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Islander's diary ~離島ライフ~

隠岐諸島最南端に位置する知夫里島の自然と、日々の何気ない出来事を書き留める。時間が止まってるような、止まってないような…

神話のハジマリ

2015-07-09 11:12:04 | 知夫里島ジオ


前回、壊したiPhoneにたいした写真入ってなかったなんていいましたが、
やっぱり入ってました。
6月27日土曜日に開催された、『神話のハジマリ』という、神島にまつわる神話と歴史についての勉強会の写真が…

今現在、手に入るこれらの写真で公開することにします。



知夫で一番大きな神社、天佐志比古命神社(一宮神社)の神様は、西暦585年頃、
6世紀後半に知夫里島の南に位置する神島に降臨されたという言い伝えがあります。

知夫の南側からは大体この神島がよく見えます。
ここは赤壁の手前の道ですが、ここからも見えますね。



気づかないくらいひっそりと『猫が岩屋古墳』はあります。
崩れてしまって、素人には古墳とわかるかわからないかのような姿ですが…

この古墳の南側の、海に近い地域には昔水田がありました。
おそらくそれなりに大きな集落があって、その土地の首長のような方がここに埋葬されたということです。
神島が見える、神の御加護を受けられるようにと、この場所に置かれたのではないかとみられます。




仁夫里地区へ向かう途中の道です。



仁夫の小高い丘にある『石の唐櫃(からと)古墳』。
藪をはらえば、ここも神島が見える場所です。

去年も訪れましたが、その時小学生の発見した土器の破片から、
この古墳が6世紀後半のものだと判断されました。
同じスタイルの猫が岩屋古墳もたぶん同じ時代でしょう。



天佐志比古命が神島に降臨されたのが6世紀後半、
そして知夫に現存しているこの二つの古墳も6世紀後半の遺物。

黒曜石の本土への輸出の形跡や、縄文土器の発見などから、
隠岐には旧石器時代から人類が存在していたと推定されていますが、

人の生活、営みの跡が6世紀後半からは明確な姿として残されているということです。
神様の降臨は、神話ではありますが、
そのころの(知夫の)人々の信仰のあり方というか、意識が容易に想像されます。





こちらは同じ仁夫の海沿いにあった高津久横穴墓群から出土した、太刀と土器。
ハゾウとは、この開いている穴に竹等の管を差し込んで液体を注ぐのに使ったらしいです。

もちろんこの横穴墓からも神島がよく見えます。


585年から587年頃に神島に降臨という言い伝えがあるからには、
その頃になにか特別な出来事があったのかな?などとあれこれと想像してしまいます。
本当に神がかり的に英知に長けた人物がやってきたのかもしれない、
天変地異みたいな自然現象があったのかもしれない、
それから大漁とか豊作とかいいことがたくさんあったのかもしれない、などなど。

それから、今月に入って知ったことなのですが、
天佐志比古命の別名は、大巳貴命(おおなむちのみこと)というのですが、
この大巳貴命、またの名は大国主命(おおくにぬしのみこと)であり、
つまり出雲の国の主神であります。
(大国主命は名前が50以上あるそうです。)

その時、いったい何が起こったのか、誰が何をしたのか答えの出しようがありません。
できることならタイムスリップして大国主命が知夫に奉られた瞬間を見てみたいものです。









松養寺散歩

2015-05-13 15:29:38 | 知夫里島ジオ


先週の天気の良い日に、自宅の北側にある松養寺へ言ってきました。
道路が舗装されたと聞いたのでちょっと見てみようかなと。



お寺に行くまでに、文覚上人のお墓があります。知る人ぞ知るお坊さん。



ウィキペディア読んでもあまり詳しいことは書いて無いんですが…
観光のお客さんで、文覚上人のお墓に行きたいという人は結構多いので、
なぜそんなに有名なのか知りたいです。

日本のいくつかの土地にお墓があるようです。
なぜ何か所もあるのか???影武者でもいたのだろうか???


先へ進むと、竹林があり、タケノコの育ったのがたくさん。
今年芽が出て、もうこんなに伸びたのかと。竹って世代交代はやいのかな。



ここも墓地。五輪塔。



目印のようなお地蔵さん。



松養寺。隠岐に流された後醍醐天皇が名前を付けたお寺です。



小倉宮教尊法親皇のお墓もあります。
権力争いなどの理由で流されるのでしょうかね…



松養寺という名でありながら、トレードマーク的な木は銀杏です。
なかなか立派な大きさで、たぶん周囲は4メートルくらいはあります。



春は緑のもみじも綺麗でした。



帰り道、山帰来の葉が大きくなってたのでついつい摘んでしまい、
柏餅を作りました。

最後は食で終わるアイランダーでした。

ガイド講座~島津島

2015-02-24 09:52:23 | 知夫里島ジオ


先週ガイド講座があり、島津島に行って来ました。
知夫里島のさらに離れ小島ですが、橋が架かっているので、徒歩で渡れます。





白い砂浜があり、夏は知夫で一番にぎやかなビーチになります。
橋のおかげでアクセス万全なのですが、多くの地元の人は自家用船でブィーンと来ます



写真は撮りませんでしたが、
『お松の碑』という記念碑があります。
北前船で知夫に立ち寄った船乗りさんと恋に落ちたお松という名前の女性が、
その船乗りさんに唄を教えてもらい、
知夫の民謡『どっさり節』が誕生したということです。

