趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
いすみ鐵道の急行券 ~番外編
いすみ鐵道の急行券の話題が続きますが、今回を最終回としたいと思います。もう少しお付き合いください。
同社急行券の数々を数回に亘って御紹介してまいりましたが、大多喜駅には他に2種類の硬券があることが分かりましたので御紹介いたします。
発駅記入式の急行券です。
大多喜駅および大原駅発行のものと様式は同一の赤色国鉄地紋のA型券ですが、発駅が記入式となっております。
駅員氏の話に拠れば、一度あったような無かったような記憶なのですが、かつて1回だけ上総中野~大多喜間にも臨時急行列車を運転した際に使用したとのことで、発行箇所名は「いすみ鉄道」となっています。
また、小児断片には当然ながら発駅名の記載はありません。
駅名記入式の急行券は大人・小児用を確認しておりますが、小児用はさすがに設備されてなさそうです。
通常発売の急行券としては使用しないとのことですが、同区間の急行列車の運転日ではありませんが発券していただきました。
もう1枚は大多喜駅発の急行券・指定席券の一葉券です。
通常発売用の券は着駅が印刷された区間指定となっていますが、こちらは記入式となっています。様式は区間指定のものと同一ですが、着駅が定まっていないため、小児断片には「急座」の表記しかないところが特徴です。
この券を発売していた日の大原ゆきの指定券はこの様式が使用されておりましたので、区間指定のものは大原駅の大多喜ゆき大人・小児用だけだと思っておりましたが、6月に乗車した際には大原ゆきの券も区間指定となっておりましたので、逆に着駅記入式券が特殊なものであると知った次第です。
恐らく、大多喜駅は途中駅であるがゆえ、当初は大原と上総中野双方に発売できるように敢えて大原までの区間指定の常備券としなかったのかもしれません。しかし、着駅記入式にする必要もないことから、事務手数を減らすために区間指定の常備券に切り替えられた可能性があります。
そうなると、大多喜駅分の小児用の急行券・指定席券一葉券が着駅記入式であることに納得ができますが、なぜ大原駅分の小児用券が区間指定となっていないのか、疑問が残るところです。
考えれば考えるほど奥の深い同社の急行券ですが、もしかすると、他にもまだ確認できていない様式があるかもしれません。