パールライスのつれづれなるままに

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ギュスターヴ・モロー展 at パナソニック汐留美術館

2019年05月03日 | アート・文化
象徴主義とは「外界の写実的描写よりも内面世界(心の不安、生と死の問題、運命等)を神話や文学を借用して象徴的に描くこと」だそうです。
その代表者がギュスターヴ・モロー。印象派と同時期に発展しました。


ファム・ファタル(宿命の女:男を破滅させる魔性の女)とモローが実生活において愛した母や恋人(アレクサンドリーヌ・デュルー)の関係についての展示です。
モローの女性への対応は真摯的であったものの、描く作品はファム・ファタルと言う真逆の女性像です。現実とは正反対のものを制作するクリエーターはよくいます。

パリのギュスターヴ・モロー美術館が所蔵する作品を展示しています。
しかし、、大半が下絵・未完成品で、がっかりと言うのが素直な印象でした。
一方、「出現」や「一角獣」、「エウロペの誘拐」等完成品は、それはもう、素晴らしい作品です。
  

また、20世紀最大の宗教画家、ジョルジュ・ルオーとフォービズムの巨匠、アンリ・マティスの師匠でもあります。
 

二人がマチエール(美術において、作品の材質(絵の具等)がもたらす効果)にこだわっていますが、その元はギュスターヴ・モローであることが彼の作品から見て取れました。
「生徒の才能を伸ばす」がモローの教育理念だったそうですが、そのおかげで二大巨匠が生まれました。
画家としてのみならず、教育者としての才能を持ったモロー。

モローの絵は色んな美術館が少数所蔵しており、一度に大量に見ることはないので、未完成品が多いとは言え、行ってみる価値があると思います。




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