共 結 来 縁 ~ あるヴァイオリン&ヴィオラ講師の戯言 ~

山川異域、風月同天、寄諸仏子、共結来縁…山川の域異れど、風月は同天にあり、諸仏の縁に寄りたる者、来たれる縁を共に結ばむ

神奈川県下随一の丈六仏の前で花祭り

2023年04月08日 17時00分17秒 | 神社仏閣
今日は4月8日、御釈迦様の誕生日である花祭りです。この日、母親である摩耶夫人(まやぶにん)の右脇から生まれたシャカ族の王子ゴータマ・シッダールタ(後の御釈迦様)は、即座に七歩歩いて天と地を指し示し

「天上天下唯我独尊」

と発したといいます。

そんな御釈迦様の誕生日である今日は、各寺院で花祭りが催されます。厚木市内のお寺でも花祭りが開催されていたようですが、今日は上依知(かみえち)にある星梅山妙伝寺に参詣することにしました。

門前には



花まつりを開催する案内が掲げられていました。ただ、子どもたちの『花めぐり』という稚児行列のようなものは中止になっていました。


仁王の代わりに毘沙門天と持国天が立つ二天門をくぐると、



芽吹いたばかりの新緑の中に建つ本堂が見えてきます。私が到着した時にはちょうど花祭りの法要の最中だったようで、



正装した僧侶たちが御題目を唱えていました。

しばらくその様子を外から窺ってから



その横にある『独尊堂』とも呼ばれる釈迦堂に向かいました。ここには



神奈川県下最大の木造仏である丈六釈迦如来立像が祀られています。

丈六というのは生前の御釈迦様の身長一丈六尺=約4.85mのことですが、実際には丈六仏を造るのも祀るのも大変なので、通常は実寸を詰めたり、丈六仏にするために坐像にしたりします。なので、元禄時代に作られたと思われるこちらの釈迦如来立像は真性の丈六仏立像としても珍しい作例で、神奈川県下では随一の大きさを誇っています。

参拝する者と目線が合うように、視線を落とすようにして立つ約5mの釈迦如来立像は



圧倒的な存在感を持っています。像の裏手に廻ると



大きなお背中にも圧倒されます。

御堂のちょうど御顔にあたるところには明かり取りの障子があるので、



金色に輝く釈迦如来立像を柔らかな自然光の中で拝することができます。堂内に静かに佇む御姿は



実に神々しい尊容です。

今日は花祭りということで、



釈迦如来立像の前には花御堂(はなみどう)が設えられ



文字通り色とりどりの花で飾られていました。その花御堂の中には



「天上天下唯我独尊」

と発した姿である誕生仏が祀られ、釈迦誕生の時に降ったという甘露の雨になぞらえた甘茶が満たされていました。

本堂ではまだ法要が続いていましたが、その間に誰もいない釈迦堂の中で誕生仏に甘茶をかけて御釈迦様の誕生日を祝いました。ただ、あまりのんびりしていると一時間に一本しかないバスが行ってしまうので、頃合いをみてお寺を後にしました。

昼過ぎから風が冷たくなってきたと思っていたら、午後からかなり本降りの雨が降ってきました。この強い雨で、わずかに残った桜の花も散ってしまうことでしょう…。


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