「キャタピラー」は「芋虫」という意味です。戦争で四肢を失った人間の象徴です。
似たような状況設定の映画と言えばダルトン・トランボ監督「ジョニーは戦場へいった」(1971年)が有名です(展開はまるで異なりますが)。第一次大戦で両手,両足を失った青年の苦悩,過去の記憶,夢,現実,死を描いています。「キャタピラ」は、この映画を
彷彿させます。
舞台は、1940年のとある農村。
青年、黒川久蔵(大西信満)は日中戦争に駆り出され、それから4年後、頭部に深い火傷を負い、四肢を失った姿で村に帰還します。戦線で爆弾の爆発に巻き込まれた彼は、声帯を傷つけ話すことができない上、耳もほとんど聴こえない状態です。
「不死身の兵士」と新聞に書き立てられ、少尉に昇進。久蔵を村人は「軍神様」と崇めたてまつり、称えます。しかし、親戚は、妻のシゲ子(寺島しのぶ)に世話の一切を押し付けます。
シゲ子は変わり果てた久藏に絶望し、無理心中を図り久蔵を殺そうとしますが果たせず、軍神の妻として献身的に尽くしますが・・・・。
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