横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

息子の反抗期入り

2011年11月19日 20時13分02秒 | スローライフ
 私がFOSS4G関連で9月からずっと忙しくしているうちに、中学一年の息子の様子が何となくおかしくなった。いつも、生き物や天気の話題を楽しく私と語らっていて、夏までは、あれほどいたち川での魚取りに連れて行ってあげていたのだが、空いている部屋(実は高一の兄の部屋)に引きこもって、私と話をしようとしなくなった。それどころか、挨拶すらしないし、何か私が話していると、いきなりかみついてきたりする。(逆に、母親にはまだベッタリ) 

 いわゆる、反抗期に入ったのだ。上の息子がおっとりしていて穏和な性格なのに対して、下の息子は逆で、旗幟鮮明型。白黒つけるのが好きだし、思ったことをやり抜こうとする。それもあって、人間として成長するためには、目の前の父親との激しい葛藤は避けて通れないタイプだ。いつかはそういう時期が来るだろうと思っていたのだが、私の予想よりも1年以上早かっただけに、いささか面食らっている。

 ともあれ、私としてはその現実を受け止め、何年後かわからないが、落ち着いてくるまで、じっと見守ってやるしか無さそう。楽しい家族旅行も、このブログで散々書いてきた、OSMログ取りも、魚釣りも、カブトムシ獲りも、そのフェーズとしては終わったということだ。

 自分の青年時代を振り返ってみても、そんなに激しい反抗期は無かったと思うが、それでも親と話をするのがうっとうしいと感じる時期が何年もあった。その間、両親はどういう気持ちで私や兄妹を見ていたのだろうか。

 親であるということは、子の成長の段階に応じて、それまで体験したことのない問題に次から次へと直面するものだ、と思って、実際に子に降りかかった様々な問題に懸命に対応してきた。しかし、子が自分から離れようとしているという事態は、これまでとは別次元のものだ。とてつもなく寂しさも感じるし、一方でそれはいずれ避けられないことでもあり、眠られない夜がまた増えた感じだ。

FOSS4G 2011 Tokyo コアデイ

2011年11月19日 11時30分09秒 | OSGeo/FOSS4G
 月曜日(11月7日)は、FOSS4Gそのものをテーマにする「コアデイ」。日曜日は雨にたたられたが、この日は打って変わって晴天。朝からとても気持ちが良い。

 打って変わって快晴!

 基調講演は、フィリピン支部のManing氏から「FOSS-Geo in The Philippines: trends and cases in the of FOSS-Geo in research, business, education, gorvernments and non-profits」というタイトル(長い・・)で行われる。昨日の韓国支部が日本の類似性が高いのとは違って、発展途上にある国におけるGISは、社会発展のためのツールとしてのFOSS4Gの役割が高いと感じる。また、インターネットなどのITインフラが、特に農村部での未整備が障害になっていて、また、地図データそのものの入手が困難であるなど、FOSS4Gツール以前になかなか容易ではないことも報告された。

 Maning氏

 2番目の基調講演は、インドネシアのFrans氏による「Integrating Geographic Information Services with with Java Enterprise Stack Using GeoServer and Geotools」。
 Frans氏はManing氏と違い、「GeoSpatialなバックグラウンド」ではなくて、「IT」のバックグラウンドの人。Javaによるエンタープライズフレームワークの発想が優れていて、同時に様々なプロジェクト(オープンソース)の運営にあたっている。Frans氏の関心は、”教育を受ける機会”にあり、インドネシアではまだまだ高等教育を受ける機会に恵まれていないことを、改めて感じた。その中にあって、精力的に活動していることもわかり、単なるGeekを超えた(失礼)、社会活動家としての氏の立ち位置を理解できた。

 Frans氏

 実は、Frans氏とは、このカンファレンスの後、毎日のようにfacebookでチャットをしている。他愛もない挨拶ではなく、インドネシアでFOSS4Gの活動をどうやって高めるか、という、なかなか大変なテーマだ。おかげで、しばらくROMとしても不完全だったOSGeoの本家のMLに引っ張り出されている状況(苦笑)。


