今日のシネマ
1993年 韓国
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口承芸能パンソリの唄い手である養父に
徹底した指導を受けながら旅芸人の生活を続けるソンファとトンホの義姉弟。
厳しい流浪暮らしに耐え切れなくなったトンホは逃げ出すが、
やがて成長し、父姉の消息を追い求める……。
40~60年代の韓国、全羅道を舞台に繰り広げられる骨太のメロドラマ。
監督は「キルソドム」のイム・グォンテク。(TSUTAYAより)
「魂を揺さぶられる」
こんな言葉、普段の生活の中で使うことってまず無いと思います
が、この映画の感想を書く上で、この言葉ほどぴったりな表現が他にあるでしょうか
朝鮮に19世紀から伝わる伝統音楽・・・パンソリ
今回、初めてこのパンソリのことを知りました
本当に恥ずかしいくらい、私は知らないことが多いです
パンソリ=一人の歌い手とプク(太鼓)の奏者によって奏でられる物語性のある歌と打楽器の演奏
パンソリのパンは、多くの人々が集まる場所を意味し、ソリは音を意味する
2003年、ユネスコの無形文化遺産に登録された(wikiより)
日本で例えると、詩吟? 浪曲? 演歌? 長唄?
いや、例えようがないですが とにかく、この映画の中のパンソリは
まさに ”魂を揺さぶられる” ものでした
旅芸人一家の父であるユボンはかつてはパンソリの歌い手だった
養女のソンファに類い希なパンソリの才能を感じた父は
彼女には歌を、弟には太鼓を教えるのですが、
その教え方が半端ないのです
弟は過酷な練習に耐えきれず途中で逃げ出しました
父の常軌を逸した指導に文句一つ言わないソンファ・・・
日に日に上達していく彼女に父は言います
「パンソリに不可欠なのは ”恨”(ハン)だ。お前には ”恨” が足りない。
お前の歌は美しいが 美しいだけなのだ」 と
そして、彼女からその ”恨” を引き出すために
なんと父はソンファの目を潰すのです
パンソリへの固執から 狂気がエスカレートする父・・・
月日は流れ、逃げ出した弟のドンホは姉を探していました
やっと見つけ出したソンファは盲目になっていました
ドンホは自分の身分を明かさず、二人はパンソリを演奏します
ソンファはその太鼓の音を聞いて 弟のドンホと確信しますが
二人がそこで再会を喜ぶことをせず、夜を徹して「沈清伝」を奏でるのです
そのシーンは 言葉を失うほど圧倒的で、心が震えました
一家がパンソリの演奏をしながら旅する地域が四季を通じて美しい
その中に響くソンファの歌声が揺るぎなく清々しい
ここ数年で韓国映画の面白さを知った私ですが
娯楽性の高いものが多かったので この映画はかなり衝撃的でした
ユボン=キム・ミョンゴン、ソファン=オ・ジョンへ、ドンホ=キム・ギュチル
監督はイム・ゴォンテク
2022-20
確かに日本映画もですが…中々
「魂を揺さぶられる」ものってないですね。
ちょっと探してみて見たくなりました。
ウエストサイド ストーリーやナイル殺人事件を見たあと、映画を見に行っていません。公開中のなかで、行ってみようかな、と思うのがないので、待機中です。(^ ^;
この映画は20数年前に故淀川長治さんの本で知って観ました~♪
私もこの映画で初めてパンソリを知りましたよ。
ジュリアさんも書かれた再会のシーン、唄と太鼓の調べに、正座して観た記憶があります。
もうこの様な生きる根元、魂を揺さぶられる程の映画は、東西、なかなかないですね。
また韓国は"恨(ハン)"の民族だと言われていましたが、今では死語のようです。
※私、この映画の原作本を買ったようで本箱にありました、本では兄と妹の設定で名前が無いのよ。
♡懐かしい映画のご紹介、ありがとうございました。
そうなんです
今まで観た韓国映画とは別物でした
魂を揺さぶられる・・
それは観ていて苦しくもなりました
パンソリ、生で聴いてみたいです
こういう映画ももちろんキライじゃありませんが
この種類のを見続けると ちょっと心が折れそうです
単に楽しい娯楽性の高いものと、配分を考えて観ないと 苦笑
mikaさん コメントありがとうございました
オスカーを取った「コーダ あいのうた」は
観ましたか?
私はタイミングが合わずにまだなのですが
間に合えば行きたいと思ってます
カンサンさん コメントありがとうございました
なんとなくIzumiさんが来てくださるような
予感がしていました 😊
20数年前ですか!!!
この作品、私はディスカスでレンタルしたのですが
在庫が1枚しかなくて、しかも私が借りて
少し経って見たらレンタルリストから消えていました
もう観るのが難しいみたいですね
ギリギリで見れて良かったです
本当に、ちょっと今まで観た映画には無い雰囲気でした
歌でもスポーツでも根性ものは多々あれど
それらとは次元が違うというか・・・
韓国映画、本当にすごいです
Izumiさん コメントありがとうございました