いまジャーナリストとして

 いま私たちの目の前に、次々と現れるニュースをどうとらえ、どう判断するか・・・ジャーナリストの日誌。

節電でサマータイム?・・・これは欧州のような緯度の高い地域のものです。日本では無意味です。

2011年05月19日 23時58分22秒 | 日記



 福島原発の事故に伴い、節電の必要が出てきました。
 それはしようがないのですが、節電のためと称して、「サ
マータイム」の導入が一部で主張されています。
これは、危ない。
 サマータイムの導入は、日本にとって、まったく意味が
ありません。
 サマータイムは、絶対にやるべきではありません。

 なぜか。
 サマータイムは、欧州やアメリカ東部のような、緯度の
高い地域でこそ、初めて意味のある方策だからです。
 日本のような中緯度の地方でサマータイムを実施して
も、何の意味もありません。それどころか、生活が混乱す
るだけでしょう。
 サマータイムは高緯度地方のものです。
 地理的環境が違う地域のシステムを、別の地理的地域で、
ただ形だけ導入するというのは、まったく意味のないこと
です。

風土を無視して形だけ導するのは意味がなく、悪い影響
さえもたらします。

 サマータイム導入の議論に際しては、そのことをぜひ
踏まえてほしいのです。

 きょうは時間がありませんので、ここまでの予告編とし
ておきます。
 サマータイムには意味がないという本編は、明日までお
待ちください。
 

君が代の続きです・・・卒業式に国歌を斉唱する国は、実は、少ない。世界の常識ではないようです。

2011年05月19日 02時34分42秒 | 日記

 きのうのブログで紹介した新保信長さんの本「国歌斉唱」
(河出書房新社)は、君が代をめぐる基本的な知識を提供
してくれます。
 君が代の歌おうと主張する人たちは、よく「世界の国で
は国歌を歌うのが当たり前」と言います。
 それが、どうもそうではない。
 この本で、そのことが大変よく分かります。

 この本は、文部科学省が2002年に発行した「諸外国
の初等中等教育」という報告書を紹介しています。
 政府刊行物センターで売っているようなので、来週にで
も買ってきます。
 その前に、新保さんの本が取り上げている文科省の「諸
外国の初等中等教育」を紹介しておきます。孫引きみたい
になるので、ちょっと気がひけるのですが、あまりにおも
しろいので、ちょっと失礼します。

 文科省の「諸外国の」は、アメリカ、イギリス、ドイツ、
イタリア、カナダ、ロシア、中国の8か国の教育制度を調
べたものです。
 その中に、「学校における国旗・国歌の取り扱い」とい
う表があります。
 その表によると、イギリス、フランス、イタリアの3か
国では、通常、学校で国歌が演奏されることはないという
ことです。ただし、フランスでは2005年に国歌が必修
になったようですが、これはまたのちほど確認します。
 アメリカは、連邦法で、国旗掲揚中の国歌演奏に際して
は国旗に向かって起立することが規定されているそうで
す。しかし、学校での義務づけ規定はとくにないとのこと
です。これは文科省の発行物ですよ。
 
 そして、結局、この8か国のうち、学校行事で国歌斉唱
や演奏があるのは、カナダ、ロシア、中国の3か国だけで
す。
 カナダ、ロシアは、国や州の法で決まっているのではな
く、各校の判断で慣習的にしているだけだそうです。

 結局、学校で厳しく国歌斉唱を求めているのは、共産主
義の中国だけです。

 内容は以上の通りですが、これは、繰り返しますが、文
科省みずからの資料です。
 結論をいえば、卒業式で国歌を斉唱するのは、「世界各
国の常識」ではないーーということです。

 君が代を義務化しようという人たちの言い分が、いかに
あいまいなものかということが、大変よく分かります。
 
 そして、国歌を強制しているのが共産主義国である中国
だという事実を、考えてみてください。

 世界の国では、国歌を大事にしていて、学校の卒業式で
は必ず歌っているーーなどと言うのは、もうやめにしまし
ょう。