「訪中団 分科会2」

2007年12月14日 | 外交・防衛
訪中の「外交・安保」分科会では、私は中国の軍事力に対する懸念を述べさせてもらいました。

分科会で、日本側から中国に対する苦言を呈したのは私だけだったのではないでしょうか。

要約いたしますと、

①中国の軍事力の透明性が不十分である。
②中国の軍事力増強は「確かな脅威」になる可能性がある。
③偶発的な衝突を避ける為にも日中当局間の信頼醸成をはかる必要がある。

しかしながら、協議自体が3時間と極めて少なく、おまけに「台湾・チベット」問題に大幅に時間を費やさなければならなかった為に、
充分に議論する事ができませんでしたが、中国側からは北東アジアに対する考えを聞く事は出来ました。

中国の認識としては、北東アジアは全体的には安定しているが、現実的・潜在的な不安もある。
それらは、「米国が北東アジアで同盟を強め、戦力を増強していること」、「台湾独立の動きも不安定要因」である。

我が国に対しては、①日米同盟の強化②自衛隊の海外展開③日本の軍事力の強化等の中国側の懸念材料が述べられた。

少ない時間だったので、充分な議論は次回日本で開催される協議機構に持ち越されう事になりましたが、
今の日中両国の考えは互いが互いを「何を考えてるのか分からない」と疑心暗鬼になってるのが現状ではないでしょうか。

今後の世界を考える上では、アジアは必ず欧米と並びます。日本と中国という二つの経済大国をアジアは有する事になる。
世界そして、両国の国益を考える上では、日中両国は決して対立するのではなく、「共生」を目指さなければなりません。

互いの警戒心を取り除く為にも、両国の防衛交流・民間交流・政治交流を深め、両国の相互信頼を確立し、政治の相互信頼を確立する為にも対話を深めるべきであります。

今回の分科会では、双方の相互信頼構築が急務であると、日中両国が共通認識として持っている事を確認できた事は有意義でした。

今回、中国を訪問するまで、私は中国に対して警戒心があらゆる面でありました(特に外交・軍事・エネルギー・歴史問題等々で)。
今回で全てが払拭出来たわけではありませんが、お互いが努力して相互信頼を勝ち取らなければなりません。

今回の訪中で、多くのこれからの中国のリーダーになるであろう若手と交流できましたが、このパイプも大きくしていき、
我が国の国益を損なう事がない日中の架け橋の一人となれるよう頑張ってまいります。