今日は春分の日、お彼岸のお中日です。いつもならば相模國一之宮寒川神社に参詣して『御来光守』を頂いてくるのですが、今日はいつもと趣向を変えて、厚木市上依知にある日蓮宗星梅山妙伝寺というお寺へ詣でることにしました。
厚木バスセンターから原当麻駅行きのバスに揺られること30分弱で、上依知というバス停に到着します。そこから5分ほど歩いたところにある
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閑静な住宅街の中の参道を進むと
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厚木市指定文化財となっている二天門が見えてきます。
この二天門という山門は延享3(1746)年に、妙伝寺第33世住職の日応上人によって建立されたものです。通常のお寺の山門には仁王様が立っていますが、こちらの二天門には
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四天王の中の持国天と
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毘沙門天(多聞天)が立っています。
この二天の像は元禄10(1697)年に造られたもので、元は境内の釈迦堂内に脇侍として安置されていたのだそうです。共に邪鬼を踏みつけ、持国天は杵(しょ)を振り上げ、毘沙門天は戟(げき)を構えた姿です。
一礼して境内に足を踏み入れると、香の香りが漂ってきます。その中を進んで、先ずは
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本堂にご挨拶をしてから、
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本堂の隣に建つ厚木市指定文化財の釈迦堂に向かいました。
この釈迦堂は独尊堂とも呼ばれていて、17世紀後半頃の建築と推定されています。寺伝によれば、常陸國加倉井村、現在の茨城県水戸市加倉井町にある妙徳寺の日遥上人がこのお寺を再興した際に建てたといいますが、こんなところで郷里の水戸の字を見ることになるとは思いもよりませんでした。
そして、この中に安置されているのが
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お釈迦様の等身大とされる丈六(約4.85m)の釈迦如来立像です。
この巨大な釈迦如来立像の造像は、山門の二天が造立された元禄10年よりもやや遡る頃ではないかと推定されています。江戸時代に造立された木造彫刻としては神奈川県下最大のもので、ここまでの規模の立像は鎌倉市内にも存在していません。
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衆生に向けて恐れるなと右手を上げた施無畏(せむい)印と、衆生の願いを受け入れるべく左手を垂れた与願(よがん)印で堂々と立たれる釈迦如来はほんの少し頭を下げていて、遥拝する人と目線が合うようになっています。釈迦堂のお釈迦様のお顔にあたるところには
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明かり採りの窓が開けられていて、暗がりの堂内でもお顔をはっきりと拝することができます。
また、この御像は
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手足の爪が長いのが特徴です。これは鎌倉期に流行した中国・宋(そう)様式と呼ばれるもので、有名なものとしては兵庫県小野市の浄土寺に安置されている快慶作の阿弥陀三尊立像にも見られる作風です。
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手足の爪が長いのが特徴です。これは鎌倉期に流行した中国・宋(そう)様式と呼ばれるもので、有名なものとしては兵庫県小野市の浄土寺に安置されている快慶作の阿弥陀三尊立像にも見られる作風です。
これだけの巨像を支えるために、
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蓮台もかなり分厚く頑丈なものとなっています。これまで幾多の地震にも見舞われてきたことでしょうが、今日までそれに耐えてこられたのも、こうした盤石な基礎があったればこそです。
昨日東京都内でのソメイヨシノの開花が宣言されましたが、妙伝寺の境内にある桜も
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ちらりほらりと咲き始めていました。メジロやヒバリがさえずる暖かな春分の日に、素晴らしい仏像を拝観することができました。