クロスバイクで元気

念願叶った定年退職の身は、先立つ物は細く時間は太くの狭間。
歩いて、自転車に乗って感じたことを、気ままに書き続けます。

画家のイメージするものと対峙するのは楽しい

2013年06月10日 17時30分24秒 | 美術展
小木曽文子さんの 「 MY WiSH 」 と 「 MY WAY 」 。
いずれも深い海の底の静けさに包まれたかのような世界。

「 MY WiSH 」 は、上空から見た左右に配された大陸と中央部の多くを占める深く沈んだ灰色の海か川かのようにに見えますが、その水面はあくまで真っ平の時間が止まった世界が単一色調で広がっています。
“ 大陸 ” 部には、針のように細長い長方形の幾本もの棒状の模様が、静かな息をしてるように存在を主張しています。
「 MY WAY 」 は、大きな川の中央から眺めた陸地の岸壁とその際に建つ近代的な建物でしょうか、水平の視線を強いられるその光景は、 「 MY WiSH 」 の垂直の視線と鮮やかな対比を成しています。

“ WiSH ” と “ WAY ” の言葉の違いにヒントを得て、画家の思いに近づこうとするのですが、ある一定の距離まで近づいて跳ね返されます。
見つめれば、見つめるほど、画家が描く精緻な描線が纏わりついてくる不思議な絵です。

水野博子さんの 「 翔① 」 と 「 翔② 」 。
「 翔① 」 は、暗く沈んだ緑色を基調とし、丹念に描きこまれた夥しい点が二人の人物を形作っているようです。
左側には横を向いた人物、右側は後ろ向きの人物。

「 翔② 」 は、深い青色と暗い灰色を基調とし一人の人物の後姿が、画面をはみ出し尻から背中、伸ばした両腕が、画家の息吹を感じる夥しい点で埋められ描かれています。
左の腕には、誰かの手が、腕を掴み、一緒に翔ぼうかとしてるようです。

埋め込まれた人物たちはじっとしていません。
“ 翔 ” 、言葉どおりにあちこちから翔び出そうとする静かな情念が、画面いっぱいから溢れ出ています。
静謐な周りの世界に包まれた中、人の心が動くことによって素敵なエネルギー発散する力感溢れる絵です。

いずれも、昨日 ( 6月9日(日) ) で会期を終えた 「 女の仕事展 5th 」 ( 於 名古屋市中区栄 電気文化会館 ) で楽しませていただいた作品です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ランタナの花が咲きました | トップ | ネジバナが咲きました »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

美術展」カテゴリの最新記事