世界はキラキラおもちゃ箱・第3館

スピカが主な管理人です。時々留守にしているときは、ほかのものが管理します。コメントは月の裏側をご利用ください。

イーヴル・クイーン

2017-03-07 04:21:11 | 黄昏美術館


ヒルデブラント兄弟


20世紀はアニメの時代だった。技術を進歩させた人間は、絵を動かすこともできるようになった。

そこで、自分を託した仮想の存在に、全く違う自分を生きさせることもできるようになった。逃げられない自分という存在から逃げられる世界を、人間はアニメの世界に見出し、そこにはまりこむようになったのである。

現実にはいない女性をたくさんこの世界に創出し、それに夢中になるようにもなった。馬鹿はこの世界を使って、様々なことをやり始めた。阿呆のようなかっこいい人間を作る技術を研ぎ澄まさせ、それを実際の人間の肉体を作る霊的技術にも応用した。

21世紀になると、アニメキャラのような人間が、馬鹿にたくさん現れるようになった。人間そのものが、アニメになってしまったかのように、仮構のような人生ばかりが世の中に輩出した。嘘をつくことが、人間は平気になったのだ。

アニメは20世紀の終わりから21世紀にかけての時代には、実に醜い形に堕落したが、ディズニーがそれをやり始めたころにはまだ、優れたものがある。

この女王は、偽物の美人の見本のようなものだ。何もわからないままに馬鹿なことばかりしてきた、たまらないドブスを、醜い技術を駆使して何とか美人に仕上げたという女なのである。そういう醜い美人の表情というものが、見事に描かれている。

アニメでなければできない表現である。







  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする