昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星  69

2012年05月22日 | 日記
2杯目のジンライムを受け取り、僕は横にいる夏美さんを真っ直ぐ見つめた。覚悟を決めた顔付で隣のストゥールに腰掛け、「パトカー襲撃事件?」と夏美さんは聞き返してきた。 「はい」と応える僕を見返す力の強さに、目を伏せてしまう。僕の中の疑念を見抜いているようだ。 「新聞に書いてあったこと以上は知らへんのよ」 「そうですか。起きてもおかしくない事件なんやけど、ターゲットがパトカーて…」 . . . 本文を読む