昭和少年漂流記

破壊、建設、発展と、大きく揺れ動いた昭和という時代。大きな波の中を漂流した少年たちの、いくつかの物語。

第三章:1970~73年 石ころと流れ星  65

2012年05月11日 | 日記
三泊四日の東京への旅は終わった。僕の中には、奈緒子と過ごした時間の記憶が鮮烈に残った。そして、それは、僕の周りの風景をすっかり変えてしまったようだった。 東山仁王門の三畳の部屋はよそよそしく、天井の節目は、身の置き所なく寝転がっている僕を冷たく見下ろしていた。 一週間は、ただただ漫然と過ごした。奈緒子と遠く離れていることが時々痛くてたまらなかった。そんな時は、近くの店に買い物に行った。そして、 . . . 本文を読む