ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

俳句で使う言葉は要注意!

2021年09月12日 | 俳句

 今日の天気は一日中曇、最高気温28度、最低気温23度、降水確率10%…と、まあまあです。これで快晴なら言うことなしですが…でも、湿度は高そう…

 昨日はあの、2977人もの尊い命が失われた、9.11、アメリカ同時多発テロから20年目。東日本大震災も3.11で10年目でした…何というのか、この11という数字がしっかり脳に刻まれてしまって忘れられない…。ちなみに、娘が結婚したのも11月11日…アハッ、全く関係ありませんでした。(笑)

 しかし、この日を迎える前の8月15日には、アフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが首都カブールを制圧し、大統領府を掌握したという衝撃のニュースが流れ…。アメリカが3.11の米同時テロをきっかけに一旦はタリバンを打倒したというのにもかかわらず、それまで駐留してきたアメリカ軍が完全に撤退するという時まで、タリバンは密かに力を蓄えて、その時期を狙っていたんでしょうね。これでまたテロとの戦いが振り出しに戻ったともいわれているようですし。

 また、「新型コロナウイルス感染症がもたらしている不況は、先進国では第二次世界大戦以来最悪の規模で景気が後退し、新興国・途上国では生産量が少なくとも過去60年間で初めて前年を下回る可能性が高い。」などとも報じられています。

 今や世界中が、いや地球そのものかもしれませんが、何か得体の知れない大きなものの流れに呑み込まれているような気がします。その流れが今後どこへ向いていくのか…私のようなものには測りしるべくもありませんが、でも今までは覚えたことがないような大きな不安を、私は感じるんです。

 そんなことより今は日本の政治の行方の方がコワい!などと…でもこれもいくら私が考えたって、埒の明くことではないんですから…もうそんな話は止めにしましょう。 

 とにかく私は〝私らしく〟、俳句で何かタメになる話でもしましょうか。

 そういえば先日の句会で、〈いそいそと二階より稲妻を見る〉という句が出ていました。これを見て一瞬…ううん?と思ったのですが、兼題が「稲光」でしたので分かりました。もしそうでなかったら、ちょっと考えものですね。

 もしこれが〈二階より稲妻と見る〉だったらどうですか?即ち〝稲を妻と見る〟という意味に受けとってもあながち間違いとは云えないでしょう。ちなみに〈いそいそと〉という語は意味的にはおかしいと思いますが、それは抜きにしても、ここはやはり〈稲妻を見るいそいそと二階より〉とするべき。

 このように575のリズムをあえて崩し、句跨がりにする必要があるのでしょうか。それも季語を。もしそれが定型のリズムに飽き足らなくなって敢てそうしたというのなら、それは間違っていると私は思います。ましてや読む人に誤解を招くような表現なら止めた方がいいでしょう。

  セルを着て肩にもすそに樹影かな

 この句は、水原秋櫻子の自伝ともいえる『高浜虚子』(講談社)の中で、秋櫻子が虚子の近詠として褒めた作品なんですが、検索しても出てきませんから、恐らく句集等には収録されていない句なのでしょう。

 これは〝セル(薄手の毛織物で、夏の季語)を着ていると肩だけでなく裾の方にまで樹の影が映って、それがいかにも涼しげなことだよ〟というような意味でしょうか。セルというのは、サラリとして感触が軽やかな、着心地もよい、男女ともに当時の普段着として着用された単衣。ということは、虚子が外出から戻ってセルに着替え、くつろいだ気分で庭にでも出ての景を詠んだものではないかと。さすれば、そのセルはきっと白地か薄い色だったでしょうか。

 実を言うと恥ずかしながら、私はこの句を読んだ瞬間、〈肩にも裾に〉と受けとって…コレ、おかしくない!と思ってしまったんです。天下の虚子様がこんな表現をするなんて!とも。しかし、もう一度読み直して…ああ、そうなのか…、〈肩に裳裾に〉の意味なんだと。では間違われやすいのになぜ漢字を使わなかったの?それは「裳裾」という字がきっと女性を想像させるようでイヤだったのではないかと。これは私の単なる推測ですけどね。

 何年俳句やってても、こんな早とちりはしょっちゅうなんですよ。まして俳句を始めたばかりの人でしたら、もっと勘違いして意味が分からない???なんていうことも。こういうことって、結構多いと思うんですよね。だからこそ俳句では一字一句も疎かにはできないということ。また、漢字で書くか仮名にするかという表記などの問題も重要になってきます。

 自分ではこれできっと分かってもらえるはずと思って句会に出しても、とんでもない解釈をされることって屡々ありますものね。これからは一音一文字の重みをしっかり考えること。そして、吟味して言葉を選び、それから詠むことに務めましょう。

 写真は、先日も載せましたが、我家の〝ジンジャーの花〟。これは真っ白なんですが、調べると他の色もあると…。すると、この前句会場にした旅館の玄関にこれが飾ってありましたので、パチリ…。これらの花はみな観賞用で、食べる生姜とは違います。ちなみに、ジンジャーの花言葉は、「豊かな心」「慕われる愛」なんですって!

 

コメント (4)
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