横浜スローライフ -- My slow life in Yokohama

位置情報、地理情報に関するサービス、その他日常生活から思ったことを気ままに記す不定期のんびり日記

今日の1枚

2007年01月25日 17時47分53秒 | OSGeo/FOSS4G
 ホテルからカンファレンス会場に向かう車中で撮った1枚。
 自動車学校の教習車

”53年間の良品質のサービス”って書いてあるけど、この街で自動車運転の練習とは、まさに命がけ。走っているクルマの3割くらいは接触を防ぐためにバックミラーを倒しているような街なので、ここで合格したら、世界中どこでも走れそう。

先のことはわからない?!

2007年01月25日 02時54分42秒 | OSGeo/FOSS4G

 ハイデラバードに来て3日が過ぎた。ホテルの部屋の砂埃にも慣れたが、車、バイクや人の流れは何回移動してもスリルがありすぎる。とにかく、誰も道を譲らないし、人や自転車はもちろん、バイクや時にはクルマが車線を逆走してくるのはたまらない。交差点で止まると、物乞いの子供達が寄ってきてクルマのガラスをドンドンたたいて、中にはドアを開けようとしてくる(もちろん運転手が鍵をかけているが)。

 でも、それは単に慣れるだけなのだが、ここで困るのは、次の行動や予定が全然見通せないことである。
 チェックインした初日、私に「1時間待ったら迎えに行くから」と告げた招聘元の人は、2時間経っても来てくれない。携帯電話番号を教えてもらっていないのでどうしようもない。仕方が無くメールを手当たり次第に送ったら、3時間近く経ってから電話があり「ゴメンゴメン、使いの人が、ホテルのフロントの人から”あのゲストはもう出かけた”と聞いて、よく確認せずに帰ってしまったんだ」と。う~ん、珍道中の予感。

 予感は的中する。このホテル、26日にチェックアウトの予定なのだが、どう間違ったのか24日になっていて、フロントで私が26日まで宿泊したいと言っても「No room sir!」の一点張りで途方に暮れる。招聘元の人に頼むと、第一声が「No problem」。真に受けてはいけない、これはせいぜい「あきらめるな」程度の意味のようだ。その後、その人がフロントと電話や直接会って何度も押し問答して、結果的に24日の朝になって26日まで滞在できることになった。あ~あ、ヒヤヒヤする。

 それとは別に問題がある。誰がどこに泊まって、何時どこに集まるべきなのか、という情報が全然無い。信頼できるタクシーが希少な都市なので、招聘元が手配した、いわゆる「ハイヤー」に頼るのだが、それが朝何時に迎えに来て、夕方何時に帰るのかは、その直前にバタバタと決まるのだ。たまたまカンファレンスの会場で、手配している人に会って聞くと「じゃあ何時にしようか」で決まる。だから、同行の人とその情報をまめに交換し合って、裏を取っておかないとはまってしまう。

 会合のアポもそんな感じで、朝「3時半から会議があるから参加しないか?」と誘われ、その時間にOSGeoブースで待ち合わせしても、その人はいない。あちらこちら歩いて探していると、突然どこからともなく現れ、「もう始まるよ!部屋はこっち」と。オイオイ、それはないだろう、、、などと野暮なことを言ったらこの地では務まらない。

 ラガワン先生はさすがインドの人だけあるのか、いつの間にか自分で情報を入手して自由自在、生き生きしている。1分先がわからない日本人の私は心配するばかり。タイから大阪市立大学に来ているSarawutさんすら「タイ人でもとても心配だ」と。人生、先のことはわからないとは言え、仕事で来ている私には相当なストレスになる。

 クルマの運転もこれと通じるところがある。みんな好き勝手に運転している。それでもあうんの呼吸で、まずぶつからない。人やバイクがクルマの陰から何台も連続して飛び出してくる。先のことは考えても全く意味はない。ひたすらクラクションを鳴らして、ブレーキとハンドルを器用に扱うのみだ。運転の仕方について招請元の人が言っていた「これは日常生活だから」。そう、クルマだけでなくて、こういう発想が全てのことに浸透している。

