横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

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ロサンゼルスに来たけれど

2005年10月21日 09時32分50秒 | スローライフ
オタワからの帰途に、ロサンゼルスに立ち寄っている。6月のミネソタでのMapServerのカンファレンスで知り合ったUCLAの研究者に会うためだ。せっかくなので彼の薦めもあって”西海岸らしい”風景が楽しめるサンタモニカにホテルを取った。

確かにOcean Avenueの向こう側には太平洋が広がり、風光明媚で、公園がきれいに整備されている。歩いていてとても気持ちがいい。ところが、10メートルおきくらいにホームレスがいるのだ。東京で見かける頻度と桁が2つくらい違う。同時に、豪華なコンドミニアム、半端じゃない高級車、悠々とジョギングを楽しむカップルも多数見かける。自由競争の本家であるこの国だが、その結果は貧富の格差をこれほどまでにビジュアルに見せてくれる。

貧困問題は、世界の解決すべき最大の問題の一つであるのだが、貧困問題はアメリカ自身の深刻な問題でもあることをこの目で実感した。イラクで力づくで「民主主義体制」を構築している場合ではない。

今、日本でもアメリカ的な自由競争のモデルが制度的にどんどん浸透しつつあるが、同時にこれは貧富の格差を間違いなく助長する。すでに日本では「貧困層」に統計上規定される人口が明確に増加しはじめている。一方、富裕層も同様に増加しており、「中流」と呼ばれた層が減少して二極分化しはじめている。

努力が正当に報われる、成功の機会が均等に与えられる社会は絶対に必要だが、それをあまりにもシンプルに適用してしまうと、結果としてあまりにも辛い”報われ方”に甘んじなければならない人がどんどん増加してしまう。そうなってから是正しようとしても、階層が分断されているので国民のコンセンサスを得るのは手遅れである。仮にコンセンサスが得られても、その際の社会コストは膨大になるだろう。

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