駅で電車待ち、少し離れて待ちましょう！

先日友達のお墓参りに行ってきました。
まだできたばかりの新しいお墓です。
黒いピカピカ光る墓石が焼け付くように暑かったので、
水をたくさんかけ、残りはお供えしておきました。
一瞬で蒸発し空中に消え去ったので、きっと少しは涼しく感じてくれたでしょう。

彼の早すぎる死は本当に残念でなりません。
あれから約3ヶ月の月日が流れましたが、
事故直後の検視のときに見た姿が頭から離れずにいます。
「Jさんで間違いないですか」そう警察から確認された時、
正直とまどいました。
生前の彼とあまりにかけはなれた顔立ちだったので、
何度も見てきた姿と一致しなかったのです。

でも、確認がとれなければ家に帰れません。
葬式だってできません。
次から次に出てくる涙をぬぐいながら、
どうにか目を向けるのですが、やはり私にはわかりませんでした。
最後はお母さんが黒子の位置などで特定する事になったのです。

彼は事故死でした。
駅のホームで急行電車がホームに入って来た時に、
フラっと転落してしまったのです。
何が起こったのかそれはあいつにしかわかりません。
でもきっと疲れていて、持病の薬などの影響もあって、
それで勢いよく入ってきた列車に引き込まれてしまったのだと思います。

急いでいても、気がせいていても、
できるならホームの端で待つのは避けましょう。
なんかの不幸な偶然が重なって倒れこんでしまうことがあるかもしれません。

２０年も３０年もいや、
それ以上の付き合いがあった親友の顔すらわからなくなるのが、
電車の事故です。

人はできるなら順番どおりに死ぬのがいいのです。
いえ、死ななければいつまでも生きていて欲しいですが、
残念ですがいつか旅立たなければなりません。
でも、年老いた親より早く死ぬ事ほどの親不孝はやはりないのです。

ご高齢のお父さんが歩く事もできないほどショックを受けた姿は言葉で表せません。
車内が多少混んでいたっていいではないですか。
一歩、二歩後ろに下がって、大切な命を、死ななくて良かった命を大切しようと思うのです。

「息子の分も幸せに生きてね」
そうおっしゃったおばちゃんの言葉を生涯忘れないでしょう。