蔡亮
原題不明
これもプロパガンダ用か、何かの挿絵に使用されたものであろう。毛沢東に似た壮年の男に、馬鹿じみた子供が楽しそうな芝居をして寄り添っている。
馬鹿な大人は、子供が大人の言いつけを守っているわけを知るまい。馬鹿だからいうことをきくと思っている。だがこういう子供は、実は大人を馬鹿にしているのだ。
大人の望む通り、純真でおちゃめな目をして、素直でものわかりのいい、よい子の芝居をしていれば、おもしろいおもちゃや、甘いお菓子を好きなだけもらえると思っているのである。
阿呆は大人の方なのだ。
自分でやることを教えねばならないのに、大人や、大きな権力におもねれば、人生が楽に運べるということを、中国人はこうして子供に教え続けているのである。