 アジアなまりの強い英語(それこそ”自然”だと思う)に面食らった後は、国土地理院の佐藤氏から、「電子国土Webシステムのオープン化への取り組み」の講演。

 国土地理院の佐藤壮紀氏

  今、我々が見ている電子国土Webシステムは、既にFOSS4Gツールによる構成されていて、さらにこれからは、OpenLayersAPIに対応するという。そういえば、OSGeo本家側には、私はこのことの報告をまだしていなかったのだが、これってすごいことだ。例えば「USGSのサービスがFOSS4Gでできている」というの(実際にそうではないと思うが)と同じくらいのインパクトがある話だ。北京のFOSS4G 2012で、ぜひ発表をしていただこう!ともあれ、文章で説明するよりは、このスライドをご覧いただきたい。
 電子国土Webの変遷

 恒例のランチは、クロワッサンとドーナツ。これが結構いける。
 本日のランチ

 パンのくずがこぼれても、お任せ下さい!といわんばかりに、ランチテーブルの下に、とあるものを発見。
 ランチテーブルの下で黙々とお仕事をするルンバを発見!


 午後からは、今年初めての取り組みであるが、会場を2手にわけ、技術系のセッションとユーザー事例系のセッションそれぞれを平行して実施した。私は、事例系を中心に参加しているので、技術系は最後の方に少し顔を出せただけだった。そのため、以下は、私が参加したセッションだけを紹介する。

 「オープンソースを利用した農業生態系データバンク「RuLISWEB」の構築」。OpenLayers, MapServer, PostGISなど、FOSS4Gのメジャーツールで構成。今後、こういう調査データ収集表示型のシステムが増えそう。
農業環境技術研究所の三上光一氏

 「QGISによる図面情報への位置情報付与手法の検討」。大量にある紙の図面への位置情報付与のツールとしてQGISを活用する話。まだ実証実験段階とのことだったが、動作は安定している模様なので、リアルな業務でどんどん採用されるだろう。
 アジア航測株式会社 野中 秀樹 氏

 「微妙に進化中:歴史的農業環境閲覧システム」。最近は液状化現象のリスクを知る目的でも利用されるほどポピュラーになったシステムだが、微妙どころか、着実に進化していることがわかる。
 農業環境技術研究所の岩崎亘典氏(OSGeoの運営委員としても超活躍中)

 「北海道地図はデータ面”からも”FOSS4Gを支援致します」。出足の5分はライトニングトークのノリで、笑いを取った感じ。それにしても、QGIS上にGeoHexが展開される絵には圧倒された。
 北海道地図の朝日孝輔氏

 「GEOGridの過去・現在・未来」。大量の地球観測データ(衛星画像など)の配信プラットフォームであるGEOGridは、システムのほとんどがFOSS4GなどのOSSで構築されていて、OGCスタンダードによる配信がされている。私が思うに、現時点でこうしたシステム構成を採用することが最適解だ。

産業技術総合研究所の山本直孝氏

 ここで、私は部屋を変わって、技術セッションに参加。

 「大きく進歩したMapServer6の新機能」。今年、MapServerが2年ぶりのメジャーバージョンアップを行い、実に大きく進化した。そのトピックを紹介。
 オークニーの丹羽誠から

 「FOSS4G Denver 報告―興味深い技術セッションから―」。エンジニアの目から見たデンバー報告。Web系エンジニアなので、興味はそちらの方にやや偏っているけど・・
 オークニーの村上恵から

 ということで、合計3日間にわたる「濃い」FOSS4G Tokyoは、無事終了した。今年は、昨年よりも準備が遅れ、告知も不十分な中での開催であった。結果的には、参加者が昨年をやや下回る水準に留まったのは、とても残念である。一方で、ハンズオンセッションや発表内容の充実度は、間違いなく上がっている。そういう点で、日本におけるFOSS4Gは確実に浸透、発展していて、手応えを感じた。
 
 さらに、今年は初めてアジアの支部との交流が実現した。ITの世界はともすれば、北アメリカだけを見てしまうことが多いが、そうではない、地域的な交流こそ、地域支部(Local Chapter)しかできない部分であることを、(遅ればせながら)学んだ。