今日は小雨続きでした。毎月第三土曜日の午後は、〝馬醉木会〟という30年以上の歴史ある句会なんです。兼題はなし。一人五句投句の現在18人で、しめて90句、12句選で行っています。実際出席するのは10人ちょっとですが。
句会が始まったときは小雨でしたが、選句が済んだ頃、突然もの凄い音がし出して、「何!これ?」と思わず中断してしまいました。ザーザー降りの大雨、そして、ここがコンテナハウスだからこんな大音響がするのだということを初めて知りました。「みんなこの雨の音に負けないように大きな声でね…」と。これももう台風の影響でしょうか?
ところで、昨日の兼題の〝ススキ〟、「芒」か「薄」の漢字を用いますが、いつもどう違うんだろうとか、なぜこの字がススキなんだろうとか、ズーッと不思議に思いながら、どっちつかずに使っていました。私は「芒」の方が何となく好きでよく使います。それは「薄」の方には「うすい」という意味のイメージが付きまとってしまうから。
そこで、漢和辞典の『新漢語林』で調べてみましたら…
「芒」…①のぎ。穀物の先端の細毛。②毛。毛先。③はり。針先。④ほこ。ほこ先。⑤ひかり。光の先端。「光芒」⑥大きい。広い。はるか。⑦暗い。おろか。⑧ほろびる。=亡⑨わすれる。ぼんやりする。⑩あわただしい。⑪すすき。草の名。 (解字)形声。艸+亡。音符の亡(ぼう)は、萌(もう)に通じ、きざしの意味。稲・麦などの先端の細毛、のぎの意味を表す。
「薄」…①うすい。「薄氷」少ない。あわい。やせている。恵まれない。「薄命」②うすくする。軽んじる。うすめる。③うすまる。うすれる。④せまる。近づく。「薄暮」「肉薄」⑤とどまる。⑥よる。集まる。⑦くさむら。⑧まぶし。(蚕に繭を作らせるための、すだれ状の物)⑨竹製の道具。かご・すだれ・やななど。⑩いささか。しばらく。国字…すすき。おばな。(解字)形声。艸+溥。音符の溥(はく)は、あまねく広がるの意味。草が広がる草原のさまから、うすいの意味を表す。
どうです?私はビックリしましたよ。結局ススキはイネ科ですから、あの穂先から考えれば、「芒」の意味の方が近いです。「薄」の方は、漢字そのものにススキを表す意味はないのですが、日本でその意味に使うように定められたものだったんですね。秋櫻子先生の句をみても、「芒」の字が多いような気がしたんですよ…気になって調べてみましたら、ナント! 全句集中「ススキ」の句は23句で、その中4句が平仮名、後の残り19句は全部「芒」。「薄」を使った句は1句もありませんでした。改めて秋櫻子先生の潔癖さを垣間見た思いがしましたよ。ああ~これでスッキリしました!
今日は「白粉花」、仲秋の季語です。オシロイバナ科オシロイバナ属の多年草。熱帯アメリカ原産。夕方から開くことから、和名では夕化粧、英語ではフォー・オクロック(四時)の呼び名があります。花の色は紅、白、黄など、近くにあるとお互いの色が混じったものもあります。そう言えば、子供の頃、花を採って密を吸ったり、この種が黒くなったら採ってきて、中の白粉質の粉を集め、塗ったりして遊んでいましたね。女の子には懐かしい花です。