今日、出かけた町田市でたまたま知人と行き合いました。この知人はアマチュアオーケストラでフルート奏者をしていて、かつて私が奏法のアドバイスをしたことがあり、それ以来の長い付き合いです。
ヴィオラ弾きのオマエが何でフルート?と思われるかも知れませんが、これには理由があります。
私がエキストラで参加していたオーケストラの演奏会で彼がソロを吹くことになっていたのですが、その曲というのが

ビゼーの劇付随音楽《アルルの女》第2組曲でした。そして、この曲でフルートのソロといえば、なんと言っても

第3曲の『メヌエット』です。
彼はアマチュアにしてはかなり上手な奏者なのですが、この『メヌエット』にはかなり苦戦していました。というのも、この曲のフレーズが長過ぎて、どこで息を吸ったらいいのか悩んでいたのです。
その時の指揮者はあまり的確な指摘のできる人ではなかったため、尚の事混乱していました。なので、休憩時間に
「僭越ながら…」
と、ちょっとしたヒントを授けたところ、ある程度したところから腑に落ちたらしく、その後の練習からはスムーズに演奏することができるようになっていたのです。
その時の指揮者は彼を褒めることもせず
「それくらいできるなら、はじめからちゃんと吹いてよ!」
と吐き捨てていましたが、
『本来ならばこうした指導は貴方の仕事でしょ!』
と、その場に居合わせた人たちほぼ全員が思っていたことは内緒です(笑)。
それから彼とは個人的に仲良くなり、いろいろと音楽談義をするようになっていました。コロナ禍ですっかり会わなくなっていましたが、思いがけず旧交を温めることができました。
そんなわけで、今日はその思い出の曲であるビゼーの『メヌエット』をお聴きいただきたいと思います。ビゼーのメロディの中でも抜きん出た名曲を、楽譜付きの演奏動画でお楽しみください。