 で、まだ決まっていないのは、明日の朝どうやって会場まで行くかという手配である。ま、明日の朝になれば何とかなるだろう。


Map World Forum報告

2007年01月25日 02時17分32秒 | OSGeo/FOSS4G
 インドのハイデラバードで開催されているMap World Forumの報告を少々。
 ハイデラバードはバンガロールに次いでIT産業が盛んな都市で、特にリモートセンシングなどの地理情報系は強いところだという。喧噪と混沌の市街地を抜けて30分、まわりがやや落ち着き始めたところに「ハイテクシティ」があって、すでに100社以上のIT企業が立地しているという。顧客の多くは北米をはじめとした著名企業で、オフショア開発で相当繁盛しているようである。真新しいビルがいくつか並んでいるが、そのすぐ脇に”テント村(スラム)”があったりして、その激しい格差には驚かされるが。

 コンベンションセンターは、外界からはフェンスで完全に仕切られた中にあり、大変近代的なつくりである。ここが、あのハイデラバードということを完全に忘れさせてくれるほどだ。
 近代的なコンベンションセンター
隣には豪華なホテルがあって、これまた別世界である。

 人であふれる昼食会場

 私の今回の参加目的は、OSGeo支部同士のネットワーキングにあり、ちょうどこのタイミングでインドの支部ができることになっている。広い展示会場の一角にはインド支部のブースもあり、私はここを拠点にしている。OSGeoの良いところは、どこに行っても自分の「居場所」があることだ。

 今回はラガワン先生の事前の手配のおかげで、私の名前を知っている人が結構いて、挨拶をすると「聞いているよ」という反応が多い。中国支部のChen氏ともようやくここで出会える。インドの人と挨拶をしていたら、流暢な日本語で話しかけてくる人がいる。思わず「どこで日本語を勉強したのですか?」と聞いたら「あれ、忘れたの?」と突っ込まれる。あ、そうだ、一昨年AITのDr. Nitinと一緒に駒場で会ったDr. Rajanだ。まさかここで再会できるとは。当時東大の研究生だったのだが、今は地元ハイデラバードの大学で助教授をしているそうだ。そしてOSGeoの財務責任者に就任しているそうだ。
 OSGeoインド支部のブース

 ブースには入れ替わり立ち替わり訪問者が来て、結構にぎわっている。来場者の多くは日本的な表現では「地理院」や「リモートセンシングセンター」、大学などの政府やアカデミックの関係者がとても多い。主として彼らの研究に使うツールとして、FOSS4Gを積極的に活用しようとしている。価格面での有利さは彼らも認めているが、それだけではない。インドは英語とヒンズー語が公用語であるが、実際には地域ごとに言葉と文字が違うらしく、特に対象者が専門家でない場合には多言語対応が有効とのこと。ところが、大手ベンダーの製品は、そこまで対応できない。そこでソースコードをいじくれるFOSS4Gツールが有効らしい。

さて、24日はOSGeoのセッションが開催され、ここで私も講演をすることになった。
 会場は満席

 OSGeoインド支部の代表、役員からの説明に続き昨年12月のOSGeo財団日本支部設立記念カンファレンスでも講演した、Autodesk社のGeoff氏からの講演(タイトルと内容は12月と大体同じ)、中国支部のChen氏による活動紹介があり、その次が私の番。ラガワン先生から私に与えられたお題は「Free and Open Source Software Business Solutions and OSGeo Japan Chapter」というもの。
 私の出番は20分間

 日本の場合は、アジア地域では珍しく、大学や研究機関だけではなくて、企業(=私の会社)がFOSS4Gツールの利用普及を進めてきたことである。そうした経緯を交えて、私はOSGeoの活動とあわせて説明した。参加者の関心はやはり、どうやってビジネスをするのか、にあるようで、講演が終わったら何人もの人がコメントや質問をしてくれる。(なぁんだWork togetherと最後のスライドに書いたけど、もう一言Make moneyと書いた方が受けが良かったかな?)

 最後に集合写真

 この後、インド支部の設立と運営に関する会議が開かれ、私もオブザーバーとして参加。日本人と違って皆さん議論がとて好きで、実に上手なのには舌を巻く。みんな早口の英語で、独特のなまりがあるので、良く聞き取れないところもちらほらあるが、法人組織の設立の話、組織体制、役員の選任などを活発に議論しながらも、てきぱきと進む。すごいなぁ。インド人も、じゃなくて日本人もびっくり!