昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星  66

2012年05月15日 | 日記
一瞬立ち止まり逡巡したが、僕は“ディキシー”を通り過ぎた。強く後ろ髪引かれる思いだったが、奈緒子に会う前の僕に引き戻される不安が先に立った。とにかく今は、アルバイト探しだ。 先を急ごうと歩を進めると、視界の端左側を“アルバイト募集中!”の文字がかすめる。“ディキシー”から10メートルばかりの距離は近すぎると思ったが、立ち止ま . . . 本文を読む