きょうから2月です。
2月4日の土曜日は、もう、立春です。
去年、このブログを始めたばかりのころ、一度書いたの
ですが、気になるので、また書いておきます。
立春の「恵方巻き」とやらのことです。
きょうもテレビで、
「立春というと恵方巻きです。
恵方巻きは、関西の習慣で、その年のめでたい方角、恵
方を向いて、太巻き寿司を食べるというものです」
と、解説していました。
しかし、これは、恵方巻きというものを、一般化しすぎています。
私は、神戸生まれで、大学に入るまで神戸で育ち、神戸、大阪、京都
のことはよく知っていますが、周囲で、恵方巻きというものを見たこと
はなかったのです。
恵方巻きという言葉そのものも、聞いたことがありませんでした。
私の祖母は、神戸で、明治に生まれました。もう他界し
ましたが、まさしく「明治の女」でした。
どう「明治の女」かというと、神様、仏様を大事にし、
習俗・風習はしっかり実践するのです。
お正月には、盛大に、お節料理を作ります。
ひなまつりもやります。
京都の神社やお寺には、なにかあると、必ずお参りして
いました。
その祖母が、ただの一度も、「恵方巻き」というものを
やったことがありません。
恵方巻きという言葉も言わなければ、立春に太巻き寿司
を食べたこともありません。
ご近所さんを見ても、立春に太巻き寿司を食べるなどと
いうことはありませんでした。
当時は、もちろんまだコンビニなどというものはなく、
駅前の市場や商店街がにぎわっていたころです。市場や商
店街は、当然、なにか行事があると、それに関連した食べ
物や商品を売り出します。しかし、神戸の市場や商店街で、
立春にお寿司を売り出す風景などは、見たことがありません。
本当に恵方巻きというものがあって、関西が本場だとい
うのなら、当時、関西のテレビ局は、立春になると、ここ
ぞとばかり、恵方巻きのCMを流したでしょうが、しかし、
そんなCMを見た記憶もありません。
恵方巻きというものを見始めたのは、ここ20年のことでは
ないでしょうか。
私自身、神戸にいるころは、恵方巻きという言葉を聞いたこと
がなく、この20年ほど、コンビニで、恵方巻きの広告を見るように
なって、初めて、恵方巻きという言葉を知りました。
最近は、デパートの地下でも、見るようになりました。
そして、テレビの朝のワイドショーです。
だいたい、恵方って、だれがどうやって決めるのでしょう?
神戸、大阪、京都で、かつて、そんなに方角のことは気
にすることもなかったと思います。
北枕はいけないとか、そういうことはありましたが、こ
の方向がいいとか悪いとか、そんなことを言う大人たちは
いなかったのではないでしょうか。私の祖母も、そんなこ
とを言ってはいませんでした。
恵方巻きは、立春にイベントを作って、商品を売りたい
流通業界や食品業界が、意図的に仕立て上げた「架空の風
習」のように思えるのです。
ーーというブログを書くと、
・ いや、関西にもあった。
・ 子供のころ、家族で太巻き寿司を食べた。
・ 昔から、今年の恵方に向かって寿司を食べた
ーーというコメントをたくさんいだできます。
しかし、その一方で、
・ その通り。私もそんな習慣、知らなかった。
・ 東海地方では恵方巻きはなかった。
ーーというようなコメントもいただきます。
総合すると、恵方巻きは、各地にある習慣のようです。
といって、全国どこででもやっているという習慣でもないようです。
今年(2020年)は、農水省が、恵方巻きで大量の売れのこし
が出ることを心配し、コンビニやデパートに、適量の販売を
要請しました。
そんなことに政府が首を突っ込むことでもないように思いますが、
まあ、それだけ、最近はイベント化しているということなの
でしょう。
餅つきのような全国どこにでも昔からある習慣なら、食べ残しを
心配するようなこともないでしょう。
政府が食べ残しを心配するというのも、大きなお世話ですが、まあ、
それだけ、イベント化してしまったということなのでしょう。
餅つきで、農水省が、餅をつきすぎないでくださいと心配した
というような話は聞いたことがありませんから。
結論からいうと、恵方巻きは、する地域もあるし、しない地域も
ある、ということのようです。
最近は、イベント化しているということなのでしょう。