JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
東京駅発行 オリンピック特殊往復乗車券
拙ブログ2008年8月24日エントリーの「オリンピック特殊往復乗車券」で一度御紹介致しておりますが、来年2020年には東京オリンピックが開催されるということで、前回の東京オリンピックの際に発行された乗車券を御紹介致しましょう。
今から55年前の1964(昭和39)年10月10日に、東京駅で発行されたオリンピック特殊往復乗車券です。青色こくてつ地紋のA型矢印式大人・小児用券で、オリンピックシンボルマークの影文字が入れられています。
(オリンピックシンボルマーク)
このシンボルマークは単色または五色(左から青・黄・黒・緑・赤)の輪を重ねて連結した形で、アジア・ヨーロッパ・アフリカ・南北アメリカ・オセアニアの5大陸の団結が世界中の国々が仲良くするということの象徴で、このシンボルをかかげるオリンピック競技大会は、世界中から選手が集まって技を競いあい、友好を深める大会であることを表現しているのだそうです。
この券が発売された39.10.10.という日は東京オリンピックの開会式が行われた日で、これを記念し、1966(昭和41)年からは10月10日は「体育の日」という国民の祝日に制定されましたが、2000(平成12)年より、10月の第2日曜日に変更されています。
そろそろきっぷの話に戻しましょう。
御紹介の券は、オリンピック期間中である1964(昭和39)年10月10日から10月24日までの間に都区内各駅で発売されたもので、会場最寄駅である信濃町・千駄ヶ谷・代々木の各駅ゆきの往復割引乗車券として発売されています。
裏面です。往路の着駅(信濃町・千駄ヶ谷・代々木)で下車の際にはこの券を改札掛員に提示するだけで出場できるものとし、往路用の半券を集札しない方法が採られています。
これは、恐らく着駅での改札業務の混乱を避けるため、着札を回収しないことで出場客をスムースに捌くことを目的としたものと思われます。