初めて欧米から離れた画期の大会になるはずでした。幻のオリンピックと言われた1940年の東京大会。▲戦後に実現した64年の東京5輪を象徴したのも敗戦からの復興。そして2020年の大会も東日本大震災からの「復興5輪」と位置付けられています。こうして見ると、東京は復興を絡めたオリンピックをくり返しているようです。▲来年7月24日の開会式まで500日を切りました。さまざまなイベントが行われる一方で、被災地との温度差がひろがっています。震災8年のNHK被災者アンケートでも5人に3人が復興の後押しになるとは思わないと答えています。▲5輪関連の建設ラッシュで、人手不足に加え工事費が高騰。復興どころか、逆に妨げになっているとの声も。いつもの口だけ寄り添う首相は「見事に復興した東北の姿を世界に発信しよう」と能天気。みずからが遅らせているのがわからないようです。▲「現状は復興5輪に向けて進んでいるのか正直、見えません」。女子マラソンのメダリストで国際オリンピック委員会の委員でもある有森裕子さんが、きのう(12日)の本誌スポーツ欄で語っていました。▲震災のことや共生・共存の社会、障害者の対応などについて、人々が五輪前よりも考えられるようになるー。それが最終的な成功ではないかと。今日の日本社会や政治のありようが問われ続ける日々。誰もが開いてよかったと思える五輪にできるかどうかの分かれ目です。【しんぶん赤旗13日号、「潮流」】
震災8年目の特集を聞きましたが全くそのとうりだと思い転載させてもらいました。