちろん言葉とは変わるから春雪もあろうが
三島由紀夫も「春の雪」だな

なぜこんなことを書くかと言うと、馬鹿のようなことを書くかと言うと

なごり雪が普通名詞として通用しちゃったからだな
昔は名残の雪だった
伊勢正三
舞鶴高校出身、南こうせつ
あの辺は才能の宝庫だな
なごり雪は名曲であり良い歌詞、ただ歌いだしが難しい
「なごりの雪」を「なごり雪」にかえちゃったな

https://www.uta-net.com/movie/119030/

森山良子 確か、かまやつひろしの親戚かな
あの化粧品の宣伝
最初は松山東高出身の伊丹十三の女将さん
宮本信子が化粧品の宣伝はいいんだな
森山良子のは品がないな

伊丹十三が宮本信子と一緒になった時にあの芋姉ちゃんとと思ったが、女を見る目はあったな
まあ、旦那が亡くなって飛び立つ女もいるが
こんな事をかくと、女人蔑視かとも思われるかも知れないがのう・・・

HPのアドレスを右クリックでコピーして、貼り付ければくっつく

森山良子は、もう泣かないで坊やがあったな
あの頃は良いが

小生、携帯電話は比較的早くに持った。ポケットベルは風俗の業界で導入されたな。ポケットベルは一方通行、携帯電話も進歩した
携帯電話は連絡が付くんだな。反対に連絡も受けるな
ラインなどはビデオ通話が出来るんだな
電話帳とラインとは別になってるようだ
電話機を変えてもラインは残るようだ。携帯電話帳に登録すると、ラインも入ってくるな
ラインも人それぞれ好みがある。ラインのソフトを入れない者もいるな

四季とはフォシーズン
欧州でも宮廷音楽の時代は春夏秋冬があった

商人は秋が無いと
今回でオリンピックとは商売商売と商売が前面に出てきたな


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Unknown (ちわき)
2021-02-13 04:23:38
風の盆さん、コメント感謝、感謝です。
でも、〈HPのアドレスを右クリックでコピーして、貼り付ければくっつく〉…ウウ~ン…
それは分かりますし、何度もそうしたんですよ。貼り付けるのは簡単ですから…ところがそれを開くことが出来ない!あの指マークが出ないからだと思うのですが…そこが分からない!
著作権の問題かしらと思ったりしたんですが、自分の過去記事を貼り付けようとしても同じだったんですよ。だから、そこが???

歳時記では、〝春の雪〟は春雪(しゅんせつ)とは言いますが、〝名残の雪〟は名残雪とは言わないんですよ。〝雪の名残〟や〝雪の別れ〟とは言いますが。
広辞苑にも〝名残の雪〟はあっても〝名残雪〟はないですね。
〝忘れ雪〟は歳時記にも広辞苑にもありますので、それと同じように使ってしまった?…俳人のせいかもしれませんね。下五の字余りは余り好まれませんので、誰かが〝名残雪〟と使ってしまってから後に、かぐや姫の歌が流行して…今では当たり前のように使われ出したのかも知れません。
それにしても…よく読まないうちにある漢字が目に飛び込んできてビックリしました!
 〈舞鶴高校出身…、
エエッ、なんで舞鶴高校が…。
すると、〈…南こうせつ  あの辺は才能の宝庫だな…〉と、納得です!
以前に風の盆さんにお話したことがありましたよね。彼と同じ高校で担任も同じだったと…もちろん後輩ですが。(^0^)
携帯電話のことは失礼しました。でもスマホはまだなんですね。
ラインもいろいろ便利だし電話代もタダだし、でもメールに勝手にいろんなものが入ってきて、往生しています。そのたんびに削除しないとあふれかえりますので…迷惑メールの設定はしている野ですが、ラインはよく分らないんです。それでその対策方法をショップに聞きに行かないとと思っていますが、忙しくてついそのままに…
でも以前にも聞いてだめだったんですけれどね。
便利になればなるほど、落とし穴も多い!使い方が分からないので操作ミスでヘンになったり、故障することも多くなります。そんなときはお手上げ!
それでも使うんですよね。便利だから…
昔の電気製品は単純でしたが、長持ちしました。きっとそれでは商売にならないからとヤタラメッタラ複雑にして…それが時流というもんでしょうか。
話がどんどん逸れて…(m_m)風の盆さんも似てるかしら…(^0^)


