本館では、しばらくシャープペンで描いたうさぎ竜の絵が続きます。だんだんと数が増えてくるので、そこらへんをお楽しみください。
かのじょが描いたうさぎ竜と比べると、どこか違うのがわかるでしょう。描き手は、かのじょと違ってかわいらしい女性の絵を描くのが苦手なのですよ。だから自分とかのじょの得意分野で、ぎりぎり重なるうさぎ竜ばかり描くのです。
竜のように強く、うさぎのように弱いというのは、愛の特質の一つです。
愛する人のためには、どんな苦しいことでもしてしまう。せずにいられない。それは強さであると同時に弱さです。自分の愛する人にはかなわない。どんなにたくましく強い男でも、自分の愛する人のためには何でもしてやりたくなる。時には、命さえかけても守ってやりたくなる。
でも、まだ未熟な心には、そんな愛の力が恐ろしくて、愛に負けるのが悔しくて、つい馬鹿なことをしてしまう。教えられなくても、わかるでしょう。愛が怖いばかりに、愛を馬鹿にし過ぎてしまって、自分の心を半分失ってしまった。人間はその愚かさに落ちてしまったのです。
上弦、半分の月は、その象徴でもあります。でも上弦は、これから太ってくる月。それには、希望を見失わずに努力していけば、失った愛もいくらかは取り戻せるかもしれないという、希望が隠れている。
でも、そのためにはまず、失ってしまったという、苦い真実を飲み込まねばなりません。
風に紙くずをさらわれてしまったような、小さな喪失感にして、自分の心をいつまでもごまかしてはいけませんよ。
いなくなってもさみしくないなんて、子供のような強がりは、自分を苦しめるだけです。
うさぎ竜は、親切な薔薇がいっぱい咲いている小さな島に住んでいるそうです。
愛に素直になって、どこかにあるその小さな島を、探してみましょう。