『どっさり』は、たくさんという意味でなく、どうにかこうにか、という意味だそうです。

でも、その船乗りさんとの恋は成就せず。

現代に生きる中年の私からすれば、
まあ、本土の男性には憧れるかもね~小さい島から広い世界に連れ出してほしいとか夢見るからフィルターかかるよね~

…とか思ってしまいます。
…身に覚えがあるような言い方だな(滝汗



こんな不思議なディテールの岩礁もあり。
このローズ色がなんとも美しい
こんな石で垣とか作れたらいいのに。
なんの成分なんだろう?誰か教えて下さい。




ガイド講師の先生は海士町に住んでらっしゃるのですが、
隠岐諸島の中ではやはり知夫が一番本土がよく見える島なので、昔話や神話を語る時にはイメージがしやすいですね、
と、おっしゃってました。

私の生まれ育った地区なので、この界隈はしっかりご案内できるようになりたいなぁと思ったりします。

石見銀山おまけ

2014-09-15 22:42:31 | 知夫里島ジオ
全行程四時間くらいで終了。
30分バスに乗って大田市駅に到着。
JRで松江に戻ります。



おおっと~ホームに頭サザエのゆるキャラが~



名前の由来は正直知らないけど、島根県石見地方のキャラ、らとちゃんだ

そんな歳じゃないけど、観光協会に関わりある者としては協力しなきゃという気待ちになって、
記念写真お願いしました



でもなぜか、次々と別のキャラが現れて…





本当にゆるキャラなのかみたいな目つき…

観光PRのため、駅に集合してたみたいです。



石見銀山その3

2014-09-15 22:04:22 | 知夫里島ジオ


坑道を出て自転車置き場まで700メートルぐらいの道を散策します。
さすがにこういう景色は13平方キロしかない離島にはないですな。



こういう山寺も。



下り坂を気持ち良くすいすい自転車で駆けて、
返す前に雰囲気の良さそうなカフェでいかにもなカフェランチ



その後は歩いてぼちぼち買い物したかったので、弥七39号を返却。
世話になったぜ、弥七








このような古民家の町並みを散策しつつお土産探しをして。

観光客はそんなに多くはなかったけど!
たくさん人ご来てわいわい賑やか過ぎるよりは、これくらいが落ち着いてて良いと思います。

あまり商業化されてない感じも良かったかな。
以外にお若いカップル率高かったですね

もう一つ以外だったのは英語の表記を全くと言っていいほどみかけなかったこと。
知夫のジオパーク案内板やパンフ、英語訳満載なんですけど、世界遺産てあまりその辺は重要視されてないのかな。
どちらが良いって話じゃないんですけどね。






石見銀山その2

2014-09-15 14:29:09 | 知夫里島ジオ


まあ分かりにくいですが、中です。
気温14度、快適な涼しさ。



自撮りしてみましたが、気持ち悪いですね…
高さがなくて、160センチメートルの私でも屈まないと通れません。頭を何度かぶつけました。
あと上から水がポタポタ落ちて来るし。



一番奥まで歩いて160メートルで、そこから先は進めませんが、江戸時代に掘った穴を覗くことか出来ました。







帰り道の新坑道にはこういった絵図で当時の採掘の様子が解説してあります。

掘ることよりも、どんどん染み出て来る水を外に出す方が大変な作業だったそうです。
ポンプを使い水を汲み上げて逃がし、また外からの空気を送る作業ももちろん必要だったと…



出口に図解もありましたが、このような坑道があちこちアリの巣のように張り巡らされてるようです。
すごいですね~


石見銀山(女)一人旅

2014-09-15 12:06:27 | 知夫里島ジオ
約四ヶ月ぶりの島脱出!
島根県内にある、一番近場の世界遺産!
石見銀山へ一人でやって来ました~



まずは往復5キロの道のりを電動自転車借りて走ります。
弥七39号、カッコイイ



古海か仁夫へ行くような緩い坂道をひたすら走ります。
見慣れたような風景に新鮮さは全く感じない…



20分ぐらい走ったかな?
坑道に入る切符買います。



今現在見学出来る唯一の坑道、龍源寺間歩(りゅうげんじまほ…間歩とは、銀鉱石を採掘するための坑道のこと)です。

中にはいります

続く。


集結

2014-08-01 12:01:38 | 知夫里島ジオ


既婚者ですし立派な中年ですが、
このたび初めて巫女舞、舞わせて頂きました。



2人一緒に舞いました。お互い新人で緊張しておりましたが、大きな間違いもなく無事に終わりました

次の祭は2年後ですが、それまでには新しい舞も覚えるように勧められました。
神様が舞う為に御座を敷いてありますが、
その御座を清める、その名も『御座清め』という舞です。