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 (ミルク)
2021-02-13 16:25:56
こんにちは。
ハイ!雪国のミルクです(笑)
立春後の雪ですが、2月といえども降る雪は淡雪じゃないです⛄
2月は1番雪が降ると、言われてます。
8日も吹雪で、朝のうちは良かったですが。帰りはホワイトアウトでした。
怖くてやっと運転してきましたよ。

昨年は、暖冬でしたが、やはり2月にまとまった雪がありました。
2月を越したら、あ~春に近づいたなぁと感じます。

昨日と、今日は春の気候です♪今日は10度ですって@@
月曜日からまた、寒気が来るようです。

立春過ぎたら季語は、淡雪とか、名残の雪なんですね@@

「あれあれあれ」はかなり前の歌です。私も聞いてゲラゲラでした。

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思い出してしまった (KUMI)
2021-02-13 17:00:05
ちょっと遅れたコメントですが・・
詳しく句を説明してくださり、ありがとうございました。
というのは、昭和42年の2月11日前後、東京では大変な大雪が三日間も降り続いたのですよ。
なぜ覚えているかといいますと、40年に結婚して、まだ狭いアパートに住んでいた頃なのです。
買ったばかりの中古の軽自動車、うっかりアパートの前に置いたままで雪に埋もれてしまい、三日間動かせず、警察に大層怒られました(笑)
杉並区ですら50㎝くらいは積もった感覚でしたので、清瀬では如何ばかりか・・と。春雪を楽しむ、などという気持にはなれない大雪でした。
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Unknown (ちわき)
2021-02-14 04:17:18
雪国のミルクさん!
この表現いいですね、なんだか真っ白でキレイ!
やっぱり2月の雪は重たいんですね。そうすると1ヶ月以上はこちらとずれるということかしら。
北海道の方々の写真を見てもまだ1メートルほどの雪の壁が出来ていますもの。場所にもよるのでしょうが、まだまだ雪掻きをしないといけないみたいですね。
とすると歳時記の基準はどこに?と考えてしまいます。
北国の方もそうですが、反対に奄美の方のブログを見るともう桜が満開で…雪など見たことがないのではと…
そうすると今のままの歳時記では使いにくいとも思われますね。
まあ実情に合ったように詠めばそれはそれでいいとは思いますが…
〝あれ あれ あれ〟はもう古いんですか?知らなかった!じゃあ私、時代遅れですね…そういう歌もありましたね。(^0^)
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Unknown (ちわき)
2021-02-14 04:57:49
KUMIさん、コメントありがとうございます。
〈昭和42年の2月11日前後、東京では大変な大雪が三日間も降り続いたのですよ〉…
よく覚えておられましたね。ということはそれ程ひどい雪だったということでもあったんですね。
そういえば、「風鶴山房」さんにもそのような記事が…この時の三日間、東京の大雪で交通がマヒして大混乱が起ったと…
しかし、波郷は雪について「すぐにも熄んでしまひさうなたよりない勢の雪は却つてはかなく物足りない」と書いていたそうで…。
また、「3日続きの白い天使の乱舞は、思いがけずに始まった天然のレビューであり、寝たままの観客を充分に楽しませたことだろう」とも。
いっと話題の少ない療養所ではその混乱ぶりを聞きながらあれこれ想像して愉快だったのかな…
ああ、子規のあの〈いくたびも雪の深さを尋ねけり〉と同じ心境なのでは…
そういえば、子規も同じ愛媛の人でしたね。
それにしてもKUMIさん、40年に結婚されたのなら、ご主人とはすでに金婚式を迎えられていたんですね…
そういう伴侶を亡くされるということはどんなに辛いことでしょう。でも、KUMIさんは強い!
私にも見習えるかしら?あら、主人より私の方が先に逝きそう…(^0^)
KUMIさんは頑張って下さいね。応援しています。

返信する
おはようございます (すず)
2021-02-14 06:08:06
私も森山良子さんの、あの!曲を聴いた時、
驚いて…
両親の会話も、この詞と同じ…
その内、自分も…と思いながら聴きました♪
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Unknown (ちわき)
2021-02-15 05:21:20
すずさん、お早うございます…なんて、…
夕べ一杯飲んだらすぐ寝てしまって、夜中に起きてあれこれと…
ブログ開いたらすずさんへのコメント書いてなかったことに気づきました。ゴメンナサイ!
毎日忙しそうですね。私も同じで、ブログが後回しになっていけませんが…
仕方がないですね。
すずさんはまだ若い…でもみんな予備軍ですから、時間の問題ですね。
ガンバルしかないっちゃ!…ねッ。
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