いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

イギリスのEU離脱・・・もともとイギリスは、EUにいやいや加盟していたようなところがあります。

2016年06月25日 01時55分19秒 | 日記

 イギリスは、国民投票で、EUから離脱することを決めました。
 EUにとどまることを主張していたキャメロン首相は、この国民
投票の結果を見て、首相を辞任することを表明しました。
 キャメロン首相は、EUから脱退する道筋にメドをつけてから辞
めるとしています。3か月後ぐらいになりそうです。
 ただし、EUから脱退するには、いろいろと手続きが必要で、実
際には、いまから2年ぐらいかかるのではないかということです。
 なにしろ、脱退はこれが初めてのことなので、なにもかも手探り
ということになります。

 日本時間の24日昼過ぎには、BBCが国民投票は離脱が過半数
を占めると報じ、外為市場も株式市場も、大荒れになりました。
 外為市場は円高が進み、株式市場は急落しました。
週明けの各国の市場は、引き続き、動揺した展開になるでしょう。
 この動揺は、いつ収まるのか、予想もつきません。

 イギリスは、もともと、EU加盟に、決して積極的ではなかった
のです。
 どちらかというと、いやいや入っていたという感じがありました。

 その証拠というと変ですが、イギリスは、EUの共通通貨でああ
るユーロを使わず、昔からのイギリスの通貨であるポンドを、その
まま使っていたのです。
 EUは域内をひとつの国のようにしたいというのが、その理念で
す。ひとつの国のようにするには、通貨が同じであることが、重要
な条件になります。
 日本が、日本というひとつの国であるには、日本中で円を使って
いるというのが大きいのです。これがもし、たとえば九州は円では
なく、別の通貨を使っているということになれば、九州に行くとき
には通貨を両替しなければなりません。そんなことになっていれば、
とても、ひとつの国とはいえません。
 ところが、イギリスは、EUに加盟しながら、独自の通貨として、
ポンドを使ってきたのです。
 EUの統一にとって最も重要なことのひとつが通貨なのに、その
通貨を、共通のユーロではなく、独自のポンドを使っていたという
その一点で、イギリスが異質だったことがよく分かります。
 イギリスは、EUに、いやいや入っていたようなところがあった
のです。

 今回、イギリスの国民投票でEU離脱派が勝ったのは、移民によ
ってイギリス人の仕事が奪われるという反発が、大きな原因のひと
つになっています。
 EUは、域内の人の動きを極力自由にしましょうという方針を作
っています。
 EU諸国の空港に行くと、通関が、EUと、EU以外とに分かれ
ています。EU諸国から同じEU諸国に移動するときは、通関が簡
単で、すぐに入国できます。
 EU以外の国からEUに入るときは、EU以外という通関を通ら
なければならず、入国の手続きをしっかりやる必要があります。
 人の動きが自由になったため、イギリスにもEU諸国、とくに所
得の低い東欧諸国からの入国が増え、その人たちに、イギリス人の
仕事が奪われたと、そういうのです。同じEUの国からの移民です。
 EUから離脱すれば、そういう移民が入国しにくくなり、イギリ
ス人の雇用が守れるというわけです。

                   (続く)