小堀遠州一族遺跡保存会総会・記念講演会開催③(No.304)
◇遠州流13世家元小堀宗実氏講演会
11:30より小堀宗実13世家元の講演会に立見席まで満員
の約400名参加で開催された。
○小堀宗実(そうじつ)
昭和31年(1956)遠州茶道宗家12世小堀宗慶の長男と
して生まれる。昭和54年学習院大学法学部卒業の後、臨
済宗大徳寺派桂徳禅院にて、大徳寺518世福冨以清禅師
のもとで禅の修業を積み、昭和56年師より「宗以」の号
を授かる。
昭和58年副家元に就任。平成12年大徳寺管長福冨雪底
大老師より、「不傳庵」「宗実」の号を授かり、平成13
年元旦より、13世家元を継承する。
■写真は講演する小堀宗実遠州流十三世家元
お話は、遠州の生い立ち、遠州と前田家とのつながり、遠
州流の茶道、小堀遠州の人物と総合芸術家としての遠州の
美意識に至るまで内容でした。
前田家の3代利常公、4代光高公とは「茶の湯」の師弟関
係であり、前田家は後ろ盾でバックアップする関係で、茶
の湯については道具の鑑定や設、お点前に至るまでこと細
かく質問した往復文書が残っているそうです。
■写真は除幕式での小堀宗実遠州流十三世家元
織理屈 綺麗キッパは遠江 お姫宗和に ムサシ宗旦とい
われ、織部は理屈っぽく、切れ味のよい刃物のようにきっ
ぱりしているのは遠州、お姫様風の華奢好みは宗和、わび
茶に徹しているのは宗旦とのこと。
遠州は日本のレオナルド・ダ・ヴィンチともいわれ、総合
芸術家で建築・作庭家でもあった。京都の清水寺成就院庭
園、円徳院庭園、金地院庭園、南禅寺方丈庭園や和歌山の
天徳院庭園。そして金沢城の庭園も手がけたといわれいる。
■写真は講演する小堀宗実遠州流十三世家元
満月になるとともに欠け始めた月がほどなく三日月となる
ように、物事は、絶頂期に達すると同時に下り坂になるの
が世の道理で。満月より前日の方がいいという、いわゆる
不足の美は、不足を心で補うということ。
参考)武野一男氏ブログ「市民が見つける金沢再発見」