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■総選挙後のタイ政治の行方

2019-06-25 | ●タイの政治

■■■■■■■■■■タイの政治の行方■■■■■■■■■■
■「タイの民政化

●日本の盟友タイの政情が、総選挙後やっと正常化してきた
しかし軍事政権下では、よくも悪しもタイの政治は,強権でもって安定
していた。しかし総選挙で民主化勢力が息を吹き返すことによって再
び タイの治安が混迷するのではないかとの懸念を持つ専門家も多い。
果たして、タイの政情の行方はどうなのか。

●タイでは、2014年来の暫定軍事政権が、初の総選挙を行い親軍派
が、かろうじて政権を維持した。そしてプラユット氏が改めて新首相に
就任した。 しかし暫定軍事政権の勝利は予測通リ苦戦の勝利だった。
そして、これは暫定軍事政権の権力による反対勢力の封じ込めが奏功
したものと見られている。   

●そのため軍政側は、もちまえの権力と手練手管とも思えるあらゆる
段を駆使して反対勢力の封じこめを図ってきた。
・景気対策と称して低所得者1450万人への一律500バーツの支給
・高齢者への通院補助金1000バーツの支給 など
その総額は約500億バーツともいわれ、内外から大衆迎合のバラマキ
揶揄されてきた。
  

●表向きは、民主的な総選挙の総意、民意による結果だという事だが、
総選挙後は、軍事的な権力ではなく、民主化ルールで民意をまとめて
いける のか。
まさにその統治能力が試されることになる
タイは、ASEANのハブそし
て先進国として、常にアジアから期待の
目 を持って迎えられてきた。
しかし軍事クーデタとか 軍事政権による
統治は、世界の先進国の規範
である民意による民主化ルールから 遠
く逸脱するというイメージが付き
まとっていた。

●しかしタイの政治体制は、軍政であっても自由貿易を堅持し、自由経
済国家を標榜してきた。事実タイ経済は、軍政後も海外からの投 資は
一時的に減ったものの、比較的順調に推移してきた



 ■「軍事政権が継続,今後も政治リスクに要注意
(みずほ総合研究所 アジア調査部 エコノミスト 松浦 大将氏)

●選挙直後に公表された民間機関の調査では、いずれの勢力も法案
の可決などに必要となる下院の過半 数に届かないことが伝わり、それ
以降、両者は連立工作に奔走してきた。

●反軍派は選挙後早々に、タイ貢献党や新未来党が中心となって7つ
の政党で「民主戦線」を結成。
●対する親軍派は、序盤こそ反軍派に遅れを 取りやや劣勢に立たされ
たが、連立政党には獲得議席に応じて大臣や副首相のポストを好条件
を提示することで、タイ名誉党や民主党などの大政党の賛同を獲得した。

●最終的に親軍派は、態度を保留していた政党のほぼ全てを取り込む
事に成功し、下院での過半数超を確保した模様だ。 なお上院の250議
席についても、事実上軍部の指名制のため親軍派一 色の人選となって
いる。
去る月5日に行われた首相選挙では、親軍派の思惑通りプラユット氏
が上下両院の過半数以上の支持を獲得し、首相に選出され た。
6月中旬までには組閣を終え新政権が発足する。
しかし成長戦略の継
続は安心材料だが、日本に次ぐタイの少子高齢化は、
今後の経済成長の足かせになるし、特に新政権のポピュリ ズム政策にとも
なう副作用には要注意で
ある。

 ■「読売新聞の論調は
●タイではタクシン派政党と、反タクシン派政党の対立による混乱が 10
以上続き、結果として軍部のクーデターを招いた。 今回の総選挙で、
政党が伸び悩み、逆に親軍政党が一定の支持を 得たのは、有権者
国民が不毛な争いの終結と安定を望んだ証左で はないか。 と分析
する。
タイには日系企業が5000社以上、7万人を超える日本人が住む。
日本政府は、「タイ政府に円滑な民政移管を促し続けなければならない」
と警鐘をならす

  

■「どっちでもいいのか
●世界いずこも同じだが、政治に望む国民の願いは、なにはさておき
経済の安定と平和である。 タイの場合、軍事政権がながらく続いたに
もかかわらず、
国民経済は 安定 して成長してきた。 
そのためか、当初の軍政批判は影を潜め、様子見の状 況が続いた。

●タイの現地情報によると、国民生
活がよくなるのであれば政治体制
どっちでもいい」というあきらめにも似た声も 聞こえてくるという。
事実、軍政批判に対する厳しい締め付けがあったために 国民は政治
批判の意欲を失ったという事実があったかもしれない。 

●私ども戦後の日本人は、武装クーデターの経験を全く持たない。
ましてや戦争放棄した日本人には、軍隊による政治の統治は、想像
の域を超える。 
日本からタイへ進出する企業もしかり。まずなによりも現地の安全と平
穏を確かめるだろう。
タイで余後を過ごす計画のロングスティヤ—もいささかでも怖いところへ
は、たれもでかけないだろう。

●戦後の近代世界で、タイが先進国を目指すとすれば、 何はともあれ
政ではなく、民政化による政治体制の確立が優先する。

折しも明日からのG20に、タイのプラユット首相が、ASEAN議長国
代表と して大阪 を訪れる。 中進国タイが、世界の先進国の仲間入り
を果たすた
めには、本当に「どっちでもいいのかと、自問自答しながら,
民政化への更なる努力をすべきではないかと思えてならない。

  


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