原作は小説家・井上靖が68歳の時に出版した自伝的小説。
ある疑念をもって母親と向き合った8年間の想いが描かれています。高齢の母親が痴ほう症となり、周囲の人たちが振り回されますが、その様子が悲しく、時にユーモラスに描かれています。
舞台は伊豆、東京(世田谷)、軽井沢、そして葉山。
内容について簡単に触れると・・・。
作家の洪作(役所宏司)は幼少期に兄妹のなかでひとり、両親と離れて育てられました。そのことから、母親・八重(樹木希林)に、土蔵のおばあちゃんのもとに捨てられたのではないかと疑問に思い、母親と距離を置く感情にとらわれていました。
しかし、父親が亡くなり、長男の洪作は八重と向き合って暮らさざるをえなくなります。年を重ね、物忘れの激しくなった母親と過去の出来事で言い争いが絶えません。
ある日の夜、八重が行方不明に。彼女はトラック運転手のたまり場を訪れ、「海を渡った息子に会いたい」と頼みます。頼みを引き受けたトラック運転手に港まで連れていってもらった八重。それを知った洪作は必至で母を追いかけ、やっと母親を見つけます。
八重は「やっと息子に会えた」と洪作を抱きしめます。母親の八重は洪作を手放した過去を悔やみ息子を探して徘徊していたのでした。
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