こうご期待❗️



ところで、この度の一宮さんの祭に合わせて二組の外国人夫婦が知夫を訪ねて来ました。

まずは、去年まで知夫にALTとして住んでいたMさんKさん夫妻
旦那さんは前回と同じく、知夫の人達と神輿を担ぎたかったんだけど、今年は神輿無しだったので、
ちょっと残念そうでしたけど…
でも懐かしい知夫の面々と再会して近況報告し合ってとてもうれしそうでした!



もう一組はフランス人と中国人のご夫婦
もう16年前になりますが奥さんと私はパリのフランス語学校のクラスメートで、
お互いパリに来たばかりで他に友達もいなくて、学校でも休みの日でもいつも一緒にいました。

私は3年と経たずに日本に帰りましたが、彼女もその2年後くらいには旦那さんの転勤で香港へ。
8年前に東京に来た時に、私も会いに行きましたが、
今回はそれ以来の再会でした。



で、やはりはるばる知夫まで訪ねて来てくれた礼儀としてこの二組の外国人夫婦を我が家に招待し、
英会話メンバーの方々に料理も手伝ってもらい、
英語フランス語日本語混じり合っての楽しい食事会となりました。

私達以外のご夫婦は皆、旦那さんの方が料理が得意で、
うちの旦那慌ててサザエのバター炒めなどを作ったりして大いに笑いを取っていました

神楽、フランス語、英語とこれまで細々と地道に続けている趣味が集約されたような先週末でした。
神楽についてはもっともっとそれぞらの言語で説明できるようにならないといけないのですが。




知られざる知夫の歴史を歩く・探る その2

2014-07-20 15:31:22 | 知夫里島ジオ
仁夫地区の小高い場所にある石の唐櫃(からと)古墳です。
集落から離れた、見晴らしの良い場所に、
わざわざ大きな岩石を運んで積み上げて作ったお墓。
つまりこのあたりで一番地位の高かった人、首長、王様のような立場の人のお墓ということです。





南側が入り口で、ご遺体の頭も南側に置かれたそうです。
天井も岩で蓋がしてあり、全体は土で覆われていました。
島根の出雲地方では、四角く盛り上げた古墳だそうですが、
隠岐で見つかっているのは円墳ということです。

この仁夫の古墳はどうだったのでしょう?
おそらくは他の隠岐地区と同じ円墳だったのでしょうが、
影響を受けているはずの出雲と形が違うのも不思議ですね。



そして、『古海の横穴墓まわりみたいに、ここにも土器あるんじゃない?』なんて
参加者が冗談半分に言ってたら、
ほんとにあった!

古代センターの先生も驚いて、観察したところ
どうも須恵器(古墳時代から平安時代まで作られていた土器)のようだということです。

あ、そうそう。似たような古墳が赤壁近くにもあります。
少なくとも古代の知夫には、2人の首長が居たことになります。



その後会場の役場に帰って、同じ仁夫地区の高津久横穴墓から出土した装飾品を見せてもらいました。
この横穴墓発見のことは当時小学生だった私もかすかな記憶があります。
勾玉は出雲玉湯町産とのことですが、注目は中央のガラス玉。
着色に使われている鉱物は日本には無かったもので、中国産であることがわかっているそうです。

本土を経由して渡ってきた可能性が高いですが…真相は知る由もありませんね。



そして耳環。今で言うところのピアスですね。
横穴墓が一般庶民のお墓であることは説明させていただきましたが、
もともと、装飾品は位の高い人しか身に付けなかったのが、
仏教の伝来によって、農民も経済力をもつようになり、アクセサリーもつけるようになったんだそうです。
このあたりはこれ以上の詳しい解説はありませんでしたが…
丸木舟を漕いで、仏教を隠岐諸島まで伝えに来た人がいたんですね~
宗教ってスゴイ…


今回の勉強会はここまで。
次回は他の遺跡を廻ります。
実は薄毛地区にある私の実家のすぐそばからも、20数年前に横穴墓が発見されました。
もう今はふさがれてしまって現存してはいませんが…

古代の、たぶん私達のご先祖様にあたる人々の暮らしを、少しずつ解明して行けたらと思います。
知夫の遺跡、ガラス玉のように、他ではなかなか見つからないものがいくつかあるようですよ。