原作は現代アメリカ文学を代表する作家フィリップ・ロスによる「いつわり」、そしてこの映画の原題も「いつわり」。
邦題にある「レア・セドゥの」は意味不明です。たぶん、美人女優でフランス映画ファンなら誰でも知っている彼女の名前を書き込んでの「客寄せ」です。
「いつわり」は、この映画の主人公のひとり作家フィリップの小説のタイトルでもあります。
映画化しにくい作品をデプレシャン監督が挑戦しましたが、やや観念的、抽象的でわかりにくい心理的会話が横溢した映画です。
主要な舞台は1987年ロンドン。そしてプラハ、ニューヨーク。
夫との結婚生活に不満があるイギリス人女性(レア・セドゥ)は、ユダヤ系アメリカ人の人気作家フィリップ(ドゥニ・ポダリデス)の仕事場を度々訪れ、そこで二人は人生、宗教、愛、社会、互いの夫婦生活に関する会話を交わします。
フィリップは女性との会話を丁寧に書きとめ、次の作品創作に活かしていました。彼のその創作ノートには、NYで入院している昔の愛人、チェコから亡命してきた女性、かつての教え子など複数の女性も登場します。
フィリップの小説の手法は、女性との会話を事細かに書き留め、それを自分の小説にしたてるというもので、結果的に、自分の妻以外に数多くの女性との「関係」があった事を語ることになっています。
その結果、妻に自分の大事な創作ノートを盗み読みされ、自分の仕事場で女性との逢瀬を重ねていたが発覚し・・・。
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